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一度でいいからと望んだであろう世界で  作者: すずはっぱ
第1章
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21/79

11 リナ育成計画

※『☆☆☆☆☆』の中は、賊側の三人称視点です。

投稿した時に書き忘れてました。

なんておちゃめな僕()

サズリア。


国の形は、長方形。

入国する面が短い面だ。

でかいったらありゃしないが、この形なのは理由があるのだろうか。


「まぁ、どうでもいいか」


現在、そのサズリアから80km離れた地点でてくてく歩いている僕達。

その片手間に服を作る僕。


これは先程聞いた話だが、奴隷の服というのは、奴隷という証なのだという。

その中でも、階級のようなものがあり、より上質な奴隷の服を着せていると、その所有者の財力が分かるという。

そんなの、見せかけとかあるんじゃないのかとも思うし、僕からしたら全部同じに見える。

他にも、奴隷の証として首輪というものがあるらしいが、僕はどちらも付けたくはない。

ないのだが、リナがどちらかにしてほしいと言うので、仕方なく首輪をつける形になった。


というわけで、黒を基調とし、白の線を入れたゴスロリが完成だ。

スカートは膝が出る程度にしてある。ミニスカよりは長いかもしれないが。

胸の部分は白に。

これで、可愛らしさアップだ。

カチューシャをつけようかどうか迷ったが、今は付けないでおく。

足りないなと思ったら付けさせてもらおう。


付けたら本格的なメイドだな。


さっそく着てもらおう。


「リナ」

「はい」


隣にいたリナが返事をする。

リナはいつも僕の隣にいるが、飽きないのだろうか。

ユサのように少しくらいならうろうろしてもいいのだが。


僕は、手に持っているゴスロリ衣装をリナに渡す。


「はい、これ。今日からこれがリナの普段着ね」

「……これですか?」


さすがに普段着は言いすぎたか?

でもメイドさんっていつもそんな服だよな……。

いや、厳密にはメイドさんじゃないんだけどさ。


「うん、そう。サイズ合わなかったら言ってね。あ、嫌だったらもちろん着なくていいんだけど」

「いえ、そんなことはありません!ありがとうございます!」


そう言うと、リナは本当に嬉しそうに笑顔を見せた。

そして、その場で脱ぎ始めた。

いやぁ、女の子の笑顔って癒されるよね……って違う!


「んと、ここで着替えるの?」

「? はい。ご主人様の目の前で着替えるのは当たり前ですから」

「……あ、そう」


この子、ユサと同じ時期に奴隷にされたはずなのに、奴隷に対する知識多くないか?

