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押し掛けギャルは殲滅者  作者: 青夜
パラオの絶対守護神

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パラオ派遣

 思いがけず宗三さんとこんなにも早くお逢い出来た。

 本来は僕たちが宗三さんにお会い出来るのはもっと先の予定だったのだが、宗三さんの能力が予想以上に早く発現したので僕たちが周囲で宗三さんを守る必要が出て来たのだ。

 だから、そのための顔合わせが実現した。

 もの凄く嬉しかった。

 それに流石は宗三さんだ!

 こんなにも早く素晴らしいお力を発揮されている!

 それに久しぶりにお会いした宗三さんは、やっぱり素敵だった。

 優しく美しいお顔で、カッコイイ!

 宗三さんは僕たちのことは覚えていないけれど、僕たちはみんな忘れるはずがない。

 あの日からずっとみんなで宗三さんをお守りすることだけを誓って頑張って来たのだ。


 宗三さんと一緒にお食事まで出来た。

 闇絵さんのお鍋はちょっときつかったけど、味は美味しかった。

 でも宗三さんがいなければもっと困っていただろう。

 宗三さんがあのお鍋を美味しそうに召し上がっているので、自分もなんか勇気が出て僕もみんなと一緒にお鍋を食べられた。


 宗三さんと再会する少し前、自衛隊特戦群の周一郎さんから知らされた。


 「宗三の助言から、パラオの海底鉱床の全てを日本が手に入れることが出来た」

 「流石ですね、宗三さん!」


 僕は宗三さんのお陰で手に入ったパラオを守るように言われた。

 絶対に守って見せる!


 「パラオにアメリカの第七艦隊が向かっているようだ。那智、お前は何としてもパラオを守れ」

 「はい。それで第七艦隊はどこまで破壊していいですか?」

 「攻撃があれば全滅させろ。アメリカにはもう通達を出しているからな。侵略行為があれば遠慮なくやれ」

 「分かりました。では《機神》を出してもいいですね」

 「もちろん構わん。存分にやってくれ。アメリカに我々の戦力の一端を見せてやれ」

 「はい!」


 あのお鍋の翌日、僕はパラオに行くことになっていた。

 それを知ると宗三さんが僕の頭を撫でてくれた!

 冴姫ちゃんがあの時、宗三さんの前でそのことを話してくれたお陰だ。

 冴姫ちゃんはいつも陰ながらみんなを支えてくれて来た。

 ありがとう!


 翌日、僕は航空自衛隊のC-2に乗ってパラオに向かった。




 ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■




 冴姫ちゃんが戦闘したことで、パラオは酷い有様だった。

 冴姫ちゃんは僕以上の凶悪な兵器を満載しているし、その上容赦がない。

 僕もいざ戦闘が始まれば容赦したことはないけど。

 パラオ最大の街コロールは海岸のホテルが1軒残っているだけで、あとは全て崩壊している。

 僕はパラオに来たのは初めてだけど、残骸の多さを見れば大体何が起きたのかは分かる。

 《ボルーチ・バロータ》が侵攻したせいだが、あいつら相手であれば仕方が無いだろう。

 全員が強力なサイキックである《ボルーチ・バロータ》は、視認した人間もある程度の物体も簡単に破壊してしまう。

 実際、自動車が瞬時に分解され、金属の渦で冴姫ちゃんの荷電粒子砲を防いだようだ。

 それにPK(念動力)を使った高速移動は通常の武器では照準が出来ない。

 だから冴姫ちゃんは範囲攻撃を行なったのだ。

 そのためにコロール島は破壊され、首都のあるバベルダオブ島も散開した《ボルーチ・バロータ》を殲滅するために大破した。

 冴姫ちゃんの攻撃力であればもっと短時間で撃破したはずだが、ココロちゃんと連携して住民の避難を考慮しながらの攻撃だったのだ。

 それでも両島は崩壊したが。


 パラオのロマン・トメトゥチェル国際空港は《ボルーチバロータ》たちも手を出さなかったせいで、冴姫ちゃんも攻撃を外し、何も壊れてはいなかった。

 冴姫ちゃんも《ボルーチ・バロータ》も、この空港が唯一の空の玄関になっていたために破壊しなかったのだ。

 まあ、最悪の場合には冴姫ちゃんが宗三さんを抱えて飛べばいいのだが。

 冴姫ちゃんの戦闘力は《ボルーチ・バロータ》にも他の勢力にも知られなかっただろう。

 全員死んでいるからだ。

 通信手段は冴姫ちゃんが全部破壊しジャマーも完璧だったに違いない。

 CIAのスノーマンは事前にパラミリを送り込んでいたから、《ボルーチ・バロータ》が侵攻したことは分かっているだろうが、全員が殺されたので詳細な状況は知られなかったはずだ。

