第十八話 本戦二回戦2
「失礼、少々興奮しすぎました。」
「少々ってくらいじゃなかったと思うんですが…ところで、何でさっきから服部さんは動かないんですか?」
アイさんは、数分前から硬直している服部さんを指さしていった。
「そうですね、それは彼が今動いたら確実に敗北すると理解しているからでしょうね。いやはや、全く侮れないものですね。僕の予想だともう少しレベルが低い戦いになるかと思ってましたが。」
「はい?動いたら、確実に死ぬってどういうことですか?」
「そうですね、先ほども言った通り彼女が今使っているのはかつて僕の友ですら机上の空論で終えた『空気内に自らの殺気で持って刃を作り出す』という理論を実演しているんです。すなわち彼が高速機動を使用ものならば即座にその首がスパンと落ちるでしょうね。」
僕は自らの手で首を切り落とす真似をした。
「それって本当にできるんですか?」
「まあおそらくですが、彼女の能力などを使用した上で行っているんでしょうね。さて、どうなることやら。」
すると、動いたのは彼女だった。
「これは、正直言って『ベロボーグ』さんと戦う時ように取っておきたかったんですが…まあどうでもいいでしょう。言い残すことはありますか?」
「ぜんぜん?正直言って長いこと待ってくれて感謝するぜ。あんたもこの刃に触れたら傷つくんだろ?だとしたら俺には何十倍も徳だしな。」
「どういう意味ですか?」
「俺の『変世機』の能力は端的に言えば『位置の転換』だな。てわけでこんなこともできるわけだが。」
そう言い終えるや否や、彼女と彼の位置は逆転していた。
「これであんたも終わりだ。いくらあんたでも、この状況で勝てるわけがない。」
『チン』
闘技場に刀を鞘に収める音が鳴り響いた。すると、僕たちの目の前に広がっていたのは、首を落とされた服部さんの姿だった。
「残念ですが、私もこれでも強いつもりです。この程度の状況で勝ちを確信するのは、下策も下策ですよ。」
「ははは、すごいな。何が起きたのかわかんなかった。」
「えまじすか!?チェルナさんが何が何だかわかんないってどういうこと?」
「シンプルに、早い。それだけだ。それだけの事なんだ。僕ですら、彼女が服部さんを三回以上切ったことしかわからなかった。」
その言葉を聞いた、アイさんは深呼吸をして大声で僕に向かっていった。
「十分わかってんじゃないですか!!!」




