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第五話
騒がしい空間、まぶしい照明に目が眩む。どこかのパーティ会場だろうか。あまり場違いな空間に僕は佇んでいる。彼女はパーティに主催者側だろうか。人々に挨拶をして回っている。異質な空間だ。其処ら中で乱痴気騒ぎになっている。しかし彼女は冷静だ。僕の近くに来て、目配せをする。僕はお疲れ様、と労うように彼女の髪を後ろからそっと撫で、僕の吐息が彼女のうなじに触れる。しかし彼女は喜ばない。
それどころか優しくされたくない、冷たい方がいい、と呟き、僕は思わず後ずさりする・・・。
最近は彼女の事を夢で見てしまう。それはいいが、夢の中くらいは上手くいってほしいな、と夢の内容を箇条書きにしながらぼんやりと思う。
フロイトによると、夢は無意識下の欲求や願望が現れるらしい。僕は彼女に何を期待し、求めているのだろうか。そして一体何を彼女に与えることができるのだろうか。プレゼントやお金など物質的なものでは無い何か、そんなぼんやりとしたものを提供して果たして彼女が喜ぶのだろうか。
いや、僕は彼女を過剰に神聖化してしまっている。案外、高額なブランドものが単純に喜ばれるのかもしれない。そんな事を考えながら、また彼女に会いたいと思い、店に行く予定を立てる。もうすぐ彼女の誕生日も近い。何かプレゼントを考えなければ。
また先生に相談してみようか。




