61-2 その後
※ヒジリ視点です
おまけみたいなものなので、すごい短くなってしまいました。
ああ、どこかへ行ってしまう。
「この時間に宿って...」
「...さあ」
2人の会話が遠くに聞こえる。待って、行かないで。
私の、初めての友達...。
「...ここは?」
「保健室ですわ」
ルノウとアリスに一方的に攻撃されて、そのまま気絶してしまったのだろうか。
目を開けた先は、確かに学院の保健室だった。
視界を左にずらすと、そこには、椅子に座ったシャルがいた。
「...アイラは」
「...行ってしまいましたわ」
私の問いに、シャルは悔しそうに言う。
ああ、そうだよな。
完膚なきまでに叩きのめされたんだ。この学院で1番強いと思っていたのに、簡単にやられてしまったのだ。
もちろん、相手がいくら幼いからって、手を抜いたつもりはない。
アイラは、私にとって、このヒジリにとってかけがえのない存在になってしまったのだから。
しかし、結果はどうだろうか。
私は、すぐにでも追いかけようと体を起こす。
それを見たシャルは、私の体を抑えて、いけないようにした。
「...どうして?」
「...確かに、あの3人のことですわ。まだこの国からは出ていないはず。しかし、追いかけてどうするのです?
私たちも一緒に行くとでも言う気ですか?」
「...」
シャルは、掴んでいた私の肩を離して、そのまま話を続ける。
「それに、私たちにはまだ実力が足りない。そのことは、ヒジリもよくわかっているのではなくて?」
「確かに、そうだけど...」
今すぐ追いかけたら、見つけることは可能だ。
しかし、会ってどうするというのだろうか。
シャルの言うとおり、私たちには力が足りない。会って、引き戻そうとしても、返り討ちにあうだけだ。
しかし、とヒジリは思い出す。
「そういえば、どうしてアイラは出ていくことになったの?」
「..それは、私もよくわからないのですわ」
物知りなシャルでも、わからなかった情報なのだろうか。
私は、少しでも情報を集めるために、会長室へと向かおうと提案した。
すると、シャルもその案には賛成のようで、すぐに向かおうと言ってくれた。
そういえばなのだが、アイラの元のパーティーメンバーたちは、どうしているのだろうか。
「ここが、会長室ですわね」
「うん...ん、何か挟まってる?」
会長室の前まで来ると、その扉の前に何か挟まっているのを私は発見した。
なんだろうか。先生の誰かがルノウに用事があって、でも不在だからここに挟んだ、とかだろうか。
「いいえ、これは、アイラの筆跡ですわよ」
「え、そうなの?」
シャルが、その文字を書いた本人をすぐさま当てる。
なるほど、アイラが書いたのか...。
アイラが書いた!?
「...一体、何を書いたんでしょうか」
「そんなの、見ないとわからないけど...見てみるね」
「ええ」
『勝手にいなくなることをお許しください。理由は、会長もご存じの通りだと思います。
ああ、今から探しても、もういないと思います。それと、アリスも連れて行きますね。流石に1人だと寂しくて死んじゃうと思うんで』
「...最初はお別れみたいで悲しかったのに」
「最後でなぜか涙が引っ込んじゃいましたわ」
しかし、これではどうしてアイラがいなくなったのかは分からずじまいだ。
少し後ろめたいが、もう会長はいない。会長室を荒らさせてもらおう。
「失礼しまーす」
「そんなの、もう言う必要はないと思いますけど?」
私が静かに中に入ると、シャルはそんなの関係なしと言った様子で中に入っていく。
確かに、ルノウはもういない。しかし、そう言ったものなのだろうか。
昔、友達だと思っていた人の部屋に入ったら、誰もいなくて、私が不思議に思っていると、そのあとからその友達が入ってきて、私のことを不審者だと叫んだ日のことを思い出した。
あの時は思わずその人を気絶させてしまって、そのまま逃げたのだが、次の日に会ったら、その時の記憶をなくしていて、安堵した気がする。
「何を難しい顔をしているのですか。さっさと調べてしまいますわよ」
そんなことを考えていたら、シャルに急かされてしまった。
そうだ、昔のことなのだ。今は、どうでもいいことなのだ。
「あ、うん」
自分を見失わないように、アイラの手がかりを探していくのだった。
「まあ、1番早いのは、直接聞くのが早いのですけれど」
「じゃあそうした方がよかったじゃん!」
この間、庭で枝豆を収穫しました。
全部塩ゆでにして食べました。おいしかったです。
こっちの世界にも、枝豆はあるんですかね