奴隷商人に教えこまれたのだろうか。


「……んしょ、んしょ」

「……」


なにこの微笑ましい光景……。





「どうですか?」

「最高」

「あ、ありがとうございます」


ゴスロリを着用したリナは、破壊力抜群の可愛さだった。

黒に白のアクセントの服、そしてリナの綺麗な青髪。

うむ、最強かもしれん。


「さて、それじゃ、行こうか」


リナが着替えるのを待ってたら、サリナとユサに置いてかれてしまった。


「はいっ!」


リナは、今日1番の明るい声だった。





「ご主人様おーそー……何その服!?」

「……サリナ、作ったの?」

「まぁね」


ちょいちょいっと。


「どーよ?」

「……似合ってる」

「だるぉー?」

「あ、ありがとうございます」


リナはまだ恥ずかしそうだが……なに、そのうち慣れる。


「ご主人様ご主人様、私の服!」

「あぁ、少し待っててね」


その前に、君は武器が必要でしょうに。


「そんなのいいから、服!」

「……おーけい」


そんなの。

命を守る大事なものをそんなもの。

ジェームズに聞かせたらどんな顔をするだろうか。

自分の剣を相棒と呼ぶくらいだからな。

武器に対する思い入れは強いだろう。


「さて」


ユサの服だが。

2人ともスカートにはしようと思う。

ただ、リナは可愛いフリフリのスカートにしたので、ユサにはすらっとしたスカートにしようと思う。

自分で言ってて分からなくなってきた。


「……」


まぁ、面倒だし同じでいいか。

色は変えよう。

そうだな……。


「いっそのこと、全部黒とか」


よし、そうしよう。

服のつなぎ目とかは、スキル先生が何とかしてくれるはず。


いでよ、ユサの服。

ついでに武器。








「おお、これが私の服!」


新しく作った服をさっそくユサに渡すと、これまたすぐに僕の目の前で元の服を脱ぎ捨て、着始めた。

その脱ぎ捨てた服はリナが回収している。すまんね。


ついでに作った長剣は、斬れ味こそ変わっていないが、頑丈にした。

腕力さえあれば、タートルタートルでさえ割ることができる。


「どう、ご主人様?」

「うん、似合ってるよ」

「わあい!」

「それじゃあついでに、髪も切ろっか」


というわけで、髪も切りました。

ハサミを創り出し、スキルにお任せして切っていく。

イメージするのは、ボブ、セミロングあたり。

黒髪はこの髪型じゃないと。


「はい、完成」

「わあ、ありがとう、ご主人様!」

「それじゃあ、リナも」

「え、私ですか?」


隣で見ていたリナに声をかけると、驚いたような声を出した。

まぁ、別に長いわけじゃないし、切る必要はないけど、少ししたいことがあった。


「カチューシャ付けてないから、サイドテールとかにしたくて」

「かちゅー……??」


創造スキル先生、大活躍。


青の髪に青のゴムはあれかなと思ったので、オレンジのゴムを作成。

そのまま、慣れた手つきでサイドテールを作り出す。


ふむ、いいね。


なんか、雨やめーって言ったら止みそうな髪型だよ。


「あ、あの……」

「似合ってるよ、リナ」

「……ありがとうございます」


リナは恥ずかしいのか、サイドテールにした髪をずっといじっていた。

くそ、やっぱり首輪が目立つな。

とはいえ、取れないし、それはもうしょうがないか。


さて。


「……あれか」

「はい。あそこに見えるのが、ご主人様の目的地、サズリアです」


前方約100km。

これだけ離れていても見えるというのは、その国の巨大さを表している。

ここからでは分からないが、空間スキルによると、この国の上空では飛空艇が飛んでいるようだ。

これだけ大きい国だ、それで移動しているのかもしれない。


「ご主人様」

「ん?」

「左の方をご覧下さい」


リナに言われて左に視線をずらしていっても、特に不思議なことはないが……。

もしかしたら。


「……あぁ、賊ってやつ」

「はい」


空間スキルを発動し、約20km先、木陰に隠れた5人組がいるのがわかる。

しかし、遠くの国を見て判断したり、賊を見つけたり、リナは優秀だなぁ。


……優秀すぎる気もするけど。


「……」

「……」


ユサはと言えば、新しく渡した武器をひたすら素振りしながら、サリナの横を歩いている。

筋トレ大好きかな?


