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追憶の辺獄  作者: 香取 仙狐
第二章 幻日の箱庭
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Grand Guignol part.6

「リヒェ姐!!」


 だが、そんな感動のフィナーレに水を差す者が現れた。


「おんやぁ? 玲於奈くぅん。さっきまでションベン垂らして泣き喚いてたくせに、今更何の用かなぁ?」


 その声と共に、幻術が徐々に剥がれ落ちていく。


 舞台を照らしていた光が崩れ、劇場そのものが輪郭を失っていく。

 やがて、下界から差し込む明るさが視界を覆い尽くした。


 先ほどまでそこにあった大劇場は、まるで最初から存在しなかったかのように消え失せていく。


「ウィリディアス――」


 ウィリディアスの視線の先で、リュディオールが拳を握り締める。


「てめーは、ここでオレが仕留める!!」

「へ〜」


 まるで他人事のように、ウィリディアスが微笑む。


「随分と偉くなっちゃって、まあ♡ あの日、やっぱり手放さないで殺しておくべきだったかな〜?」


 その言葉に、青年の表情が僅かに歪む。


 ――リュディオール。

 ここに来て現れた、予期せぬ不確定要素。


 ウィリディアスの策略と、リヒェンツァの過去。

 そして、かつて捨てられたはずの因縁が、再び一つの舞台へと集まり始めていた。


 物語は今、誰も予想しなかった終幕へ向けて、静かに動き始める。

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