第二十六話 不在の際に訪れたもの
「少々、厄介な輩たちが現れまして。まあ、主人様が地下に行ったことに怒り狂ったモルガン殿と、なぜか突如として怒り始めたベロボーグ殿たちの活躍により私と、アンデッドたちにはお鉢が回ってくることがなかったのですが…見ての通り、城壁に一通り傷をつけられてしまいました。」
「厄介な輩たちってどんな集団?というか、ベロボーグが起こり始めたのっていつから?」
「巨人たちです。そして…確か主人様が地下に行ってから数分が経過した頃でしたかと思います。なぜかは存じ上げませんが。」
「別に、私は悪くありません。兄弟たちを優先して使用する創造主様が悪いんです。私に全然構わずに、戦闘が終了しても数分間地下にいたのは兄弟たちを撫でていたからでしょう?だとしたら、防衛を頑張った私も撫でてくださった方が公平だと思うんですが!」
そう言えばそうだった…彼女たちと、宝石獣の獣は潜在意識の中で繋がってるんだった。ベロボーグが怒ってるのは、それが原因か…
「それはごめんね、あとできちんと埋め合わせはするよ。それで、アキレウスその巨人たちはどんな輩だったんだい?できれば彼らの死体もあれば嬉しいんだけど。」
「それが…なんと申し上げればよろしいのかはよくわからないのですが。おそらく、伝承に聞く火の巨人かと思わしいのですが…少々異常でして。」
「異常とは?」
「自我がなく、まるで人形のようなのでした。そして、討伐されると死体は残らずに霧散してしまったのです。これだけでも、異常とわかるでしょうか。そして、何よりも特殊なことは人形のようだということです。」
「確かに、それは少し異常そうだね。『クラムボン』の元領主が権威付けのために所有していた本などには、巨人とは叡智を司ると書かれていた。そもそもの話が、炎などの魔術などに耐性を持っている彼らを操れるなんてそれこそおかしいと言わざるをえないね。」
そもそもの話が、彼ら巨人族は原典からして少々特殊だ。北欧神話ではある種、原初の種族とも言える存在その系譜を受け継ぐものであるからして。
(そんな、年代が隔てられているとはいえ生物としてのロイヤルブラッドの結晶のようなものを操れるなんておかしいと言わざるをえない。それに、僕が『炎天の剣持ちし落焔の巨人』と戦い始めたすぐ後に現れたこと自体にも作為を感じる。)
そんなことを考えながらも、僕は懐から一つの討伐した報酬を取り出しアキレウスにいう。
「ねえ、アキレウスはこれが何かわかる?」
「これは…心臓ですか?それも高位の生物。それこそ不死鳥などのような、炎を司る生物の。…まさか?」
「そう、『炎天の剣持ちし落焔の巨人』の心臓。」
その言葉を聞いたアキレウスは、空いた口が塞がらないかのような雰囲気を醸し出していた。(口どころか、頭もないけど)
ベロボーグちゃんも然りですが、基本的に宝石獣やソロモンによって作られる生物はソロモンにゾッコンです。likeじゃなくてLOVEの方です。まあ、やろうと思えば特別な記憶や経験は共有しないこともできますが。
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