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文化祭の出し物

 文化財の出し物をどうする? は、7月の期末試験が終わってから、なんとなく意識され、それなりに語られていたことだった。

 去年の文化祭はそれなりに盛況で、手応えがあったので、基本はその延長でゆくという話だったが、社会への提言がなくて、パンチに欠けた印象があった。去年は、子どもたちの人生の門出を祝う資金として、生まれた赤ちゃん一人ひとりに積立投資して成人になれば運用結果を渡すという提言をした。

「エルムちゃん、それだ。それでいこう!」

 かわいい先輩がわたしとのっぽの後輩の会話に乱入してきた。


「え? なんの話ですかあ?」

「今言ったじゃん、団地の積立金の話」

 くりんくりんの髪を揺らして、つぶらな瞳をまっすぐに向けられた醤油顔は、戸惑った表情を見せた。

「それがなにか」

「だから、文化祭の提言だよ!」

 ね! ね! 今の話、絶対すごいよね!

 と、話を振られた男の先輩は、「はあ、まあ・・・」

「にゃん、あんた、話ちゃんと聞いてなかったでしょう。ほーちゃん、これ、ちょっと調べといて」

 つぶらな瞳はわたしに向けられた。先輩の言う「これ」がなにを指しているのか判然としないが、ここで聞いても曖昧な解しか得られないだろうと判断し、わたしは小さく頷いた。

「受験生のわたしたちは天王山の夏を迎えてるんだからね!」

 ああ忙しい忙しいと口にする先輩ではあるが、受験生にしては部活に入り浸っている。入り浸っているから忙しいのか、忙しいがなにかの口実なのか不明瞭ながら、この人はせわしなくしていないと落ち着かないのか、人間にもいろいろいるのだと今更ながらに感じる。


「ひろこ先輩はどこ行くんですかあ?」

 のっぽの後輩のストレートな質問に

「わたし? 栄養士になろうと思う」

「栄養士?」

「うん、食は生きる基本でしょ。そこ、おさえとけば、困らないかなあって。それに栄養士なるガッコ、そんなにむずかしくないし」

「へえー、じゃあ、あたしも栄養士めざそうかな」

「食は大事とかって言われるけど、じゃあ、なに食べたらいいのって、案外みんな知らなかったりするんだよね。炭水化物は摂ってもいいけど糖分は摂らないほうがいいなんて言う人いたりするけど、意味わかんないし」

「えー、炭水化物ってえ、糖質でしたよねえ」

「おっ、エルムちゃん、すごいね! にゃんなんて、炭水化物って化け物の名前かって聞いたんだよ」

 ネタにされた男の先輩は、進路を深く考えていないようだ。

「にゃん、あんた大丈夫? 人生一回きりしかないんだよ。よくそんなボヤボヤしてられるわよね」

「なるようにしかならんから」

「それ、流されてるだけだし」


 日経平均株価は下がり続けている。

 為替が一転して円高になり、今週は150円台前半まで上がった。輸出企業は為替差益が減ることになり、嫌気されたものとみられる。

「えー、なんで下がるんだよお」

 銀縁眼鏡の男子後輩が頭を抱えた。

 購入した半導体関連株が下がっているのだという。

「半導体は伸びるんじゃなかったのかよお」

 人工知能、自動運転、電気自動車、データセンター

 半導体を囲む環境は薔薇色だ。エヌビディアの時価総額が話題になったのも記憶に新しい。しかし、そのエヌビディアも、このところは下げ基調にある。


 後輩のいう半導体銘柄を見ると、業績は右肩上がりで、今後の見通しもわるくない。時価総額は1,000億円に満たず、財務も健全だ。ただ、PERが高い。下がってもなお25倍ほどある。購入したときはもっと高かったはず。

「PERが高い銘柄は、その高さを容認できる利益の伸びが必要となる」

「それは十分なほどあると思います」

「ならば、地合いに合わせた下げだろう。中長期で伸びるのなら、多少の値動きなど、誤差のようなものだ」

 とは言え、PERが高いとは期待の大きさだったり、人気の大きさだったりする。今のように相場が崩れると、機械的な売りにあわせて、疑心を持つ者が驚いて売り急いだり、機に乗じて仕掛けてくる者もいるやに聞く。PERが低ければ下げる余地は限られるが、高ければ下がる余地も大きい。PERの大きな銘柄に投資するリスクと言える。一方で、人気ある銘柄が業績の下方修正でなく、ただ全体の動きにつられて下がったところは、絶好の買い場かもしれない。実力ある株は、いっとき下がったところで、いずれ値を戻すからだ。


 今週は東京証券取引所から大きなニュースが出た。

 株式の取引単位を現行の100株から1株に変更する検討をはじめたという。

 これが実現すれば、株価が65,000円するキーエンスも、40,000円するファーストリテイリングも、22,000円するオービックも、買うことができる。わたしもぜひ買いたい。

 企業側は株主急増に伴う経費増が懸念されるが、投資する立場からすれば、お小遣い程度でも株主になれるわけで、貯金代わりに気楽な投資ができることになる。


 3月期決算企業の1Q決算が出はじめた。意外な好決算を見せる企業はどこか。注目されていない企業なら、なおいい。じっくり見たいと思う。


 2024年7月26日現在 わたしのポートフォリオ

 ・1678 NEXT FUNDS インド株式指数 Nifty50 連動型上場投信 2,000株 買値319.8円 株価388.6円 時価777,200円 含み益137,600円

 ・2579 コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングス 200株 買値1,530円 株価2,177.5円 時価435,500円 含み益129,500円

 ・3445 RS Technologies 200株 買値3,200円 株価3,080円 時価616,000円 含み益▲24,000円

 ・5888 DAIWA CYCLE 200株 買値1,800円 株価3,245円 時価649,000円 含み益289,000円

 ・7134 アップガレージグループ 800株 買値835円 株価1,034円 時価827,200円 含み益159,200円

 ・8306 三菱UFJフィナンシャルグループ 400株 買値1,067円 株価1,685.5円 時価674,200円 含み益247,400円

 現金 28,699円

 時価総額 4,007,799円 含み益1,007,799円 含み益率34%

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