第十九話 準決勝4
「さて、僕の勝ちだね。」
僕は、壊れ切った闘技場内を見渡していった。
「なんで、なんで手加減したんですか!全力で相手をすると言ったのに!全身全霊を持って私はそれに応えようとした!それなのに、なんで!」
「別に?ただ説教の時間が欲しかっただけさ。」
「せ、っきょう?」
「そう、説教。うん、悩むな。いくつかあるからねーまあ、やっぱり一番最初はコレかな。ねえ、イシスなんで家に帰ってこなかったの?」
「は?」
僕が発したその一言、その一言を聞いたイシスはまるで信じられないものを見るかのような目で僕を見て、憤慨し僕に文句を言ってくる。
「出て行けって言ったのは、」
「確かに出て行けと言ったが、二度と帰ってくるなと言った覚えはない!君ときたら、正月も、盆もGWも帰ってくる気配がとんとない!しまいにゃこっちが行こうかと思ったくらいだ!」
「だったら、だったら来ればよかったじゃないですか!なんでこなかったんですか!?」
「来れるわけないでしょうが!僕一般人だよ!?確かに一応いくらか政界に知り合いもいるし教え子も何人かいるにはいるけどさあ!僕の立場は完全に早々に隠居して生を謳歌している好青年なの!そんな立場の人間が、重要な研究をしている場所に入れるわけないでしょうが!」
「だ、だとしても私に連絡をしてくれれば…」
「あのっさあ!さっきから言ってるけどね、僕一般人だからね!?一般人が世界的に有名な科学者の電話番号知ってるわけないでしょ!」
「だって、私を追い出したのは私が邪魔になったからで、」
イシスが発した予想外の言葉に、さらに僕は興奮する。ああもうなんでこの子はこうも頭でっかちの無器用なんだろうね。ほんと誰に似たんだか。
「そんなわけあるもんか!娘を、自分の家族を、自分の誇りを!誰が邪魔に思うもんか。あのまま家にいたら、君は未来を自分の手で塞いでいただろう。僕のことを大切に思うのもいい。家族を愛するのもいい。友を愛するのもいい。恋人を愛するのもいい。だが、その前に自らを愛せ。自らの信念を愛せ。自らの在り方を愛せ。然もなくば、その人生は真っ暗闇の中に落ちたようなものだ、かつて僕は君の誕生日にこの言葉を送ったはずだよ。」
「わた、私は家に帰っても良いんですか?」
「ああ、いいとも。存分に帰ってくるといい。豪勢な料理を久しぶりに作って待っているから。」
「私は、邪魔じゃないんですか?」
「邪魔に思うわけないだろう。そもそもの話最近家を増築したんだ。君がいつでも帰ってこれるようにね。」
「私は、あなたを、家族と思って良いんですか?」
「ああ、いいとも。それで良いとも。僕の愛しき娘よ。僕の何よりも誇らしい大切な家族よ。
僕の、世界に誇ることができる誇りよ。いつでもどこでも僕は、僕が僕である限り君と家族で在り続けよう。」
「うう、ああぁああ!よかった!よかった。私嫌われたのかと思ってた。私はいらない子になったんだと思ってた!私は、必要ないんだと私は大切じゃないんだと思ってた!」
その言葉を聞きながら、僕はそっとイシスを抱きしめる。
「安心しなさい。僕は、君の家族だから。」
「ひっぐえっぐっえぐ、ありがとう、ソロモン!」
そう言い終えると、イシスは降参のジェスチャーをしたすると、イシスの体が消えていく。
「これで、私のイベントは終わり。だけど、あなたの勝利を応援しているからね!」
「ああ、ありがとう。僕の愛しきイシス。」
そうして、準決勝は僕たちの勝利で終了した。
えー少しベタな終わりかたかなーとも思いながら書いております。親子愛はださいだのインモラルがどうだの、これはちょっとそれと違う気がするだの、聞こえてきそうな感じもします。だがうるせえ!こちとら書きたくて書いてるんです!良いじゃん親子愛!良いじゃん養父と養女の関係なんだから!大切に思い合うってのも一種の愛なんだからさあ!良いじゃんこう言うのでも!
失礼、言葉が汚くなりました。作者もたまに言葉が汚くなる時がありますので、そう言った時は温かい目で見守ってくだされば。
えーまあ現段階では次の話は掲示板会でお送りしたいと考えております。
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