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押し掛けギャルは殲滅者  作者: 青夜
Parau Paraiso : 召されるパラオ

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ツアーガイドのココロちゃん

 パラオの空港ではまたバスが待っていて、俺たちはコロール市内の海沿いのホテルまで移動した。

 海に面していてプライベートビーチもプールも付いている豪華さだ。

 幹事の方々がロビーで部屋の分配をしていく。

 ツインの部屋に二人ずつの振り分けだが、俺は一人で使うように言われた。


 「え、そうなんですか?」

 「うん、神楽坂君は婚約者の方がいるでしょう? 榊常務からの指示だよ」

 「え、冴姫と一緒!」

 「まー、他の人には内緒にね。君は期待の新人だから、特別に計らうように言われているんだ」

 「そうなんですかぁ!」


 なんてこったぁー!

 メッチャ嬉しいぃー!

 重役の方々などは眺めの良い海側の部屋で、一般社員やもちろん俺たち新人は反対側の街側の部屋になっているが、そういうのは仕方がない。

 機内食が出たので食事は夕食からだ。

 ホテルで荷物を置いて、みんなで観光に出掛ける。

 簡単な観光スポットを回るだけのもので、あとは自由時間となった。

 俺は冴姫や新人の同期のみんなと一緒に街を散策した。

 小さな国だが流石に世界的な観光地であり、街は結構賑やかで様々なものがある。

 外国人の姿も多く、海外感がいやが上にも増して行った。


 「神楽坂はいいな、こんな美人の奥さんがいてさ!」


 冴姫と一緒の所は同期たちもほとんど見ていないのでからかわれた。


 「まだ婚約者だよ」

 「同じことだろう! それにもう一緒に住んでるんだろ?」

 「まあ、それはそうだけどさ」

 「笹原君、あんまり宗ちゃんをいじめないで」

 『宗ちゃん!』


 冴姫が俺のことを「宗ちゃん」と呼んだのでみんなが驚く。

 冴姫はみんなの前ではただの明るい女の子だ。

 一応社会人の一般的な常識は備えている。

 ギャルっぽさも控えめだ。


 「久留井さんって神楽坂のこと「宗ちゃん」って呼んでんだー!」

 「うひゃー! 羨ましいなぁ、おい!」


 冴姫は「久留井冴姫」で通している。

 なんちゅーか、「狂い咲き」」ってどうなんだろ?

 誰が付けたのかと思ってる。

 笹原が俺の肩を叩いて嬉しそうに笑う。

 同期とは研修時代に結構仲良くなり、みんな配属部署で各々頑張っているようだ。

 今年の新人は豊作だったと会社の上の人間は喜んでいると聞いた。

 街は流石の世界的な観光地であり賑わっている。

 そういう光景も俺たちを興奮させた。

 まあ、旅行慣れした人間もおらず、一通り街を散策してみんなホテルに戻った。

 特に仲の良い連中はホテルの部屋に集まるようだが、俺と冴姫は行かなかった。

 一度俺たちの部屋に戻る。


 「さ、冴姫、一緒の部屋なんだって!」

 「うん、興奮するなし」

 「いや、う、うん」

 

 ベッドは一応ツインになっている。

 俺はベッドにダイブしたりしてみた。


 「宗ちゃん、もうちょっと落ち着けー」

 「わ、分かってるよ」


 冴姫がシャワーを浴びたいと言った。


 「ど、どうぞぉぉーーー!」

 「そういうとこだぞ!」

 「はい!」


 だってぇー!

 俺も浴びておこうかと考えていると、ドアをノックされた。

 なんだ、同期の奴か?

 俺はドアを開けた。


 「コラァァァーーなの!」

 

 突然怒られた。

 なんかデジャブ……


 「ココロちゃん!」

 「もう! すぐにドア開けちゃダメって前にも言ったの!」

 「あ、うん、ゴメン」

 「もう、宗ちゃんはぁ、なの!」

 「ほんとにゴメン、注意します」


 ココロちゃんが目の前にいた。

 どうして!

 とにかくココロちゃんを部屋の中に入れた。

 冴姫のベッドに座らせる。


 「どうしてココロちゃんがいるの?」

 「ツアーガイドなの」

 「え?」

 「海外は危ないから、冴姫ちゃんの他にもガードに就くの」

 「あ、ああ」


 言われてから気付いたが、ココロちゃんは旅行会社の制服を着ていた。

 紺色の目立たないスーツ姿で、首元には赤いリボンが付いている。

 ココロちゃんが来てくれて嬉しくて話していると、冴姫がシャワーから戻った。

 ちくしょー、ちゃんと服を着てる。

 オレンジの地のTシャツで、双頭のコブラが戦車の上から頭を出している。

 そういうTシャツ姿が多いので、前に検索したらどこにも売ってなかった。

 冴姫はどこで手に入れたのだろう?

 下ももちろん、ちゃんと白の綿のパンツを履いている。


 「ココロちゃん!」

 「冴姫ちゃん!」


 二人がハグして嬉しそうにしていた。


 「ココロちゃん、来てくれたんだ」

 「うんなの!」


 冴姫がココロちゃんの隣に腰掛け、俺は紅茶を淹れた。

 部屋にポットと一緒に自由に使えるように備えてあった。

 カップは使い捨ての紙コップだが。


 「冴姫ちゃん、やっぱ来てるみたいなの」

 「そっか」

 「え、誰?」


 何の話をしてる?

 ココロちゃんが冴姫に「周辺は大丈夫」と言った。


 「宗ちゃん、アメリカの連中が来てるんだよ」

 「アメリカ?」

 「うん。CIAのスノーマンって呼ばれているケースオフィサーが手配した連中。CIA専属の非正規部隊のパラミリだよ。あちこちで武力制圧をしている精鋭」

 「え?」


 冴姫がケースオフィサーとは工作の指揮を執る人間であり、パラミリは特別な軍事教練を受けた兵士のことだと説明してくれた。

 諜報組織はお抱えの特殊部隊を持っていることが多く、CIAのパラミリは精強な部隊なのだそうだ。 

 「CIA」くらいは分かるが、諜報機関や軍隊のことはほとんど知らない。


 「あのね、ここパラオの沖合でレアアースとレアメタルの鉱床が最近見つかったの」

 「あ、第一貿易部の資料で知ってる!」

 「まあ、ニュースにもなってるからね。今各国が動いて、その採掘権を狙ってる。もちろん日本もね」

 「そうなんだ!」

 「もちろん和田商事もパラオ政府に接近してる」

 「そうなんだ!」


 へぇー。

 まあ、凄いことなんだろうけど俺には遠い世界のようだ。

 ただ和田商事も関わりたいと思っているのなら、俺も自分の出来ることならば何でもしたいと思った。




 ココロちゃんの話はまだ続いた。

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