第二十二話 対話
久しぶりに帰ってきた、イシスとの積もる話や彼女の研究でうまくいっていない原因などを確認して助言をしている間に気づけば10日が過ぎ去り約束の日がやってきていた。
「あの、ところでどうして『女帝』さんと10日後に会おうと約束したんですか?別にすぐでも良かったと思うんですけど。」
「あーまあそう思うよね。普通は。だけど僕はそう簡単にはいかないんだよね。『コロッセオ』の時に使った『黒王は此処に再誕せり』あるじゃん?あれ結構デメリットが重いんだよね。」
「たとえば?」
「あれを使用したら現実世界での10日間すなわちあっちでの30日間ログイン不可能。それプラスレベル1になっちゃう。あ、ステータスとかはそのままでね。ご丁寧に、元のレベルに戻るまでステータスポイントは手に入らなくなる仕様もついているけど。」
「それは…前者の方の重さはわかりますが、後者は言うほど重いですかね?」
あーやっぱりかあ。気づいていないのかな?いやもしくは出てきていないって可能性もありうるか。
「『フローライト・オンライン』にはレベルが自分よりも低い敵を確定で殺害するスキルや能力もあるんだよ。前に使った『三賢邪竜』とかあとは『女帝』の『奥義』とかもその例に当てはまるかな。」
「成る程、理解しました。確かにそれは重たいですね。」
「うん、それじゃあ質問は終わりかな?僕は急がなくちゃいけないから行くよ。」
そう言い終えると、僕は『フローライト・オンライン』にログインした。
そして、ログインした僕を待っていたのは大量の人の波だった。
「あ、きたぞ!『黒王』さん、『聖女』さんとはいったいどう言ったご関係で!?」
「おい邪魔してんじゃねえ!『黒王』さん、俺の構築に関してアドバイスくれませんか?」
「そっちこそ、邪魔してんじゃないわよ!先に並んでたのは私なんだから!」
「あ、あーええっとこれどうすりゃいいの?」
正直言って予想外としか言いようがない。まさか、これほどまでにたくさんの人が『クラムボン』に集まっているとは。そして、僕は一つの結晶を取り出した。その結晶に刻まれたのは、マーキングした人物のいる場所への転移。そして、僕はそれを地面にぶつけて割った。
(一応、準備しておいて正解だったね。)
そして、僕は光に包まれ『女帝』のいる場所へと向かった。
『ザァーザァーザァー』
僕が転移した場所は、夕日が美しく沈んでいく砂浜だった。
「随分と綺麗な場所だ。僕もあまり大陸全土を回ったとは言い難いが、よく見つけたものだね。」
「驚いた、こちらから連絡をした方がいいと思っていたけれど。しなくて良くなったことはとても嬉しい。ところで、一体どうやってここにきたの?」
「流石に、頼みを聞く相手に苦労をかけさせるわけにはいかないからね。『バハムート』で殴った時にマーキングをしておいてそのマーキングされた人物がいる場所へと転移するという能力を『U・B・M討伐報酬』で刻んだ水晶玉を砕いて訪れた。さて、そんなどうでもいいことは置いておこう。願いを聞こうか。まあ予想自体はついているけどね。」
その言葉を聞いた彼女は、何かを決意するかのような表情をしながらも嬉しげな顔で僕に向かって言った。
「私の、私とお祖父ちゃんからの願いを言うね。『どうか、どうか他者のことを気にせず自らを顧みて幸せに生きて』それが私たちの願い。」
「そうか、ハァーわかったよ。その願い、確かに受理した。ソロモン・インペルフレクトゥスの名においてその願いを遵守した生き方をすることを、ここに誓おう。そして、ありがとう。」
「うん!そうだ、また今度勝負してくれない?あなた、『変世機』を使っていなかったんでしょ?あと、私に戦い方も教えてよ。」
(ははは、こういうところだけはそっくりだね。ありがとうと言っておこうか。カルテリス。)
そうして、僕は女帝と対話をした。
もうすぐ、もうすぐ三ヶ月間のエピソードが始まります。いやー書きたかったこと普通に多いんですよね。
さて、この作品が面白いと思ったのならば、評価などもよろしくお願いします。




