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第八話
茫然自失の中、何度も何度も自問自答する。いやそんなはずない、そんなはずない、こちらが夢か、夢なのか。
夢日記を書きすぎて区別がつかなくなったのだろうか。いやしかし・・・。
あの金髪のキャバ嬢の一言から、いてもたってもいられなくなり、ハルキ経由でしつこく問いただし、店側には絶対に言わないという約束で何とか聞きだした。
彼女は、キズナは、とある客と共に店から居なくなった、と。所謂「水揚げ」をされた、と。店の女の子の間ではもっぱらの噂らしい。
僕にはどうしてもそれを受け入れることが出来なかった。しかし既読のつかないラインがそれを裏付けているのではないか。何度も何度もスマホを確認する。
スマホが揺れる度に彼女からの返信ではないのか、と希望と落胆を繰り返す。気鬱なまま、仕事も手に付かない。
それでも夜になると一縷の希望を持ってキズナのいた店に行ってしまう。もう居ないのは分かっているのに、何度も何度も。
もし彼女がいたら渡せるように、ポケットにはあの石を忍ばせて。最初は気晴らしに他の女の子と話をしていたが、最近は店に行ってもまともに話もしない、ただただ店でお酒を飲むだけの酷い客だ。
何のために店に行っているのか、自分でも分からなくなっていた。
もう無いはずの希望を胸に、ただ、ただ、酒を喰らう。
もう無いのに。もう何も




