第二十四話 地に埋もれるもの3
「ほう、驚いたな。面白いシステムだ。あの時代ですら、空間を具現化する能力を持ったものはいなかった。オーディンやトールなどのような一部の上澄みですら持ち得ない力を人の身で宿すか。」
僕は、自らが展開した『地下冥界・第二層葬送』の大地にたち『炎天の剣持ちし落焔の巨人』と相対する。
(と言うか、似たような能力を一部の連中は持っているってことか…少し気をつけなくてはいけないな。)
「しかし、随分と面白いな。この場所は、本来であれば先ほどまでの言葉から考察するにここは冥府なのであろう?だが、随分と明るい場所だ。」
「そりゃあ、僕の死生観も大きく関わってきているからね。僕にとって、死とは進歩であり可能性だ。肯定する訳では断じて無いけどね、これまで僕達人間は死や死に関わるものによって大きく発展していった。例えば、ペスト。ペストは多くの人々の犠牲を出した。だが、その分衛生観念に大きな発展をもたらした。死とは進歩そのものであり、それの克服こそが人が目指した医療の最高到達点なのさ。」
「ほう、それが何の関係がある?不死になることと貴様の死生観がこの空間に関係があるのはわかった。だが!たとえ場所を変えた程度で我に勝てる所以もなし!」
その刹那、『炎天の剣持ちし落焔の巨人』は右に逸れる。そして、彼が直前まで立っていた場所には宝石でできた一頭の獣が立っていた。
「ありゃ、気付いちゃうか。さすがだね。」
「…何だこの獣は?見たことがない。聞いたこともない。こんなもの、我は知らん。」
「だろうね、この子達は僕が作り出したものだ。」
「……面白い。面白ぞ!それほどの若さで、錬金術の極地とも言える生物錬成を心得るか!良いだろう。若き英雄よ、我が炎によって貴様の全力を討ち滅ぼさん!
やはり、異常なんだろうね。僕だって、この能力を最初に見て『反則だ』と思ったくらいだからね。当然といっても良いだろう。
「ああそれと一つ、貴様は勘違いをしていることがあるぞ。」
その一言で、『炎天の剣持ちし落焔の巨人』の体からこれまでとは比べものにならないほどの熱気が上がる。そして、彼が立つ地面が音を立てて溶けていく。その炎は、『宝石獣』の体をも溶かした。
「我が炎は空間以外ほぼ全てを焼き尽くす。いかに、貴様の力が錬金術の極地であろうとも我が炎はそれを打ち砕くそ。」
「なるほど、それじゃあその言葉に一つ僕からも返答をしようか。誰が、僕が作ったのはその一頭だけだといった?」
その言葉で、荒野の奥から数百等余りの宝石獣が進んでくる。
「クハハハハ!面白い、かつての大戦を思い出す!良いだろう、かかってくるがいい!」
まあ、能力はこれだけじゃないですよ。
この作品が面白いと思ったのならば、評価などもよろしくお願いします。




