↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追憶の辺獄  作者: 香取 仙狐
第二章 幻日の箱庭
91/93

嵐の中、船を漕ぐ者は誰か part.8

「あー、はいはい。事情は分かった」


 リヒェンツァとエフィムは、市街地を見渡せる屋上にいた。


「んで? アイツに話しちまって大丈夫かよ」


 フェンスに背を預けたリヒェンツァが、軽い調子で聞く。


「大丈夫なわけないじゃないですか」


 エフィムは、ギュッと両手を握りしめてから、開いたり握ったりを繰り返す。


「でも、もう、こうするしか……」

「ま、それしかないわな」


 あのフェイルツィーオが、ヴォルーツォの見舞いと称して事情聴取に来た。


「いつまでも隠し通すのは難しいと思います」

「とはいえなぁ……」


 ふぅ〜と、紫煙を吐き出す。

 風に乗って、吹き散らされていく。


 “禁煙”の看板も、もはや彼女の前では意味を成さない。


「アイツのことだから、ぜってぇウィリディアスに直接コンタクトを取ろうとか言い出す」

「わたしも、そう思います」


 はぁ〜と、二人が同時に溜息を吐いた。


「まあ、ここいらで打ち明けるしかないのは確かだが……」

「そうなると、リヒェンツァ副会長やリュディオールさんが元『イル・マット』の構成員だったことも、明るみに出てしまいますね」

「それは……まあ、しゃーねぇな。とはいえ、魔術師育成協会の根幹を揺るがすわけだから――って、あ?」

「え?」


 リヒェンツァは、屋上の入り口を顎でしゃくる。


 エフィムが、そっと顔を覗かせてみると、そこには見知った顔。


「おい、リヒェンツァ。どういうことか、一から説明してもらうぞ」


 噂をすれば、なんとやら。


 フェイルツィーオが、そこに立っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。