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押し掛けギャルは殲滅者  作者: 青夜
Resonance : 響き合う者たち

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ココロちゃん 変身

 榊常務から正式にナオミ・ブレッツさんの案内を命じられた。

 冴姫は不満そうだったが、特には何も言わなかった。

 早速金曜日から案内を始めることになり、水曜日はそのスケジュールを確認し、俺の方で手配して行った。

 もちろん冴姫とも情報を共有し、冴姫はココロちゃんや来栖君などと連携する手配をする。

 ブレッツさんが《聖女》である可能性を考慮して、冴姫は俺と一緒に行動しないことになった。

 冴姫は俺の恋人と知られているので、仕事で一緒にいてはおかしい。

 それに冴姫が強いことを向こうも知っているので、ガード的な人間がいない方がいいだろうということだった。

 それに俺が襲われる可能性は非常に低いと判断された。

 万一の場合はもちろん冴姫がすぐに救出に来るそうだ。

 どういう方法かは知らないけど。


 「でもね、宗ちゃん。相手も一瞬で宗ちゃんを殺せるよ?」

 「うん、がんばる」

 「何をがんばるしー」

 「うん、でもがんばる」

 「……」


 そう言うしかない。

 

 生き残ったパラオの人々がこぞって日本政府に感謝し、復興事業に取り掛かったことも感謝されて海底鉱床の独占採掘権を簡単に明け渡した。

 もちろん日本政府もその収益の一部をパラオに還元する。

 そして偶然に社員旅行に来ていた和田商事の社員が、危険な状況の中で避難せずに留まり救援活動に尽力したことも多いに感謝された。

 ホテルを拠点として周辺を見回って生存者を探して行ったことで18人もの人間が救助されたそうだ。

 その中に国政に関わる人物がいたことが僥倖だった。

 お陰で和田商事がパラオ沖の海底鉱床の開発での中心的な役割を与えられた。

 伊刈社長の英断であり、同時に現地に残って救助活動に邁進した先輩方の成果だ。

 1週間後にアメリカの第七艦隊が急行したが、既に日本の自衛隊が救助活動を完了していた。

 軍隊の出動はどんなに早くてもそれくらいは掛かる。

 大統領の権限で早期に動かしたわけだが、軍隊内部の調整も必要だからだ。

 しかし自衛隊が大規模なテロリストに襲われたパラオを防衛するために、一切の外国人のパラオへの接近を拒んだので、第七艦隊は引き返して行ったそうだ。

 日本政府はどこよりも早く自衛隊の大規模な派遣を実行したのだ。

 それを可能にしたのは伊刈社長からの情報だったのだろう。

 伊刈社長は自分たち日本国民の救援と同時に、パラオ国民のために動くことを要請した。

 もちろん海底鉱床の採掘権を得るという思惑はあったが、実際に可能な限りの救助活動をしたのだ。

 それに逸早く救援物資を送り込む手配もした。

 本来は出来ない動きだったのだが、恐らく《トリポッド》が動いたのだろう。

 後から野党などの批判も無く、臨時国会でたちまち承認された。

 その前に自衛隊が動いていたわけだが、どこからも批判は挙がらなかった。

 アメリカも、その後に各国からも救援物資が送られたが日本の提供したもので十分だった。

 それに日本政府は希望があればパラオ人の難民も受け入れると発表した。

 それもまたパラオの人々に喜ばれ、300人が日本国籍を希望した。

 政府は3年間の生活保障を掲げ、日本語学校や職業訓練の無料化を実施した。

 実に人道的な救済策と世界中が褒め讃えた。

 もちろんパラオの海底鉱床の利権の巨大さで十二分の採算が取れる。

 それに元々親日家の多いパラオの国民の受け入れもスムーズに行なわれた。

 日本語の堪能な人も多い。

 まあ、現実には高齢者や親を喪った子供たちが多かったので、労働力が確保できたわけではない。

