11 リナ育成計画
※『☆☆☆☆☆』の中は、賊側の三人称視点です。
投稿した時に書き忘れてました。
なんておちゃめな僕()
サズリア。
国の形は、長方形。
入国する面が短い面だ。
でかいったらありゃしないが、この形なのは理由があるのだろうか。
「まぁ、どうでもいいか」
現在、そのサズリアから80km離れた地点でてくてく歩いている僕達。
その片手間に服を作る僕。
これは先程聞いた話だが、奴隷の服というのは、奴隷という証なのだという。
その中でも、階級のようなものがあり、より上質な奴隷の服を着せていると、その所有者の財力が分かるという。
そんなの、見せかけとかあるんじゃないのかとも思うし、僕からしたら全部同じに見える。
他にも、奴隷の証として首輪というものがあるらしいが、僕はどちらも付けたくはない。
ないのだが、リナがどちらかにしてほしいと言うので、仕方なく首輪をつける形になった。
というわけで、黒を基調とし、白の線を入れたゴスロリが完成だ。
スカートは膝が出る程度にしてある。ミニスカよりは長いかもしれないが。
胸の部分は白に。
これで、可愛らしさアップだ。
カチューシャをつけようかどうか迷ったが、今は付けないでおく。
足りないなと思ったら付けさせてもらおう。
付けたら本格的なメイドだな。
さっそく着てもらおう。
「リナ」
「はい」
隣にいたリナが返事をする。
リナはいつも僕の隣にいるが、飽きないのだろうか。
ユサのように少しくらいならうろうろしてもいいのだが。
僕は、手に持っているゴスロリ衣装をリナに渡す。
「はい、これ。今日からこれがリナの普段着ね」
「……これですか?」
さすがに普段着は言いすぎたか?
でもメイドさんっていつもそんな服だよな……。
いや、厳密にはメイドさんじゃないんだけどさ。
「うん、そう。サイズ合わなかったら言ってね。あ、嫌だったらもちろん着なくていいんだけど」
「いえ、そんなことはありません!ありがとうございます!」
そう言うと、リナは本当に嬉しそうに笑顔を見せた。
そして、その場で脱ぎ始めた。
いやぁ、女の子の笑顔って癒されるよね……って違う!
「んと、ここで着替えるの?」
「? はい。ご主人様の目の前で着替えるのは当たり前ですから」
「……あ、そう」
この子、ユサと同じ時期に奴隷にされたはずなのに、奴隷に対する知識多くないか?
奴隷商人に教えこまれたのだろうか。
「……んしょ、んしょ」
「……」
なにこの微笑ましい光景……。
「どうですか?」
「最高」
「あ、ありがとうございます」
ゴスロリを着用したリナは、破壊力抜群の可愛さだった。
黒に白のアクセントの服、そしてリナの綺麗な青髪。
うむ、最強かもしれん。
「さて、それじゃ、行こうか」
リナが着替えるのを待ってたら、サリナとユサに置いてかれてしまった。
「はいっ!」
リナは、今日1番の明るい声だった。
「ご主人様おーそー……何その服!?」
「……サリナ、作ったの?」
「まぁね」
ちょいちょいっと。
「どーよ?」
「……似合ってる」
「だるぉー?」
「あ、ありがとうございます」
リナはまだ恥ずかしそうだが……なに、そのうち慣れる。
「ご主人様ご主人様、私の服!」
「あぁ、少し待っててね」
その前に、君は武器が必要でしょうに。
「そんなのいいから、服!」
「……おーけい」
そんなの。
命を守る大事なものをそんなもの。
ジェームズに聞かせたらどんな顔をするだろうか。
自分の剣を相棒と呼ぶくらいだからな。
武器に対する思い入れは強いだろう。
「さて」
ユサの服だが。
2人ともスカートにはしようと思う。
ただ、リナは可愛いフリフリのスカートにしたので、ユサにはすらっとしたスカートにしようと思う。
自分で言ってて分からなくなってきた。
「……」
まぁ、面倒だし同じでいいか。
色は変えよう。
そうだな……。
「いっそのこと、全部黒とか」
