第三十六話 魔術大帝
今話からまあ、モルガン視点の話が十話くらい続くかと思います。
「さて、我も少しばかり準備をしておくとしようか。」
我は、ロムルスがいなくなった領主の執務室を見渡しながら呟いた。なぜだろうか、少しばかりだが心に大きな穴が空いた気がする。これまでには、一度たりともなかったことだ。本来ならば、我がこれほどまでに他者に情を持つ。それを聞けば、あの時代のものたちは必ず信じられないとしか言わんだろうな。
(我も、変わったものだな。いや違うか。ロムルスに、変えられたのか)
そんなことを考えながら、我はアキレウスの部屋を訪れる。
「おい、我も少しばかりこの街を離れるぞ?」
「……それマジで言ってます?ただでさえ、主人様がいなくなった影響で主人様が一人で担当してきた執務が私たちに回ってきてるんですよ!?それに、こちらとしても明らかに人員が足りていません!つうか、マジであの人よくもまあこんな大量の仕事捌き切れてたな!?アンデッドの軍団使っても全然終わる気配がないんですけど!?終わるどころか、さらに増えていくんですけど!そんなこの状況で防衛もままならない状態で!旅に出るとか正気ですかあなた!?」
「……それはすまん。だが、行かねばならん。我は、全盛期に比べて圧倒的に弱すぎる。」
「死亡したことによる、弊害ですか。」
「そうだ。」
本来我が就いていたのは特殊職業たる『魔術大帝』。だが、一度ソロモンどもに肉体を滅ぼされたことによって、我はその座を失っている。それによって今就いているのは複合職の『黒悪魔導士』。それによって出せる出力は全盛期の100分の一以下にまで下がってしまっている。
「やはり、『U・B・M討伐報酬』を失ってしまったことが痛いですね。」
「ああ、中には使用魔力を下げるものをはじめとした魔術師たちが垂涎するようなものばかりだったからな。こればっかりは、かなり面倒なことになっていると言わざるを得ない。しかも、同じ性質のものは二度と出てこんだろうしな」
「となると、どちらへ行かれるおつもりで?」
「ダンジョンに潜る。そして、百層よりも下でレベルを上げ『特殊職業』に就くための試練を受けるつもりだ。」
「受かる自信はおありですか?」
「無いな。だが、死んでも就くという覚悟はある。なにせ、あいつが殺さんとするのは神代の怪物だ。その程度の難行、なんなくこなしてみせねばあいつのそばにいる資格なんぞ、ないも同然であろうが」
そうだ、一人にはさせん。ロムルスを、最初にあった時のようなあんな哀れな顔にさせてたまるものか。
「なるほど、承知しました。どうぞ、行ってらっしゃいませ。」
「ああ、それとベロボーグに手伝ってもらうといい。あれは死ぬほど計算が早い。聞いたところによると、あれの肉体は作り物であって本体は高度な計算演算機能を備えたものらしいからな。では、さらばだ。」
「そういうの…先に言ってくれませんか?」
「すまんな、許せよ。」
そう言って、我はダンジョンの奥地へと向かった。
モルガンが強い理由って、圧倒的なまでの経験と技術なんですよねーだからまあ、出力が落ちても大量に魔法陣貼りまくって火力上げたり『血魔陣』使って火力上げたりとかそこらへんで火力補ってる感じです。
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