閑話 作られたものは、古きを思い出す。
「創造主お聞きしてもよろしいでしょうか?」
「うん、なんだい?」
僕が本拠地としている場所にて、本を読んでいた僕にベロボーグが質問をしてきた。珍しいこともあるものである。この子は少し自己主張が乏しいため、どうにかしなくてはいけないと思って居ながらもできない今日この頃であるからして。この子が自己的に質問をしてくるのは極めて稀と言っても良いだろう。
「『聖女』さんについてです。創造主は彼女について、随分と詳しそうでしたがどう言ったご関係だったんですか?」
「ふむ、驚いたね。ねえベロボーグ近くにモルガンとか居ないよね?居たりしたら絶対彼女不機嫌になるんだけど…」
「なるほど、昔の恋人のようなお方だったんですね。」
「違うわ!」
全くもう、この子は演算処理能力が高いせいかすぐに結論に行きたがる。そこが少し残念な点なんだよなー他のことはまあまあ完璧なんだけど…
「あの子は、僕の娘だよ。」
「驚きました、まさか創造主が妻子持ちでしたとは。」
「だからちゃんと話を聞こうね?あの子は捨てられたんだよ。僕たちの世界では、不老手術を開発するために必死になって居た奴らが居た。そいつらが改造して捨てたのがイシスだよ。」
「なる、ほど。でしたら、なぜ拾われたので?」
「最初は、哀れに思った。それだけだよ。肉体を機械に変えられ、挙げ句の果てには捨てられる。僕の人生よりもかわいそうだとそう思った。ただそれだけだよ。だけど、失敗だった。だから僕はあの子を家から追い出した。」
「なぜ、追い出されたので?」
「同じに考えてしまったんだよ。僕は、愚かしくもあの子を僕と一緒だと考えてしまった。親に捨てられたことも、人外なこともそれらを含めて僕はあの子を僕と一緒だと考えてしまった!笑えるだろう?僕は、あの子のように誰かに誇れるような姓を謳歌しているわけでもない。ただ、ただ生きているだけだ。それに、僕と一緒にいればあの子はきっと僕に遠慮して自らの未来を閉ざしてしまう。それだけは、それだけは絶対にしてはいけないことだ。」
室内が沈黙に包まれる。生まれてから三ヶ月しか経過して居ないベロボーグには話の内容が少々、重苦しすぎたようだ。
「創造主はイシスさんのことをどうお考えなさっているので?」
「当然、僕の誇りだよ。」
「そう、なのですか。」
「ああ、この世界で僕の唯一の家族。だからこそ僕は身を引く決意をした。それだけの話さ。それと、ベロボーグ悪いんだけど準決勝と決勝は「わかっております。」」
「そうか、ありがとう。苦労をかけるね。」
そう言って僕は、手に持って居た本を再度読み始めた。
ソロモンとしては、自分は他者に作られたものであり望みや願いといったものが存在していない。そんな不完全極まりない生物に、誇りであるイシスを同列視するだなんて耐えきれない。という自己嫌悪に似た感情が渦巻いて居たんですよ。だからこそ、陰で就職先などを斡旋したりもして居たわけなんですが。(自分とは違う存在になってほしいと思って)
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