「サリナ、それサリナの指示?」

「……勝手にやってる」

「ご主人様を守りたいの!」


あら、嬉しいこと言ってくれるじゃない。

いや、そうじゃなくてさ。


「ちゃんと休まないとダメだよ?」

「うん!」


ちょっと心配なので、アイテムボックスから軽食サンドイッチを出して渡しておいた。


……料理か。


「そうだ、リナ」

「はい?」

「料理、覚えてみない?」

「料理、ですか」

「うん」


別に、既に出来上がっている料理を食べてもいい。

だが、やはり手作りというものを食べたいのだ。いや、売ってるのもこの世界じゃ手作りなんだけど。

例え僕が料理スキルを持っていたとしても、他人が作ったものを食べたい。


愛、おぼえていますか。なんちって。


「わかりました、やってみます」

「よし。それじゃあ、サズリアに入ったらやってみようか」

「はい」


よし、僕好みの味を作ってもらお。


その前に、賊を始末しないと。


「それじゃあ、ちょっと行ってくる」

「どこにいくのー?」

「ご主人様1人で、ですか?」


ユサはどこに行くのかはわかっていないみたいだが、リナは分かっているようだ。

色々と察しがいい。


サリナは特に何も言わずにこちらを見ているだけだ。


「うん、もし何かあったら、みんなに危険が及ぶし」

「ご主人様。もう少し自分の身をあんじてください」

「ご主人様がどんだけ強くたって、囲まれたらやられちゃうよ?」


そういえば、この2人には僕のチートな件について何も言ってなかったか。

それなら、ちょうどいい。

証明開始だ。

いや、かっこよく言ったけど、ただボコしてくるだけだけど。


「ま、そこら辺は大丈夫さ」

「で、でも……」

「うーん……」


このまま話していても、延長線上な気がするな……。

そうだ。


「ついてくるかい?」

「……私と、ご主人様の2人で行くんですか?」

「うん、そう。サリナ、ユサを頼むよ」

「……ん」

「……わかりました」


さて、それじゃあ、軽く捻ってきますかね。



☆☆☆☆☆



「おい、お前が見つけた獲物ってのはどんなんだ?」

「女4人のパーティーで、武器を持ってるのは3人。楽勝だよ」


少し広い一本道の横。

何本も木が生えている場所の裏で、男3人は指示を待っていた。

指示を出す男達のグループのリーダーは、道を挟んで別の木陰に隠れている。


狙っているパーティーがここを通れば、横から一気に挟んでしまおうという作戦だ。


「んだそれ……」

「舐めてるな、この世界を」

「ま、見たところ全員若かったし、世間知らずなだけかも知れん。それでも、俺たちのやることは変わらないさ」


ギルドでうろうろしていた時にチラッと見たが、まだ駆け出しのひよっこという感じがしていた。


男は、スキンヘッドの頭を触り、空いている手で己の武器を握り直す。


男達は何故か、全員がスキンヘッドだった。


「……そろそろか」


向こうから、襲う予定のパーティーが歩いてくる。


「……人、少なくないか?」

「あれ、おかしいな……」


情報を持ってきた男が見る。


「なんで2人しかいないんだ……?」

「……1度、ボスに確認をとった方が」

「いや、やるみたいだぞ」


男がボスことリーダーに確認を取ろうとすると、その当の本人は、作戦を遂行するジェスチャーを送ってきた。

やるのだ。例えこれが罠だとしても。


「……よし、それじゃあ、いくぞ」


こちらもジェスチャーで、タイミングを出す。

開始は、スリーカウントの後で____


「失礼!」

「えっ?」


始めようとした瞬間、背後から声をかけられた。

そう思った時にはもう、男は木へたたきつけられていた。




☆☆☆☆☆




「失礼!」


サリナ達が襲われる前に、こちらから襲う。

ただでさえ女子だけのパーティーなのだ、油断しかしていないだろう。

というわけで、1人目は奇襲で気に投げつけた。

力加減を間違えて殺してないようにだけ気をつけよう。


「……」

「あ、リナも怪我しないように気をつけてね」

「あ、はい」


リナは、当初の予定通り、付いてこさせて、僕の力を直接見せている。

そしたら、その後の説明が多少は楽になると思う。

説明って言ったって、経緯は話さないけど。


さて。


男達は、全部で5人。

うち3人がこちら側に。残りの2人は、向こうでこちらの様子を伺っているようだ。

すぐに飛び出してこないあたり、仲間意識というものは無いのかもしれない。


「な、なんだこいつ……」

「こ、こいつだ!俺がさっき言ってたパーティーメンバーの1人!」


どちらもスキンヘッドで同じような服装だから、見分けが付きにくいが、僕のこと知っているような口調の方が、目元に傷がある。

もう片方は温厚そうな顔だが、人は見かけによらないというものだろう。


「ま、どうでもいいけどね」


腹パン。

武器を使ってしまうとうっかり殺してしまいそうなので、素手で。

いや、素手でもうっかりしちゃいそうだけど、刃物とかを使うよりはいいと思う。

僕のとんでもシリーズは人には使っちゃいけないね。


うっかりお腹貫いちゃったらごめんなさい。

一応治します。


「ぐぇ……」


さてこれで鎮圧完了。


いや、別に暴れてた訳じゃないけど。


残りの2人は、まだこっちの様子を伺っている……もしかして、気づいていないのか?

