第三十七話 突発性ダンジョン
「ふむ……これは、座標を間違ったか?」
我の眼前には、本来ならばダンジョンの岩肌が広がっているはずだった。だが、我が立っている場所には草原が広がっていた。
(失敗したな。中央大陸に間違ってきてしまった。だが、ちょうどいいことに近場にダンジョンがあるようだ。とりあえずそこに向かうとしようか。)
そうして、我はダンジョンがある方角へと向かって翼をはためかせ飛び始めた。
◇◆◇◆◇
(やっと着いたか。少しばかり、飛行速度に関しても遅くなってしまっているな。鍛え直さねばなるまいて。)
翼をしまい我はダンジョンの内部に向かい歩いて行った。すると、その内部にはシルクハットを被ったピエロのような格好をした男が立っていた。
『おやおや、随分と珍しいお客様ですね。吾輩がたが名前は、『ノース』以後お見知り置きを。』
「ああ、そうだな。死んでおけ。」
その一瞬で、我は血液で槍を作り出し『ノース』と名乗ったものの頭を消しとばした。だが、地面から『ノース』が現れる。しかも、今度は2体になっていた。
『『やれやれ、随分と手荒なお客様のようだ。人の話は最後まで聞く———』』
「残念ながら、モンスターの話を大人しく聞けるほど我は丁重な性格ではなくてな。それに、先ほどから貴様らの視線には悪意以外の何者すらも感じん。大人しく話す方が愚かであろうよ。」
『『『『なるほどなるほど、それは失礼いたしました。先程申し上げました通り吾輩方の名前は『ノース』このダンジョンそのものでございます。そして、吾輩方が要求はたった一つでございます。それさえ叶えてくだされば、あなた様に危害を加えることは決してしないとお約束致しましょう。』』』』
ノースたちは、一糸乱れず同じ言葉を同じ高さでそして同じテンポで発した。
(随分と、興味深い能力のようだ。だが、少々不愉快だな。だが、要求とやらを聞いてみる価値というものはあるか……)
「行ってみるがいい、その要求とやらを。内容次第では、叶えてやらんこともない。」
『『『『先ほども申し上げた通り、吾輩方の要求はたった一つでございます。それは…『黒王』をこちらに連れてくることでございます。』』』』
「『黒王』を連れてきて、どうするつもりだ?」
『『『『殺します。我々の全勢力を、存在をかけて殺し———』』』』
その瞬間、我は奴らの体中を血液で作った槍で蜂の巣にした。
「少々、貴様らには立場というものが理解できていないようだな。貴様らは一線を超えた。決して踏み抜いてはならない一線をな。恐れ、慄き震えるがいい。愚者どもよ。貴様らの末路はただ一つ、死だ。それ以外の末路は、このモーガン・ル・フェイが許さん。」
『『『『『『『『愚かしいものですね、圧倒的な数の力。それが吾輩方にはあるというのに何故恐れるものがあるというのですか?吾輩方は、あなたよりも強いというのに。この世界は、数が正義だというのに?』』』』』』』』
「その言葉そっくりそのまま返そうか?たとえ、貴様らが万の数いようとも我に叶う道理なし。我が名は『モーガン・ル・フェイ』かつて世界最強と歌われた我が魔術の極地、貴様ら如きにはゴブリンにアダマンタイトもいいところだが見せてやろう。』
そうして、我は杖を取り出しノースへと構えた。そうして、ノースと我との戦闘が開始した。
この作品が面白いと思ったのならば、モチベーションになるので評価コメントもしくはブックマークなどもよろしくお願いします。