 《ボルーチ・バロータ》も同じで、冴姫ちゃんに全員撃破されたので本国には何も伝わっていない。

 ただ、あれほどの《能力者》が短時間でやられたので、そこから冴姫ちゃんの戦闘力も類推されるだろうが、具体的に何が起きたのかは分からないはずだし、相手が冴姫ちゃんだったことすら分からないはずだ。


 僕の相手は当面は向かって来ている米第七艦隊だけど、僕の場合はある程度戦力を見せることになっている。

 このパラオは今後重要な採掘資源の宝庫になるわけで、誰も近づけない示威行為が必要なのだ。

 第七艦隊は主戦力の原子力空母「ジョージ・ワシントン」と「第5空母航空団」が出て来たようだ。

 戦闘機F/A-18E/FスーパーホーネットとF-35 ライトニング IIなどの最新鋭の機体が揃っている。

 それに第7艦隊潜水艦部隊も同行しているようだ。

 原子力潜水艦「アッシュビル」「アナポリス」それに「ミネソタ」が来る。

 他にもミサイル巡洋艦や強襲揚陸艦も随行し、結構な戦力を向けて来た。

 日本政府の通達と警告の上でそれだけの戦力を向けて来るのだから、アメリカが力づくでパラオを奪おうとしているのは明白だった。

 そして奪取した後もここに強力な防衛力を残す準備をしているのだ。

 一応日本はまだ外交交渉でアメリカの接近を阻止しようとしているが、元々パラオの防衛はアメリカが担っていたとの条約を楯に無理矢理介入しようとしている。

 現在パラオを防衛している日本を追い出そうとする意図があるが、日本が許すはずもない。

 世界の大国が連なる《賢人会議》ではまだ結論は出ていないが、概ね日本のパラオ占有が認められるはずだった。

 アメリカとしてはその前に現実的に日本を追い出して手に入れようとしているのだ。

 だから僕が呼ばれた。


 日本は表向きの公的な軍事力ではまだまだ小さい。

 自衛隊は優秀ではあるが軍事費に国庫を割けない歴史が長く続き、慢性的に兵員と装備不足だ。

 アメリカの最新鋭の軍事力には到底抗えない。

 だからこその第七艦隊の主力の投入なわけだ。

 戦力的には一定の地域を制圧するには十二分なものだ。

 世界中でこれだけの軍事力に対抗出来る国は少ない。

 だが、僕がいれば話は別だ。

 問題は敵の中に《ヴァーミリオン》がいるかどうかだが、量産タイプなどでは全く問題にならない。

 それにアメリカが《ヴァーミリオン》を投入したとなれば、《賢人会議》では重大な違反行為として問題視されるはずだ。

 銀座で《ヴァーミリオン》が投入されたことも既に大問題となっている。

 アメリカは今後、何らかの賠償的なことを日本に対してしなければならない。

 他国へ《能力者》を送り込む行為は互いに固く戒めているのだ。

 以前であれば、他国へICBM(※大陸間弾道弾)を撃ち込むのと同じことだからだ。

 もちろんそれは建前のことであり、一度世界大戦が始まれば確実に《能力者》が投入される。

 だが、現段階では宣告も無く《能力者》を他国へ送り込むことは重大な条約違反だ。

 言い換えれば、だからこそパラオを強制的に手に入れて既成事実を作りたいのかもしれない。

 現実的にアメリカがパラオを掌握すれば、後から《ヴァーミリオン》を送り込んだことにも出来る。

 今、パラオは日本が占有していることで僕の派遣も実現したのだ。

 だから周一郎さんは僕にやらせるつもりだ。

 二度と思い上がりのないように徹底的に敵は殲滅する。

 今のところアメリカからの再三の要請はあれど、外国人は一人も入国させてはいない。

 日本政府が断固として拒否しているからだ。

 だから第七艦隊の到着で、強硬な外交処置をしようとしているはずだった。

 軍事力を背景にして、無理矢理上陸するつもりなのだろう。

 そうは行かない。


 米第七艦隊は2週間後に到着する。

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