第二十八話 レベリング2
ゴブリンナイトを倒し終えた後、モルガンはゴブリンナイトが先ほどまで立っていた場所へ歩いて行き一つの小さな陶磁色の箱が落ちておりそれを手に取った。
「さて、何が出てくるか。『開け、謳え。汝は万物の鍵なり。故に、解けぬものなし『解放術式』」
その一言で、彼女が手に持っていた箱が銀色の光を発し割れていく。そして、割れ終えた後には大量のモンスターの素材が残されていた。
「これこそが、『フロアボス』を討伐する醍醐味のようなものだ。そのモンスターに関わりのある素材が、大量に落ちる。これによってかつての時代は、武器などが多く発展していた。まあ、それももはや潜ろうとする人物が減った今では見る影がないがな。」
「これは…驚いたね。どれも一級品の素材ばかりだ。僕が今行っている研究にも、いくつか使えそうなものがある。」
「少々、考察の余地がありそうですね。これをローテーションすることができれば、防衛設備なども多く建築できそうです。」
ベロボーグがつぶやいたことは、僕たちに取っては重大なことだった。僕が就こうとしている『錬金王』をはじめとした錬金術や生産系統の職業の、1番の問題点は素材。だが、ここでは大量に素材が手に入る。まさに、最高の環境とも言えるだろう。だが、そんなベロボーグの言葉をモルガンは申し訳なさそうな表情をしながら言った。
「あー…言い忘れていた。『フロアボス』は何故だか知らんが同一のメンバーがいる場合は強化された状態で現れあの箱は出現することもないのだ。すまんな。」
「なるほど、それはかなり厄介な条件でしょうね。ここまでくるのに少々時間もかかりますし、いちいちメンバーを変えるのは少しばかり手間だと思えますね。」
「確かに、あまりダンジョンに潜ろうとする人も少なくなるかもしれないね。ここまでくるのに三日間くらいかかる。圧倒的なまでの人数を持っている僕たちだからここまで早く制圧できたのであって他の人だったら一週間はかかるだろうしね。」
すると、モルガンは何かを思い出したかのように僕の言葉に反応して質問を投げかけてきた。
「ふむ、そういえばロムルス。貴様が以前『剣の丘』とやらに訪れた際それを許可した『評議員』たちとやらは何者なのだ?」
「ああ彼らか。彼らは一種の最高権力者といえばいいかな。彼らの采配によって、領主などが決められるんだ。」
「それだったら、そいつらはきっと今頃カンカンだろうな。自らが定めた権威それが地に落ちたようなものなのだから。下手をすれば、『クラムボン』へ攻め入ってくるのではないのか?」
彼女の言葉は的を得ている。普通の人間たちなどであれば、そうしただろう。だが、今僕が言っているのは長い長い固定観念を持ち権威に凝り固まった誇りだけはある最高権力者の場合だ。
「それはありえないね。なにせ、それは彼らが僕を『剣の丘』に入れるようにした。その結果として間違いへと導いたと認めるようなものだ。そう言ったことはできない。あの手の権力者にはね。」
「それに、一応『焔の巨人』たちの襲撃を警戒してアキレウス様を『クラムボン』に残してきておりますので万事問題はないかと。」
「なるほどな。ならばいいだろう。さて、そんなことはさておきそろそろ準備をしておけよベロボーグ。」
「準備とは?」
「もうすぐ『U・B・M』が出る。一人で倒せ。」
「なるほど…承知致しました。」
そう言い終えると、ベロボーグは拳を構えた。
えー実を言うと、中央と西とじゃ結構ダンジョンの雰囲気が違います。ちなみに、今現在『評議会』では罪の罪のつけ合いの真っ最中。
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