第五話 混沌讃歌の序曲:開演
そこは平和な街だった。だが一瞬にして地獄へと変わった。
「燃えろ。」
その一言で田畑はもえ、家畜たちは全員焼き尽くされた。
「うわぁぁぁぁ!魔女だ!魔女が出たぞ!」
「うるさいな、せめて死に際くらい静粛であれ。」
その一言で僕たちは空を見上げた。そこにいたのは、まさに傾国の美女と言ってもいいような背中にまるで血のような紅蓮の翼を持った黒髪の女であった。
「やれやれ、あいつの頼みといえどこのようなことをするのは些か気分が優れぬが・・・如何せん惚れた女の弱みと言えばいいのか?まあいいだろう。とりあえず仕事を済ませるだけだ。」
そう言って女は手を振り上げた。その刹那女の周囲に血のようなものでできた槍が数十本も現れた。
「さて、あいつの使い方を真似してみたわけだが。意外と便利だなこれは。」
「ふざけるな!なぜお前は僕たちを殺そうとする!僕たちは何も悪いことはしていない!ただここで生きていただけだ!」
「知れたこと。我らが悪であり、貴様らが中立や正義である限り我らは貴様らを殺す。それが我らの生き方であるからだ。さて、質問はここまでか?正直言ってずっと手を上げるのも疲れたものでな。さっさと死んでくれるとありがたい。」
その一言を発し終えた瞬間、女は手を振りおろし数多の血でできた槍を僕たちに向かって放った。
だが、僕たちにそれが当たることはなかった。なぜなら僕たちの目の前に光でできた盾のようなものが出現したからだ。そして奥から一人の男が歩いてきた。
「残念だけど、そこまでかな?まあ流石に人を見捨てたら、目覚めが悪いからね。だから、早めに退いてくれるとありがたい。」
「ほう?神の尖兵か。なるほど、確かに貴様らは殺しても殺しても湯水の如く湧いて出る。ここは一旦引くとしよう。」
「ああ、その方がお互いとしても助かるだろうからね。さようなら、古き魔女よ。」
「ふん、貴様はろくな死に方はせんだろうよ。」
神の尖兵と呼ばれた男は、あの魔女と交渉をし退かせることに成功した。そして、その姿はまさに伝承などに受け継がれる勇者のようであった。
(ふう、とりあえず計画の第一段階は完了かな?とりあえず重要拠点の中に入るのにも流石に信用がいるだろうしね。こうしてヒーローショーみたいなものをやる意味もあったと思いたいかな?)
僕たちの計画において、この街を攻め落とすのはまず必要なことだった。だが、流石にモルガンといえども弱体化した今の状態では流石に限界がある。故に僕は死霊を使うことにした。
(だけど流石に一般人の死霊だとプレイヤーたちにすぐ討伐されてしまうだろうからね。)
だからこそ、過去の人々の力を利用することに決めた。この街にはこの大陸で名を馳せた実力者たちが多く埋葬されている墓地が存在している。
(やっぱり、死霊術を使うとなれば死者の肉体を使った方が早いだろうしね。それに、ここには何かが眠っているらしいし。ああ!とっても楽しみになってきた!さてここからどうなるかな?まあ賽は投げられているわけだからもう後戻りはできないけどね。)
まあ、ソロモンって言っちゃアレなんですがゲームのことはゲームって考えてます。自分の所為でnpcが亡くなって復活しなくてもゲームだから〜とかで考える行っちゃあドライな人間なんです。
(ちなみに、モルガンはソロモンのにかなり入れ込んでます。正直言って好意隠すのに苦難するくらい。まあ、そこら辺に関しましてはまた後日。)
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