 日本政府もそれを見越した上での難民受け入れだったので問題は無い。

 彼ら高齢者はパラオでの生活基盤を喪ったことで、安全で保障のある日本での生活を希望したのだ。

 3年間の生活保障の後はどうするつもりなのかの分からないが、放り出すことは無いだろう。

 ちゃんと日本国民としての生活保障制度が適用されるはずだし、医療行為も受けられるに違いない。

 要は、日本は実質的に多大な感謝を受けながらパラオを支配するようになったのだ。


 そこにアメリカや他国が介入する隙は無くなった。

 だからアメリカは何とか利権に喰い込もうと必死なのだ。

 外交交渉では埒が明かないと悟ったアメリカは、軍事兵器である《ヴァーミリオン》の「スターズ」を派遣して来た。

 だが、敵地で暴れるにはたった一人では無意味だろう。

 アメリカも日本には優秀な《能力者》がいることは分かっているのずだ。

 ならば、何故……

 ブレッツさんの目的を確認するためにも、俺は何とかしなければならないと思っている。

 俺を《特異点》と認識していることはあり得ない。

 ならばどうして俺を案内人に指名したのか。

 冴姫が言う通り、危険な側面が確かにある。

 でも俺にはどうしてもブレッツさんが俺に危害を与えようと考えているとは思えなかった。

 単なる俺などの勘ではあったが。





 6月下旬の金曜日。

 ブレッツさんを東京見物に連れて行くことになった。

 ブレッツさんの希望で銀座の高級ブティック、デパート、そして街の散策もしてみたいとのことだった。

 和光から幾つかのショップを案内するスケジュールを組んだ。

 場合によっては浅草も良いかもしれない。

 ブレッツさんの希望には無かったが、ブレッツさんに日本文化を紹介するのも悪くないだろうと思った。

 ブレッツさんは日本語が堪能なので通訳の必要は無く、代わりに護衛のSPが同行すると聞いた。

 その同行者も間違いなく《ヴァーミリオン》だろう。

 だからこちらも俺以外に広報部の方が同行することになった。

 影野志信さんという方と伺い、前日に顔合わせをした。


 「こんにちはー」

 「……」


 ココロちゃんだった。


 「なんでココロちゃんが!」

 「宗ちゃんを守るためなの」

 「そりゃそうだろうけど、顔はバレてないの?」

 「変装するの」

 「そう」

 「それに私はガイドは得意なの」

 「あー」


 ココロちゃんはパラオでも旅行ガイドだったか。

 カワイかったなー。

 まあ、冴姫も多分周一郎兄貴も承知してのことだろうし。

 もちろん和田商事も伊刈社長まで知っていることだろう。

 俺に拒否権は無い。

 無いが、なんだろう、この不安は?

 ココロちゃんは「ちょっと待つの」と言って部屋を出て行った。

 20分ほどで戻って来る。


 「オォォーー!」


 全然別人だった。

 ショートだった髪はウィッグで金髪のセミロングになり、ボディラインまで変わってた。

 ココロちゃんのオッパイは大きいのだが、それが大分減っている(残念)。

 顔も化粧の違いで全然別人だが、濃いメイクではない。

 自然に別人になる凄い技だ。

 背はちっちゃいままだ。

 そりゃそうだ。


 「どう、なの」

 「凄いよ! 全然違う人だ」

 「フフフなの」

 「凄い凄い!」

 「そう、私はスゴイなの!」

 「ココロちゃんは流石だなー」

 「宗ちゃん、もっと褒めてもいいの!」

 「ほんとに凄いよ!」

 「フフフなの」

 「流石ココロちゃん!」

 「ハハハなの」

 

 俺は何度も褒めてココロちゃんを喜ばせた。


 「胸はどうなってるの?」

 「……やっぱ宗ちゃんのエッチなの」

 「エェ!」


 そうなのかなー。

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