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第二十五話 クラムボンへの帰還と説教

遅れてすみません。

『炎天の剣持ちし落焔の巨人(スルト)』を討伐を完了し、しばらくが経過した後頭を撫でることを要求してきた宝石獣たちを撫で終え『地下冥界・第二層葬送シバルバーフーネラリエス』を解除しようとする。その瞬間、


『メェー』


「は?」


優しげな、ヤギの鳴き声が空間内に響き渡る。まず、ありえないことだ。本来ならば、この空間内には発動した時に相対していた相手のみが入ることができる隔離空間。それこそアリスなどのような特権を持った運営などでなければ、入ることは不可能なのだ。そして、僕は後ろへと振り返る。


「黒い、小山羊?」


『メェー!』


その瞬間、黒い子山羊は跡形もなく消え去った。


「はぁ、マジで一体なんだったんだ…?意味がわかんない。」


気を取り直し、僕は『地下冥界・第二層葬送シバルバーフーネラリエス』を解除した。そして、そばにあるフェンリルの遺体に近づきインベントリに収納する。そして、上に空いている穴へと向かい血液で翼を生成し空を飛ぶ。


「ふむ、戻ったか。」


「ああ、疲れたよモルガン。全くもって強敵だった。聞いてよモルガン、なんかさー『炎天の剣持ちし落焔の巨人(スルト)』っていう焔の巨人がいてさあ。」


「そうか、それはよかったな。さて、そんなことはどうでもいい。なぜ、一人でいった?」


どうやら、モルガンは僕が一人で行ったことに不満を感じているようだ。


「いや、僕一人の方が早く済むだろうなーって思ったからでして…結果的には無事なんだから良くない?」


「阿呆か貴様。いつかは言おうかと思っていたが、人生の先達としての助言だ。心して聞くがいい。

いかに、貴様が強かろうと、賢かろうと一人でできることには必ず限界というものがある。人を頼ることを覚えろ。失敗してもいいのだ、乗り越えなぜ失敗したのかを理解し努力を続けろ。さもなくば、その人生という道は永遠の孤独に包まれるだろう。覚えておけ!」


そう言い終えると、モルガンは『クラムボン』に作っておいた屋敷へと飛んで帰ってしまった。そして、僕にアキレウスとベロボーグも声をかけてくる。


「主人様、私からも正直言ってモルガン殿と同意見です。あなた様は、常に一人で行動しようとする。以前の『権限』を奪取するときも『鏡写しの影(シャドウ)』との戦いの時もそうです。あなた様は一人ではないのです。あなた様の欠点を補うために我らがあるのです。それをどうかお忘れなきように。」


「アキレウス殿のいう通りだと、陳言いたします。私たちは、創造主様(マスター)のためにあるのです。そのことを、どうか忘れないでください。」


(これはお手上げだね。正直言って何も言えないや、論理武装されてる…)


彼女たちの言葉は、全て正しい。人間は、生物は必ず完璧ではない。だから他者と寄り添い合って生きる。そのことを、少しばかり失念していたようだ。


「ああ、すまないね。本当に、申し訳ないことをした。あとで、モルガンにも謝らないといけないね。それはそうと…なんで、城壁に傷が入ってんの?」


僕は周囲の傷だらけの城壁を見渡して言った。所々にヒビが入り、中には崩れてしまいそうなほどの状態の城壁もある。僕が行く前には、こんなことはなかったはずだ。

黒い子山羊はやっぱ有名すぎるかな…?

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