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第九話 混沌讃歌:死人は歌い生者は踊る

「ねえ、突然で悪いんだけどモルガンはパブロフの犬っていう現象について知っているかい?」


「確かに突然質問するものだな。いくら今、アウィディウスが前線に行っていてまだそこを切り抜けられているものたちはいないこの状況だからと言っても油断をするのは少しまずいと思うが。」


そう言って、モルガンは空中に浮かびながら戦場を俯瞰する。うん、やっぱり戦場を俯瞰してみることができることからもこの『吸血鬼』という種族のポテンシャルはとてつもないね。


「その口調から察するに、要は知らないということでいいわけか。なるほど、なるほど。ああ、後僕の場合は油断ではなく余裕と捉えてもらいたいね。」


「ムゥ、だったらなんだというのだ。余裕と油断も特に変わらんしそのパブロフの犬という現象があったとしてもあまり変わらんだろう。」


「うーんそうだね、この現象は一種の実験のようなものなんだけどね昔とある学者がいた。その学者がその実験を行ったんだ。その実験の概要は、犬に餌を与えること。」


「それだけか?だとしたら、あまり意味というものはないと思うが。」


「まだ話の途中だよ。男は、ベルを鳴らした()()犬に餌を与えたんだ。そして、それを繰り返した。結果犬は、ベルを鳴らしたらすぐ涎が出るようになったってお話。」


その言葉を聞いた、モルガンは少々不服そうな顔で僕の方を見る。


「だからそれがなぜ今関係しているというのだ!早く本題に移れ!」


「ありゃりゃ、怒られちゃったか。まあいいか、僕はこの一週間毎日モルガン君にこの要塞都市『クラムボン』を何回も攻めてもらっていた。そして、その度に僕はそれを撃退する。それを繰り返した。まあ、言ってはあれだけど簡単にいうのなら、慣れというものなのかな?きっと今彼らは、もし君が出撃したとしても僕がきっと助けに来てくれるって信じているだろうね。僕が、今現在起きていることの首謀者だということも知らずにね。」


それを言い終えた後モルガンの顔を見ると、少し冷めためでみられていた。


「お前は、本当にあれだな。正直言って、決して戦いたくはない相手だ。戦っている相手が少々、哀れになってきたぞ。」


「まあ言っても、このやり方はきっとこの一回しか通用しないだろうしね。それにこれは攻め入る相手の上役が愚かでとてもがめつく人件費などに回す価値などないと論じるくらいには戦場のことを理解していない、相手でなくてはできないだろうしね。きっと魔獣が多く出る森とかの人々を相手する場合は、現時点では多分無理。というか、逆に此方がボコボコにされるだろうね。」


「なるほど、つまり?」


「前線に出ていってくれ。その方が被害が少なくて終えれるだろうしね。正直言って、埋まっているもの取り出す前に戦力減らしたりはしたくないんだよね。」


「それに関しては文句は言わないが…なぜ自ら攻めに行かない?そもそもの話、あれは正しく死人の軍勢だ。それこそ小さな国であれば落とせるほどのな。だからこそ謎だ。なぜ、先ほどから血魔陣を背後に敷き詰めている?そもそもの話が、お前が出張ってあの技を使いさえすれば容易に終われるというものではないのか?」


「いやーなんかあれ太陽出てないと無理というか、威力極端に落ちちゃうんだよね。まあそれほどまでに僕を高く買ってくれているっていうのはなんとも、嬉しいことではあるけどね。」


それを聞いたモルガンは、少し顔を背けながらも顔を赤くしながら僕に激励の言葉を送ってくれた。


「当然だろうお前は、我の……■■なのだから」


「うん、今なんて言ったの?」


そういうとモルガンは顔を赤面させ空に移動した。どうやら前線に出るようだ。

(残念だなーできるなら話聞いておきたかったんだけど。まあいいか。とりあえず、今僕にできることは僕の予想が外れてくれることを祈るそれだけだしね。)


そう思いを断じた。




「おや、逢引きは終わりですか?であれば早々に仕事を行っていただきたいものですね。正直言って、二時間前からあまり進捗がないものでして。」


「そのような戯言はする必要はない。この場にはロムルスの目はないのだから。だからこそ、ああだからこそ少し質問に答えてもらえるかアウィディウス否、ここは()()()()()というべきなのか?」


その言葉にアキレウスは無言でモルガンの方を見る。そして周囲に数秒ほど無言の空気が続く。そして、最初に口を開いたのは、モルガンだった。


「ロムルスのことだ、どうせ気づいているのだろう。だが、もしも貴様がロムルスを裏切るというのならば我はこの命に変えたとしても貴様を殺しに行くぞ」


「ご安心を。裏切るつもりはありませんよ。そして、無闇矢鱈と殺される趣味もありはいたしません。ところで、何故私がアキレウスであるとお気づきになられたのですか?正直言ってあまり気づかれる理由はなかったと思うのですが。戦車を引かせるとしても一頭だけにしておりましたからね。」


「ふん、それこそ愚かというものだ。かつてこの西方大陸において最強と謳われ、大地をかけ最後にはヘクトールとパリスというトロイアの兄弟に敗れた最速の男を知らぬほど、我は無知ではない。そして商人たちも貴様のことはよく話していたからな。最も、皮肉なことに一番多く話していたのは吟遊詩人たちだったわけだが。」


「なるほど、理解しました。それではこれで。」


「待て。」


アキレウスがモルガンに対して、言い終える直前アキレウスの頸動脈に血液で作られた武器が当てられた。

書いといてアレだけど個人的に無理だなーこのトンキチ作戦と思ったり思わなかったり。

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