団地の情景
兵庫県知事が批判されている。
ことの次第は不明ながら、これについて、顧問は珍しく部員全員に訓示めいたものを述べた。
「器が人を育てる、とよく言われます。責任ある立場を与えると、責任を全うできる人間になるという意味です。これは事実でしょう。学校でも、例えば文化祭実行委員長になれば、いやでもその立場を全うしなくちゃならない。必死になって取り組んでいるうちに、実行委員長らしくなる」
ところが、世の中には立場を錯覚する者がいる。
「責任ある立場を、なにか特権のある身分だと考えている人がいます。お山の大将になって、人を統べることに満足する人です。このような人は手段と目的を混同していますね。責任ある立場の人は、方向を定めて、全体を導いてゆく必要がある。その意味で特権が与えられる。しかし、それは全体を導く目的のためにあるのであって、個人の立場や名誉のためにあるわけではない。ところが、立場が特権意識を生み、オレは偉いんだ、なにをやっても許されるんだと錯覚するんですね」
そこで全員を見まわした顧問は、最後にこう締めくくった。
「いいですか。目的と手段の混同ほど、愚かで醜いものはありません。人心も必ず離れます。仮にすり寄ってくる者がいるなら、それは甘い汁のおこぼれを求めるさもしい輩だけです。結局は信用を失い、よくない人が集まるだけですから、なにかポジションを得たからと言って、偉くなったなどと思ってはいけません。これは、本当に肝に銘じてください」
「なんで先生、あんなこと言ったんだろ?」
かわいい先輩に男の先輩は「さあ」とだけ言った。
「あれって、偉くなれなかったやっかみ?、にも聞こえるよね」
男は「おまえらしいな」と笑った。
「だって、そう思わない? あの人、会社でトラブルあって、やめたって言うじゃん」
「そんな話、ホントかどうかわかんねえだろ?」
「そりゃそうだけど」
「おまえさあ、何十年か経って、そう言えば高校のときに顧問からあんなこと言われたなあって、後悔してるかもよ」
「えー、にゃん、なによそれー! わたし、だって、偉くなるまで会社勤めする気ないんだから」
「あー、そこんとこ、オレも一緒」
「にゃんはなりたくても偉くなれないほうじゃね?」
「そーとも言える」
「おー、自己分析できてんじゃん」
かわいい人はそう言ってころころと笑った。
史上最高値を更新した日経平均株価。
今週はあれよあれよと下がり、一時は4万円を下回った。
それに引きずられて持ち株の残高も下落したものの、日経平均株価の落ち方に比べれば、わたしのポートフォリオは軽微な下げだった。
2024年7月19日現在 わたしのポートフォリオ
・1678 NEXT FUNDS インド株式指数 Nifty50 連動型上場投信 2,000株 買値319.8円 株価401.5円 時価803,000円 含み益163,400円
・2579 コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングス 200株 買値1,530円 株価2,253.5円 時価450,700円 含み益144,700円
・3445 RS Technologies 200株 買値3,200円 株価3,270円 時価654,000円 含み益14,000円
・5888 DAIWA CYCLE 200株 買値1,800円 株価2,903円 時価580,600円 含み益220,600円
・7134 アップガレージグループ 800株 買値835円 株価1,100円 時価888,000円 含み益220,000円
・8306 三菱UFJフィナンシャルグループ 400株 買値1,067円 株価1,714.5円 時価685,800円 含み益259,000円
現金 28,699円
時価総額 4,062,100円 含み益1,090,799円 含み益率36%
理由の一つは、5888 DAIWA CYCLEの高騰。
先週金曜日の6月売上速報で、売上高・客数・客単価がいずれもふた桁の伸びを発表したことを好感したものと思われる。
この急騰した株価が今後どうなるのかはわからない。
ただ、ひとつ言えることは、日経平均株価と個別株の動きは必ずしもシンクロしないということ。
円高になれば、トランプさんが大統領になれば、インフレになれば、株価はどうなる・・・
ネットでは、TVでは、新聞記事では、そんな議論が必ずされる。
それはそれで傾向を掴むには大切とは言え、個別株投資を考える上であまり神経質になる必要はない。
というのがわたしの見方だ。
高騰
といえば、のっぽの後輩が買った、7086 きずなホールディングスも上がった。
こっちはTOBをかけられたため。
1,500円ほどからTOB価格の2.100円ほどまでスルスルと上がった。買ってすぐに五割も上がったのだから、文句を言う筋合いではないのだろうが、業績を伸ばし続けるこの会社の価値がこんなものなのかと言えば疑問がある。今のところ、対抗馬がいないようなので、このまま成立する見通しだが、TOBがなければ将来もっと株価は上がった可能性が高いと思われるので、痛し痒しといったところだ。
「なぜこの株を買おうと考えたのか?」
感じた疑問を素直に告げると、のっぽの後輩女子はこう言った。
「うちのお、団地があ、おじいちゃんおばあちゃんばっかでえ、この人たちにい、なんか必要なことといったらあ、葬式みんな出すんだなあって、なんか思ってえ」
花見で周遊した高校近くの団地を回想した。確かに高齢者が目につくところだった。後輩によれば、昼となく夜となく救急車がサイレンを鳴らしながらよく走っている、介護のクルマが何台も何台もやってくる、団地のスーパーの品揃えは高齢者相手のものが主流、なんだそう。近所の親しかったおばあさんが亡くなったので、葬儀会社を気にするようになったという。
「マンションの管理費ってえ、なんで運用しないんでしょう」
団地に住んで、他に気になることは?と問うと、意外な返答があった。
まだるっこしい彼女の話を要約すると、団地の中で管理費の値上げが話題になっているそうだ。物価高騰の折、誰も管理費の値上げを喜ばないが、建物の修繕費も高騰しているので、値上げしなければ、やってゆけなくなるという。ならば積立金を運用すればいいのではと思ったが、そんなことはやっていないのだとか。
「なんかインフレになったらあ、銀行預金はなんかどんどん目減りするんですよねえ。だったらあ、NISA?で、なんか話題になってるオルカンとかで、なんか積立?運用すればいいんじゃないのおって、なんか思いました」




