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青龍の後継者-神宮寺玲弥
神宮寺玲弥は六花の大学へ編入した。
もちろん偶然ではない。
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全ては神宮寺家の命令。
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桜庭六花。
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四霊を従える少女。
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その観察。
接触。
そして可能なら神宮寺家へ迎え入れる。
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玲弥は感情を排した。
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必要だから近付く。
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ただそれだけ。
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そう思っていた。
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講義室。
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玲弥は窓際の席に座る六花を見つける。
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普通だ。
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拍子抜けするほど。
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笑っている。
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友人と話している。
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神秘性も。
威厳も。
何もない。
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(この少女が)
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(四霊を従えている?)
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信じられなかった。
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その時。
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六花が落としたペンを玲弥が拾う。
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「ありがとう!」
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満面の笑顔。
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ただそれだけ。
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なのに。
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玲弥は妙な違和感を覚える。
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見返りを求めていない。
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純粋な感謝。
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神宮寺家では見たことがなかった。
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(変な奴だな)
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それが最初の感想だった。
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しかし。
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その日から玲弥は気付いていく。
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六花は誰にでも同じだ。
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教授にも。
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友人にも。
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清掃員にも。
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態度が変わらない。
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利用価値で人を見ない。
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それが玲弥には衝撃だった。
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自分がずっと出来なかったことだから。




