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押し掛けギャルは殲滅者  作者: 青夜
パラオの絶対守護神

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第七艦隊消失

 上空に現われた《機神》を見て、風祭さんと四家さんが呆然としていた。

 全長21キロメートル、直径3キロメートルの巨体が半重力システムで浮かんでいる。

 全体に葉巻型の船体だが、表面には無数の武装の砲門などが付いている。

 レールガンなどは想像も出来るかもしれないが、大半は未知の兵器にしか理解出来ないだろう。


 《機神》に次元跳躍し、俺専用のコックピットに座った。

 ここには通路は無く、空間転移で来るしかない。

 万一にもこの強大な戦艦が敵の手に渡ったり、何らかの侵入すらされないためだ。

 俺以外には一人だけ、冴姫ちゃんもここに来れるし操艦も出来る。

 「超次元収納」の能力者だけしか入れないのだ。

 まあ、《機神》の外装を破壊すれば話は別だが、冴姫ちゃん以外にはそれは不可能だろう。

 現存するあらゆる兵器、各国の《能力者》の持つ超兵器ですら不可能だ。

 それに万一何らかの侵入を一定の区画まで許した場合、《機神》は自爆する。

 都市を簡単に破壊する威力で、《機神》に侵入を試みた者ごと死滅するだろう。


 コックピットに座ると、即座に俺の全身をセンサー群が覆っていく。

 瞬時に俺の体内のナノマシンと連携し、俺は《機神》と同化していくのを感じていた。

 どうにも《機神》とのコネクトは俺の精神に影響を及ぼす。

 この空間に《機神》を呼び出せば、すぐに俺の精神変容が始まる。

 精神状態が高ぶり、荒々しい人格が表面に出て来るのだ。

 普段の俺は大人しい自覚があるのだが、この変化はいつもどうしようもない。

 どちらが「俺」ということも無く、どちらも「俺」なのだ。

 冴姫ちゃんもどちらかと言えば同じ傾向があるから、「超次元収納」の能力と関りがあるのかもしれない。

 まあ、俺の知ったこっちゃねぇ。

 もう原潜のミサイル射出口が開き始めているのが分かる。

 あまりのんびりもしていられねぇな。

 もう《機神》と一体化した瞬間に、最も合理的な戦略が俺の頭の中に浮かんで来る。

 《アクセラレイター》と呼ばれる俺と冴姫ちゃんの能力であり、兵器の操縦に関して思考が加速し、幾重にも重なって並列処理をするようになるのだ。



 《機天使》放出



 《機神》の下部ハッチから13体の《機天使》が外に出る。

 《機天使》は《機神》と同じく反重力機関で空中に浮かび、最高速度マッハ50以上で飛翔する。

 それに反重力機関はジェット推進とは異なり、空中での高速機動が可能だ。

 その名称通り、《機天使》は人型であり、背中に大きな翼を模した凶悪な武装がある。

 最初に海上に浮かぶ自衛隊員3名を救助した。

 機関砲で高速艇が破壊された時に、咄嗟に海へ飛び込んだようだ。

 まだ生きていることが分かったし、救命胴衣でとにかく浮かんではいる。

 その3名を風祭さんたちのいる島へ運んだ。

 風祭さんたちは《機天使》を見ており、俺が何をしたのか悟って大声で感謝していた。

 いい人たちだ。


 同時に《機天使》は第七艦隊に電磁波攻撃を仕掛け、原潜「アッシュビル」「アナポリス」「ミネソタ」に「波動カノン」を浴びせる。

 「波動カノン」は減衰しない正弦波の組み合わせで分子崩壊させる兵器だ。

 海中を進む計算された幾つもの波動が目標で交差し、破壊する。

 9体の《機天使》で3隻の原潜を全て破壊した。

 波動で船体は潰された上に更に幾つもの破片に千切られ、海底に沈んで行く。

 乗組員たちは歪んで潰された原潜の構造体に挟まれ、多くは圧死しているはずだ。

 あいつらは水中から「トマホーク(潜水艦発射型ミサイル)」を発射するつもりだった。

 全て200キロトンの核弾頭だ。

 

 「ざまぁ、モクズ共がぁ!」


 海上の第七艦隊は《機天使》4体の電磁波攻撃により火器管制システムはもちろん、航行システムも焼き切れて沈黙している。

 それなりの電磁パルス(EMP)攻撃に対する防御はしていたはずだが、《機天使》の電磁パルスは桁が違う。

 ほとんど乗組員たちも強烈な電磁波で肉を焼かれているし、その多くが身体を破裂させている。

 人体は強力な電流が流れた時、組織の様々な抵抗値の差で電流が停滞した部分でそこの組織が破裂するのだ。

 高圧電流に触れた人体は手足が千切れていることが多いのは、関節部分で電流が停滞して千切ってしまうためだ。

 偶然に鉄に覆われた区画にいた人間は偶然に生きている可能性もあるが、もう電子機器は死んでいるので何も出来ない。

 俺は敢えてここまでの戦闘を監視衛星に見せていたが、もういいだろう。


 「いつまで上から覗いてやがんだぁ、この羽虫がぁ!」


 上空の監視衛星に照準を合わせた。



 《ニュートリノ砲》



 衛星は亜光速で飛散して行った。

 しかし俺はこんなもので許すつもりも無い。

 宗三さんが手に入れたこのパラオを横取りしようなんざ、目に物を見せてやるしかねぇ。

 二度とバカな気を起こさないよう、徹底的に思い知らせてやるつもりだった。

 旗艦になっているだろう原子力空母「ジョージ・ワシントン」の甲板に数十人が集まっているのが見える。

 もう全ての電子基板が焼けているので、降伏を身体で示そうとしているのだ。

 情けないことに大声で叫んで喚き、シーツらしいものを振って白旗のつもりだ。


 「ザァァーーコォ!」


 俺は笑いながら「ジョージ・ワシントン」に砲を向けた。



 《レールガン》



 直径130ミリの特殊合金を初速マッハ130で撃ち出す。

 「ジョージ・ワシントン」が一発で爆散し、周囲2キロに亘って破片が飛び散り海に沈んで行った。

 他の艦の甲板にも人間が出ていたが、今の衝撃波で肉体が蒸発したのが見えた。

 俺は全てのこの海域の第七艦隊を同じく吹き飛ばした。

 艦船の全ては音速で飛散し、全て海中に沈んでいく。

 余りの衝撃に海上には何も残らない。

 俺は《機天使》たちを回収し、《機神》も超次元へ戻し、島へ戻った。

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