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朱雀の後継者

紅原家。


朱雀を守護神とする炎術師一族。



紅原朱里。



四神の後継者の中で最も人当たりが良い男。



赤みがかった髪。



整った顔立ち。



柔らかな笑顔。



誰とでも仲良くなれる。



そんな男だった。



だからこそ。



人の裏もよく見える。



「四霊を従える少女、ねぇ」



報告書を眺めながら呟く。



正直。



興味があった。



四霊が集まる理由。



力なのか。



人格なのか。



それとも別の何かなのか。



「朱里様」



「当主様がお呼びです」



朱里は席を立つ。



紅原家当主が静かに告げた。



「桜庭六花を紅原家へ迎え入れろ」



つまり。



縁談。



朱里は内心苦笑する。



(会ったこともない相手なのに)



だが。



当主は続ける。



「四霊は必ず我らの力になる」



「失敗は許さん」



その瞬間。



朱里は理解した。



家が欲しいのは六花ではない。



四霊だ。



だからこそ。



少しだけ不快だった。



人を物のように扱う考え方が。



とはいえ。



逆らえる立場ではない。



「承知しました」



そう答えるしかなかった。



だが。



部屋を出た後。



朱里は空を見上げる。



「桜庭六花、か」



興味が湧いていた。



四霊を従える少女。



どんな人間なのだろう。



強欲か。



傲慢か。



それとも。



神々に愛されるだけの何かがあるのか。



もし後者なら。



少しだけ会ってみたい。



そう思った。


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