作戦的には、こっちの3人が出てきてから、残り2人で囲む予定だったのかもしれない。

逆じゃないかな、普通。


「ご、ご主人様……」

「あ、リナ、この3人ってどうしたらいいのかな」


アイテムボックスにぽいぽいするわけにはいかないし。

というか、入れたくない。


「そうですね……ここはサズリアの領地ですし、これから向かうのもサズリアです。突き出してしまえば良いかと」

「なるほど。ちなみに、突き出したらどうなるの?」

「指名手配等をされていれば、それなりの報酬が入りますが、されていなくても多少は貰えます」

「あ、いや、僕達じゃなくて、こいつら」

「あぁ、そっちですか」


リナは顎に手を当て、少し考えてから言った。


「まぁ、奴隷に落とされるか、絞首刑でしょうか」

「ひぇ〜……」


ひぇ〜、とは言ったものの、そんなこと本気では思ってはいない。

他人は基本どうでもいい。

僕にとって大事な人以外は。


「ま、いいや。サズリア入ったら突き出すことにしよう」

「わかりました、縛って、そのまま連れていくのが一般的ですが、今はロープが無いので、武器を取り上げ、私が常に後から威嚇しておきましょう」


リナはそう言うと、気絶している3人から、手際よく武器を取り上げながら言った。


……手馴れてるな。


「んじゃあ、僕は向こうの2人をやってくるから」

「はい。最終的にはご主人様の判断に任せますが、殺してしまっても構いません」

「あはは……」


どうでもいいとは言ったが、それで僕が殺すかと言われれば微妙なところだ。


「今度は時間をかけずにおわらせよ」


能力ステータスにものを言わせ、一気に接近。

2人が気づく前に、腹パンをお見舞する。

……なんか、嫌だなこれ。


「手に直接伝わるのがいやだ……」


刀を持っていたとしても、多少は伝わってはくるが、腹パンとは段違いだ。







とはいえ、アイテムボックスに入れないとなると、連れていくか引きずっていくかのどちらかなのだが、正直言うと面倒だ。


「……よし、いい方法を思いついた」


サズリアに入ったら、通報しよう。

幸い、ここはサズリアの領地のはず。適当に土に体半分埋めといて、あとは目印でも置いておけば、勝手にやってくれるだろう。


ただ、それだけだと証拠が無いので、1人は連れていこうと思う。


……全員スキンヘッドだから、リーダーがわからないな。


「あのさ」

「!?」


先程沈めた2人を引きずりながらリナのところに戻り、既に縛られている中で意識がある者に声をかける。

すっごいビックリされた。


「リーダーって誰?」

「……!……!!」


すっごい目線で教えてくれた。


そっか、口も手足も縛ってるから、それしかないもんね。

ごめんね。

「そっか、ありがとう。お礼に、これをプレゼント」


まずは、教えてくれた男の隣に胸まで埋まるであろう穴を作る。

そして、男を放り込む。

もちろん、頭は上にしてある。死んじゃうじゃん。


そして、埋める。


「……よし、これでオッケーかな」


魔法スキルが働くため、これくらいのことなら魔法名を唱えなくても平気だ。


さて、リナも残りの2人を縛り終わったし、リーダー以外は埋めるとしましょうか。





「めんどうだから、一気に行くよ」

「……ん」


とはいえ、バカ正直に歩く必要も無い。

移動スキルでひとっ飛びだ。

だったら、全員連れてけよとか思うだろうが、もしアジトが近くにあったら、ついでにそれも潰してもらいたい。


リナとユサをこちらに呼ぶ。

……リナは呼ぶ必要が無いが。


「これからサズリアまで一気にいくから、僕から離れないようにね」

「はい!」

「……?」


ユサはいい返事をしたが、リナはいまいち理解出来ていないからか、不思議そうに首をかしげた。

……いや、理解出来てないという点なら、同じだと思うけどさ。


ちなみに。

移動スキルについて分かったことがある。

以前使った際に、サリナの手を掴んで移動したことがあったが、ある程度離れていても、僕次第で一緒に移動できるようだった。

範囲はまだ分からないが、今のところは3m。


「それじゃ、行くよ!」






サズリア。

その国は、ユサにぴったりな、まさしくユサのためにあるかのうな国だ。

武の道を激しく国が推進しており、また、国民もそれに従っている。

何がすごいって、これに異を唱えるどころか、このおかげでストレスも無く、力だけで見たら国民全員がかなりのレベルという事だ。


「ひゃ〜……」


門番の衛兵に賊を引渡し、無事に入国することに成功した僕達。

門を抜け、そのまま中央に向かうと、そこには、闘技場のようなものがあった。