よし、そうしよう。
服のつなぎ目とかは、スキル先生が何とかしてくれるはず。
いでよ、ユサの服。
ついでに武器。
「おお、これが私の服!」
新しく作った服をさっそくユサに渡すと、これまたすぐに僕の目の前で元の服を脱ぎ捨て、着始めた。
その脱ぎ捨てた服はリナが回収している。すまんね。
ついでに作った長剣は、斬れ味こそ変わっていないが、頑丈にした。
腕力さえあれば、タートルタートルでさえ割ることができる。
「どう、ご主人様?」
「うん、似合ってるよ」
「わあい!」
「それじゃあついでに、髪も切ろっか」
というわけで、髪も切りました。
ハサミを創り出し、スキルにお任せして切っていく。
イメージするのは、ボブ、セミロングあたり。
黒髪はこの髪型じゃないと。
「はい、完成」
「わあ、ありがとう、ご主人様!」
「それじゃあ、リナも」
「え、私ですか?」
隣で見ていたリナに声をかけると、驚いたような声を出した。
まぁ、別に長いわけじゃないし、切る必要はないけど、少ししたいことがあった。
「カチューシャ付けてないから、サイドテールとかにしたくて」
「かちゅー……??」
創造スキル先生、大活躍。
青の髪に青のゴムはあれかなと思ったので、オレンジのゴムを作成。
そのまま、慣れた手つきでサイドテールを作り出す。
ふむ、いいね。
なんか、雨やめーって言ったら止みそうな髪型だよ。
「あ、あの……」
「似合ってるよ、リナ」
「……ありがとうございます」
リナは恥ずかしいのか、サイドテールにした髪をずっといじっていた。
くそ、やっぱり首輪が目立つな。
とはいえ、取れないし、それはもうしょうがないか。
さて。
「……あれか」
「はい。あそこに見えるのが、ご主人様の目的地、サズリアです」
前方約100km。
これだけ離れていても見えるというのは、その国の巨大さを表している。
ここからでは分からないが、空間スキルによると、この国の上空では飛空艇が飛んでいるようだ。
これだけ大きい国だ、それで移動しているのかもしれない。
「ご主人様」
「ん?」
「左の方をご覧下さい」
リナに言われて左に視線をずらしていっても、特に不思議なことはないが……。
もしかしたら。
「……あぁ、賊ってやつ」
「はい」
空間スキルを発動し、約20km先、木陰に隠れた5人組がいるのがわかる。
しかし、遠くの国を見て判断したり、賊を見つけたり、リナは優秀だなぁ。
……優秀すぎる気もするけど。
「……」
「……」
ユサはと言えば、新しく渡した武器をひたすら素振りしながら、サリナの横を歩いている。
筋トレ大好きかな?
「サリナ、それサリナの指示?」
「……勝手にやってる」
「ご主人様を守りたいの!」
あら、嬉しいこと言ってくれるじゃない。
いや、そうじゃなくてさ。
「ちゃんと休まないとダメだよ?」
「うん!」
ちょっと心配なので、アイテムボックスから軽食を出して渡しておいた。
……料理か。
「そうだ、リナ」
「はい?」
「料理、覚えてみない?」
「料理、ですか」
「うん」
別に、既に出来上がっている料理を食べてもいい。
だが、やはり手作りというものを食べたいのだ。いや、売ってるのもこの世界じゃ手作りなんだけど。
例え僕が料理スキルを持っていたとしても、他人が作ったものを食べたい。
愛、おぼえていますか。なんちって。
「わかりました、やってみます」
「よし。それじゃあ、サズリアに入ったらやってみようか」
「はい」
よし、僕好みの味を作ってもらお。
その前に、賊を始末しないと。
「それじゃあ、ちょっと行ってくる」
「どこにいくのー?」
「ご主人様1人で、ですか?」
ユサはどこに行くのかはわかっていないみたいだが、リナは分かっているようだ。
色々と察しがいい。
サリナは特に何も言わずにこちらを見ているだけだ。
「うん、もし何かあったら、みんなに危険が及ぶし」
