第二十話 準決勝『剣聖』vs『女帝』4
『ガキィィン』
そんな金属音を立てながら、『女帝』の剣と『剣聖』の太刀がぶつかり合う。
一つ、二つ幾多も刃を交えながら消えては斬りかかり防がれ防がれては斬りかかるを繰り返すひらりひらりとその優雅さたるやまさに蝶の如き『女帝』の刃相対するは防ぎ好きを見ては斬りかかる『剣聖』のその様はまさに蜂の如き。
常人ならざる少女たちの剣戟されど、人間である以上はいずれその拮抗状態にも終わりが訪れる。そして、その拮抗状態を崩したのは、あっけないことだった。
『女帝』が懐から針を取り出し、『剣聖』へと投擲する。されども、『剣聖』ともあろうものが弾けないわけもなく『剣聖』は弾き返しながら好機と見て『女帝』へと突撃する。
されど、気づけば彼女の右腕はいつの間にやら切り落とされていた。
「!?」
「よそ見している暇があるの?迸れ『帯電』」
その瞬間、『女帝』の刃が夏空に響き渡る稲妻のように輝く。それを見て『剣聖』も受け止めようとする。だが、
「!『明王流剛岩」
「間に合わない。」
その刹那、『剣聖』の脇腹からは鮮血が舞った。
「…どういうことでしょうか?」
「ん、どういうこととは?」
「私には、右腕の感覚がありますなのに、見えない。あるはずなのに、見えません。いったいどう言った能力でしょうか?」
「どうなってんですかアレ…ベロボーグちゃんたちとかもやばかったですけど、他の人よりも『女帝』さんが一番やばすぎませんか?」
その言葉を聞きながら、アイさんは声を震わせながら話を振る。
「……感覚を奪う系統?いやそれだとあの異常なステータスの説明がつかない。どうなっている?」
(最悪の場合、『奥義』を使うことも視野に入れとかなくてはいけないな。正直言って、この場でまともにやり合った場合現時点では勝てる気がしない。)
「これ放心状態ですね…まあ私もおんなじようなものですけどもww」
そんなことを言いながら、アイさんが現実逃避していると『剣聖』と『女帝』が口を開く。その瞬間、『女帝』が吐血した
「けほっ、いつの間に毒を盛ったの?」
「一番最初に、あなたに切りかかられた時ですかね。能力を使用したその時に、あなたの足に遅効性の毒針を一本突き刺しておきました。一応何があってもいいようにです。ですが、それ以上に安心しました。あなたの序列の名前的に毒に耐性を持っていそうで少々怖かったですが…これで毒が効くことが証明されましたね。さて、それでは最後の一撃といきましょうか。」
「ん、確かにそうした方がいいかもね。というか気づかなかったよ。毒針を刺されたなんてね。他の人たちも、毒と出血で相打ちなんて望まないだろうし。早めにしよう。」
「ええ、これでも私もエンターテイナーの誇りと矜持がありますから。さて、それでは。」
「うん、やろうか。」
そう言い終えると、双方は剣を相手に向け言葉を紡ぐ。
『これは武神の刃。』
『あなたは何もない。』
『これは、大蛇を討ち滅ぼした刃』
『あなたは何も持っていない』
『これは、水神の権能』
『あなたの未来は誰にも防げない』
『故にここに語りましょう。』
『故にここに証明しよう』
『あなたの刃は天下無双であると。』
『未来は誰のものでもないと』
『十握剣 軍神素戔嗚』
『白紙の物語』
その瞬間、水で形取られた巨大な刃と白銀のエネルギーの刃がぶつかり合った。
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