中では、複数の男が戦っている。


「……これ、見るだけなら無料なのか」

「ふおぉぉ!!私もやる!」

「こらこら」


やるならまず、僕とのスパークリングが終わってからね。

あと修行も。


「……私も、出た方がよろしいでしょうか?」

「いや、出なくていいから」


少なくとも、リナには料理をやってもらう。

それは決定しているのだから、そんなことで怪我をされても困る。

リナが出るくらいなら僕が出てもいいくらいだ。


「……でも、この国で1番稼げるのはあれ」

「まじか……」


さすがに殺し合いはしていないだろうが、それなりに、どちらにも報奨金が出るのだろうか。


「なら、僕がちょいちょい出ておくよ」

「……ん」

「ご主人様1人でですか?」

「うん、そう」


なんかこう、大人数の大乱闘とかなら、僕がこっそりぽこぽこ倒して、なんだかんだで1位になっても、みんなラッキーなんだなとかで済ましてくれそう。

……ただの勘だけど。


「……なら、私も出ます」

「えっ」

「ご主人様1人に危険なことをさせる訳には」


うーん……これは先にパーティー会議かな。

さっさと僕のことを教えた方が早い。

気がする。


「……ま、この話はまた後で。さっさと宿をとろうか」

「あ、ご主人様、先程の賊から盗ったものです」

「……あ、うん、どうも」


日本人だからか、盗るというのはいささか慣れないな。

ゲームに例えたら慣れやすいかもしれん。

この世界は決して、ゲームじゃないんだろうけども。


「それと、リーダーを連れてきた報酬は、後ほど連絡が行くそうです」

「なるほど」


なぜ僕じゃなくリナに情報が行くのかは知らないが、僕よりリナの方が優秀だから、そっちの方が楽でいい。


「んー……どうするかな」


まずは、情報収集かな。






「ありがとうございます!」


現地民の情報によると、この国には宿が全部で3つ。


1つは、食事は美味しいが、ベッドは固く、女4人のパーティーにはおすすめしない場所。


もう1つは、食事は普通、寝床も普通だが、多少高いというところ。


最後の1つは、最も値段が高いが、最高級の宿であることは間違いないという。

この国に永住する気がなく、お金に余裕があるなら、1度は泊まっておいた方がいいとのこと。


ふむ、そうなると、1番最後だろうか。


「だけど、心配なのは、お金だよなぁ」


現在の所持金は3600ミル。

この国の相場はしらないが、日本円の約1/100だと思われる。

つまり、日本円に直せば36万円ぐらいってことだ。

ドルと円の相場ぐらいか?


ただ、そんな最高級なホテル、現代で言ったらこの所持金だと何泊が出来たらいい方だ。


……やはり、闘技場に行くしかないだろうか。






「いらっしゃいませ」


宿に入ると、中には僕らと同じぐらいの可愛い女の子がいた。

……なに、この世界は女の子が受付をやる習性でもあるん?


「宿泊ですか?」

「はい」

「4名様ですか?」

「はい」

「何泊ですか?」

「……5?」


とりあえず、適当に数字を言ってみた。

確か、この最初に思い浮かべた数字で何かが分かったような気がするが……忘れた。


「わかりました、5泊ですね、3000ミルとなります」

「……はい」


よかった、足りたか。


……意外と、安かったな。







「それじゃあ、会議を始めます」

「ねむーい」

「……ん」

「ユサ、しっかりしなさい」


ユサとサリナは既にベッドに寝っ転がって、寝る体勢に。

リナは、僕の前に座り、背中をぴんと伸ばして、ユサだけ叱っている。

いや、確かに多少は聞いてほしいけど、そんなに気を張り詰めなくても……。


「僕の能力ステータスなんだけど」

「……それは、私も不思議に思いました。ご主人様は少し常識から飛び抜けています」


少しじゃない気がするけど。


「まず、僕は、並大抵の奴らには負けない。持ってるスキルは全部Lv.10。多少の無理もなんとか出来ると思う」

「……なるほど」

「くー……」

「……」


あ、もう寝てるね。


「多分、その中に、みんなを鍛える効率をあげられるスキルがあると思う。既に、リナの能力ステータスは飛び出てる」

「……私の、ですか?」


多分だけどね。

森に1回入っただけでこんな強くなってたら、もっとこの世界の人は強いと思う。


「そこで」

「はい」


少し実験だ。


人が相手でもレベルが上がるのか、試したい。


「明日、2人で闘技場行くよ」

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