「ご主人様。もう少し自分の身をあんじてください」
「ご主人様がどんだけ強くたって、囲まれたらやられちゃうよ?」
そういえば、この2人には僕のチートな件について何も言ってなかったか。
それなら、ちょうどいい。
証明開始だ。
いや、かっこよく言ったけど、ただボコしてくるだけだけど。
「ま、そこら辺は大丈夫さ」
「で、でも……」
「うーん……」
このまま話していても、延長線上な気がするな……。
そうだ。
「ついてくるかい?」
「……私と、ご主人様の2人で行くんですか?」
「うん、そう。サリナ、ユサを頼むよ」
「……ん」
「……わかりました」
さて、それじゃあ、軽く捻ってきますかね。
☆☆☆☆☆
「おい、お前が見つけた獲物ってのはどんなんだ?」
「女4人のパーティーで、武器を持ってるのは3人。楽勝だよ」
少し広い一本道の横。
何本も木が生えている場所の裏で、男3人は指示を待っていた。
指示を出す男達のグループのリーダーは、道を挟んで別の木陰に隠れている。
狙っているパーティーがここを通れば、横から一気に挟んでしまおうという作戦だ。
「んだそれ……」
「舐めてるな、この世界を」
「ま、見たところ全員若かったし、世間知らずなだけかも知れん。それでも、俺たちのやることは変わらないさ」
ギルドでうろうろしていた時にチラッと見たが、まだ駆け出しのひよっこという感じがしていた。
男は、スキンヘッドの頭を触り、空いている手で己の武器を握り直す。
男達は何故か、全員がスキンヘッドだった。
「……そろそろか」
向こうから、襲う予定のパーティーが歩いてくる。
「……人、少なくないか?」
「あれ、おかしいな……」
情報を持ってきた男が見る。
「なんで2人しかいないんだ……?」
「……1度、ボスに確認をとった方が」
「いや、やるみたいだぞ」
男がボスことリーダーに確認を取ろうとすると、その当の本人は、作戦を遂行するジェスチャーを送ってきた。
やるのだ。例えこれが罠だとしても。
「……よし、それじゃあ、いくぞ」
こちらもジェスチャーで、タイミングを出す。
開始は、スリーカウントの後で____
「失礼!」
「えっ?」
始めようとした瞬間、背後から声をかけられた。
そう思った時にはもう、男は木へたたきつけられていた。
☆☆☆☆☆
「失礼!」
サリナ達が襲われる前に、こちらから襲う。
ただでさえ女子だけのパーティーなのだ、油断しかしていないだろう。
というわけで、1人目は奇襲で気に投げつけた。
力加減を間違えて殺してないようにだけ気をつけよう。
「……」
「あ、リナも怪我しないように気をつけてね」
「あ、はい」
リナは、当初の予定通り、付いてこさせて、僕の力を直接見せている。
そしたら、その後の説明が多少は楽になると思う。
説明って言ったって、経緯は話さないけど。
さて。
男達は、全部で5人。
うち3人がこちら側に。残りの2人は、向こうでこちらの様子を伺っているようだ。
すぐに飛び出してこないあたり、仲間意識というものは無いのかもしれない。
「な、なんだこいつ……」
「こ、こいつだ!俺がさっき言ってたパーティーメンバーの1人!」
どちらもスキンヘッドで同じような服装だから、見分けが付きにくいが、僕のこと知っているような口調の方が、目元に傷がある。
もう片方は温厚そうな顔だが、人は見かけによらないというものだろう。
「ま、どうでもいいけどね」
腹パン。
武器を使ってしまうとうっかり殺してしまいそうなので、素手で。
いや、素手でもうっかりしちゃいそうだけど、刃物とかを使うよりはいいと思う。
僕のとんでもシリーズは人には使っちゃいけないね。
うっかりお腹貫いちゃったらごめんなさい。
一応治します。
「ぐぇ……」
さてこれで鎮圧完了。
いや、別に暴れてた訳じゃないけど。
残りの2人は、まだこっちの様子を伺っている……もしかして、気づいていないのか?
