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第十九話 準決勝3

「さて、この子は僕が持っている子の中でもとびきり扱い辛くてね。短期決着が望ましい所ではあるが…流石にそうはいきそうも無いよね。」


「当然です。というか、どうなってるんですかその大太刀。目にした瞬間にHPが五割近く吹っ飛んだんですけど。」


「ははは、そりゃあそうだね。この子は文字通り最強だった。僕が今まで戦ってきた相手の中でね。なにせ力の一つにある一定のレベル下の生物、非生物問わず全てのHPをゼロにまたはそのレベル以上であろうともHPの九割を削るという反則レベルの能力を()()()()()兼ね備えていたんだ。まさに反則と言っても良いだろう?」


(そう、このこの本来の力はこの程度じゃない。だけど、今の僕じゃこのこの全力を出し切ることはできないし逆にこの子に使われる羽目になりうる可能性も十分ありえた。だから正直言って使いたくなかったんだけど。)


そんなことを考えながらも、『黒天鍵(アーク)』を握りしめ氷の足場の上に立ちながら炎の剣を持ち翼を備えて今にも僕に斬りかからんとするイシスを見る。


「こんなの見たら、手加減なんてできるわけないよね。」


「何を考えているんですか!」


「別に、ただ真面目なことだよ。そして、どうすれば良いかもね。」


そう言いながら、僕はイシスの剣戟を受け流し攻勢へと出る


「さあ、技術を見せるとしようか。『流月流・弦月るげつりゅう・げんげつ』」


「クッ!厄介にも程がありますね。最強のあなたが最強と言われるまでに研ぎ澄ました技術を使えばそれは不可能に近いと思いますが?」


「ははっ、そうかもしれないね。だけど僕は手加減はしないよ?『流月流・昇竜るげつりゅう・しょうりゅう』」


横への薙ぎ払いからの刀身を返しての切り上げ。コレによってイシスもまた、軽くはないダメージを負った。そして、自らの体に目をやりながらイシスが言う。


「やっぱり遅くなってますね。氷華宮殿(これ)速度低下とかそこらへんのデバフとかも入ってます?」


「まあまあ入ってはいるけど、目に見えて遅くなるくらいじゃないかな。正確に言うと瘴気による呪いが原因とも言えるけども。」


「なるほど、私のHPも残りわずかです。どうでしょう、一撃で終わらせると言うのは?」


「いいね、その提案乗ったよ。」


「そうですか。それはよかった。」


そう言い終えると、イシスは剣を構え言葉を連ねる。


『ここに示すは火中の刃。この刃は決して折れず曲がらずただ一人のために在り続けるもの。』


僕も負けじと、『黒天鍵(アーク)』を構え奥の手の詠唱を始める。


『此処に在ったは旧き神。枯れ果ててもなおその栄華は常にそこにある。』


『故に其の刃は神の御名元にありしもの。汝が名はベルゼブブ汝が名はミカエル。』


『其の栄華は、天、地、海それら三界をすべし王子の祝福なり。故に歌い感謝し咽び泣け其の手には慟哭と称賛と祝福と呪いがあるのだから。』


『其の双理を併せ持つは堕天の王。其のヤイバは常に矛盾を抱えながらもただそこにある。それだけなり。しかして其の刃はただ一つの栄華に向かいただ一つの栄光に向かいただ一つの誇りに向かう』


『歌え双極の理を示す救世たるちからのその銘を!』


『狂え叫べ、望めその三理をくらいて終局の、、全なる一へと至れ』


双理矛盾す原初の刃(ルシフェル)!』


三賢邪竜此処に在りきアジ・ダハークラティオーネス!』


その瞬間僕たちが保有する、最高火力がぶつかりあった。



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