作戦的には、こっちの3人が出てきてから、残り2人で囲む予定だったのかもしれない。
逆じゃないかな、普通。
「ご、ご主人様……」
「あ、リナ、この3人ってどうしたらいいのかな」
アイテムボックスにぽいぽいするわけにはいかないし。
というか、入れたくない。
「そうですね……ここはサズリアの領地ですし、これから向かうのもサズリアです。突き出してしまえば良いかと」
「なるほど。ちなみに、突き出したらどうなるの?」
「指名手配等をされていれば、それなりの報酬が入りますが、されていなくても多少は貰えます」
「あ、いや、僕達じゃなくて、こいつら」
「あぁ、そっちですか」
リナは顎に手を当て、少し考えてから言った。
「まぁ、奴隷に落とされるか、絞首刑でしょうか」
「ひぇ〜……」
ひぇ〜、とは言ったものの、そんなこと本気では思ってはいない。
他人は基本どうでもいい。
僕にとって大事な人以外は。
「ま、いいや。サズリア入ったら突き出すことにしよう」
「わかりました、縛って、そのまま連れていくのが一般的ですが、今はロープが無いので、武器を取り上げ、私が常に後から威嚇しておきましょう」
リナはそう言うと、気絶している3人から、手際よく武器を取り上げながら言った。
……手馴れてるな。
「んじゃあ、僕は向こうの2人をやってくるから」
「はい。最終的にはご主人様の判断に任せますが、殺してしまっても構いません」
「あはは……」
どうでもいいとは言ったが、それで僕が殺すかと言われれば微妙なところだ。
「今度は時間をかけずにおわらせよ」
能力にものを言わせ、一気に接近。
2人が気づく前に、腹パンをお見舞する。
……なんか、嫌だなこれ。
「手に直接伝わるのがいやだ……」
刀を持っていたとしても、多少は伝わってはくるが、腹パンとは段違いだ。
とはいえ、アイテムボックスに入れないとなると、連れていくか引きずっていくかのどちらかなのだが、正直言うと面倒だ。
「……よし、いい方法を思いついた」
サズリアに入ったら、通報しよう。
幸い、ここはサズリアの領地。適当に土に体半分埋めといて、あとは目印でも置いておけば、勝手にやってくれるだろう。
ただ、それだけだと証拠が無いので、1人は連れていこうと思う。
……全員スキンヘッドだから、リーダーがわからないな。
「あのさ」
「!?」
先程沈めた2人を引きずりながらリナのところに戻り、既に縛られている中で意識がある者に声をかける。
すっごいビックリされた。
「リーダーって誰?」
「……!……!!」
すっごい目線で教えてくれた。
そっか、口も手足も縛ってるから、それしかないもんね。
ごめんね。
「そっか、ありがとう。お礼に、これをプレゼント」
まずは、教えてくれた男の隣に胸まで埋まるであろう穴を作る。
そして、男を放り込む。
もちろん、頭は上にしてある。死んじゃうじゃん。
そして、埋める。
「……よし、これでオッケーかな」
魔法スキルが働くため、これくらいのことなら魔法名を唱えなくても平気だ。
さて、リナも残りの2人を縛り終わったし、リーダー以外は埋めるとしましょうか。
「めんどうだから、一気に行くよ」
「……ん」
とはいえ、バカ正直に歩く必要も無い。
移動スキルでひとっ飛びだ。
だったら、全員連れてけよとか思うだろうが、もしアジトが近くにあったら、ついでにそれも潰してもらいたい。
リナとユサをこちらに呼ぶ。
……リナは呼ぶ必要が無いが。
「これからサズリアまで一気にいくから、僕から離れないようにね」
「はい!」
「……?」
ユサはいい返事をしたが、リナはいまいち理解出来ていないからか、不思議そうに首をかしげた。
……いや、理解出来てないという点なら、同じだと思うけどさ。
ちなみに。
移動スキルについて分かったことがある。
以前使った際に、サリナの手を掴んで移動したことがあったが、ある程度離れていても、僕次第で一緒に移動できるようだった。
範囲はまだ分からないが、今のところは3m。
「それじゃ、行くよ!」
サズリア。
その国は、ユサにぴったりな、まさしくユサのためにあるかのうな国だ。
武の道を激しく国が推進しており、また、国民もそれに従っている。
何がすごいって、これに異を唱えるどころか、このおかげでストレスも無く、力だけで見たら国民全員がかなりのレベルという事だ。
「ひゃ〜……」
門番の衛兵に賊を引渡し、無事に入国することに成功した僕達。
門を抜け、そのまま中央に向かうと、そこには、闘技場のようなものがあった。
中では、複数の男が戦っている。
「……これ、見るだけなら無料なのか」
「ふおぉぉ!!私もやる!」
「こらこら」
やるならまず、僕とのスパークリングが終わってからね。
あと修行も。
「……私も、出た方がよろしいでしょうか?」
「いや、出なくていいから」
少なくとも、リナには料理をやってもらう。
それは決定しているのだから、そんなことで怪我をされても困る。
リナが出るくらいなら僕が出てもいいくらいだ。
「……でも、この国で1番稼げるのはあれ」
「まじか……」
さすがに殺し合いはしていないだろうが、それなりに、どちらにも報奨金が出るのだろうか。
「なら、僕がちょいちょい出ておくよ」
「……ん」
「ご主人様1人でですか?」
「うん、そう」
なんかこう、大人数の大乱闘とかなら、僕がこっそりぽこぽこ倒して、なんだかんだで1位になっても、みんなラッキーなんだなとかで済ましてくれそう。
……ただの勘だけど。
「……なら、私も出ます」
「えっ」
「ご主人様1人に危険なことをさせる訳には」
うーん……これは先にパーティー会議かな。
さっさと僕のことを教えた方が早い。
気がする。
「……ま、この話はまた後で。さっさと宿をとろうか」
「あ、ご主人様、先程の賊から盗ったものです」
「……あ、うん、どうも」
日本人だからか、盗るというのはいささか慣れないな。
ゲームに例えたら慣れやすいかもしれん。
この世界は決して、ゲームじゃないんだろうけども。
「それと、リーダーを連れてきた報酬は、後ほど連絡が行くそうです」
「なるほど」
なぜ僕じゃなくリナに情報が行くのかは知らないが、僕よりリナの方が優秀だから、そっちの方が楽でいい。
「んー……どうするかな」
まずは、情報収集かな。
「ありがとうございます!」
現地民の情報によると、この国には宿が全部で3つ。
1つは、食事は美味しいが、ベッドは固く、女4人のパーティーにはおすすめしない場所。
もう1つは、食事は普通、寝床も普通だが、多少高いというところ。
最後の1つは、最も値段が高いが、最高級の宿であることは間違いないという。
この国に永住する気がなく、お金に余裕があるなら、1度は泊まっておいた方がいいとのこと。
ふむ、そうなると、1番最後だろうか。
「だけど、心配なのは、お金だよなぁ」
現在の所持金は3600ミル。
この国の相場はしらないが、日本円の約1/100だと思われる。
つまり、日本円に直せば36万円ぐらいってことだ。
ドルと円の相場ぐらいか?
ただ、そんな最高級なホテル、現代で言ったらこの所持金だと何泊が出来たらいい方だ。
……やはり、闘技場に行くしかないだろうか。
「いらっしゃいませ」
宿に入ると、中には僕らと同じぐらいの可愛い女の子がいた。
……なに、この世界は女の子が受付をやる習性でもあるん?
「宿泊ですか?」
「はい」
「4名様ですか?」
「はい」
「何泊ですか?」
「……5?」
とりあえず、適当に数字を言ってみた。
確か、この最初に思い浮かべた数字で何かが分かったような気がするが……忘れた。
「わかりました、5泊ですね、3000ミルとなります」
「……はい」
よかった、足りたか。
……意外と、安かったな。
「それじゃあ、会議を始めます」
「ねむーい」
「……ん」
「ユサ、しっかりしなさい」
ユサとサリナは既にベッドに寝っ転がって、寝る体勢に。
リナは、僕の前に座り、背中をぴんと伸ばして、ユサだけ叱っている。
いや、確かに多少は聞いてほしいけど、そんなに気を張り詰めなくても……。
「僕の能力なんだけど」
「……それは、私も不思議に思いました。ご主人様は少し常識から飛び抜けています」
少しじゃない気がするけど。
「まず、僕は、並大抵の奴らには負けない。持ってるスキルは全部Lv.10。多少の無理もなんとか出来ると思う」
「……なるほど」
「くー……」
「……」
あ、もう寝てるね。
「多分、その中に、みんなを鍛える効率をあげられるスキルがあると思う。既に、リナの能力は飛び出てる」
「……私の、ですか?」
多分だけどね。
森に1回入っただけでこんな強くなってたら、もっとこの世界の人は強いと思う。
「そこで」
「はい」
少し実験だ。
人が相手でもレベルが上がるのか、試したい。
「明日、2人で闘技場行くよ」




