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ポートフォリオの見直し

 日経平均株価が高値を更新し続けている。

 このところ、投資に対する関心が、俄に上がってきたかのように感じられる。

 NISA口座は増えているそうだ。

「貯蓄から投資へ」

 という流れは、今のところ、順調な出足といったところか。


 顧問は言う。

「なんだかんだ言って、日本も金持ちになったからには、金持ちとしての動き方があるってことでしょう」

 お金がなければ、まずはお金を貯めないことには始まらない。

 けれど、ある程度、貯まってしまえば、バカのひとつ覚えのように貯め続けていても仕方ない。

 貯めたお金を何に使うか。あるいは、もっとお金を増やすために、今までと違う稼ぎ方をしなければ、仕事の中身も変わらない。


 戦後、日本は敗戦の何もないところから驚異の高度成長を遂げ、世界二位の経済大国にまでのし上がった。

 けれど、貧乏人はお金の使い方を知らなかったのかもしれない。

 個人は貯蓄一辺倒で、デフレ下で利息がほとんどゼロになると、貯めたお金が増えることはなく、今までと同じように働いて増やすしかなかった。

 企業は企業で、バブル崩壊後30年経って、ようやく資本効率の意味や価値を理解できるようになった。もしくは、理解しようとしている、といったところでしょうか。


 ただ、この株高はまだしばらく続くでしょうが、いずれ暴落する局面が出てくる。そのときに、投資はやっぱり怖いものだ、投資はとんでもないものだ、などという話になると、失われたン十年はまだ続くことになるんじゃないか。

「暴落しようが、相場にはときに嵐が訪れることもある程度に認識して、それでも投資を継続する。なぜなら、経済が成長する以上、嵐が過ぎれば、相場が持ち直すことは歴史が証明しているからです。そういう成熟した認識が社会に根を張る。そこがこれから日本が目指すべきところだと、わたしは思います」


 2024年2月9日現在 わたしのポートフォリオ

 ・1678 NEXT FUNDS インド株式指数 Nifty50 連動型上場投信 1,400株 買値300円 株価342.8円 時価479,9200円 含み益59,920円

 ・2579 コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングス 200株 買値1,530円 株価1,931円 時価386,100円 含み益80,100円

 ・6623 愛知電機 100株 買値3,615円 株価3,990円 時価399,000円 含み益37,500円

 ・7330 レオス・キャピタルワークス 300株 買値1,358円 株価1,230円 時価369,000円 含み益▲38,400円

 ・8306 三菱UFJフィナンシャルグループ 400株 買値1,067円 株価1,386円 時価554,400円 含み益127,600円

 現金 95,517円

 時価総額 2,283,937円 含み益283,937円 含み益率14%


 仮想運用分

 ・2372 アイロムグループ 買値2,003円 時価1,842円

 ・4498 サイバートラスト 買値2,160円 時価1,833円

 ・6758 ソニーグループ 買値14,540円 時価14,235円


 続々と決算が発表される。

 わたしの持ち株では、レオス・キャピタルワークスと三菱UFJフィナンシャルグループの発表があった。

 レオス・キャピタルワークスの10-12月期は、前年同期比でわずかながらの増収増益。

 このところの日経平均株価がバブル後最高値を更新し続ける中、投資信託を運用する会社の業績にしては物足りない。

 新NISAが追い風になるかと思ったが、この会社が運用する投資信託は、国内運用、海外運用ともに、インデックスを下回っている。これでは、オルカンだ、米国株インデックスだと喧伝される中、敢えて割高なフィーを払ってまでアクティブ型を選ぶ理由に乏しい。


 三菱UFJフィナンシャルグループの10-12月期は、前年同期比で大幅な増収増益。

 こちらは金利の先高観もあって、株価も順調に上がってきている。

 それでも、PBRは1倍を下回っており、上昇余地はまだまだあると考えられる。


 仮想運用分は。

 アイロムグループの10-12月期は減収大幅減益。

 サイバートラストは増収増益ながら、通期見通しを大幅に下方修正した。


 日経平均株価は、バブル後最高値を更新し続けている。

 年初からの上昇率は10%を超える。

 この間、わたしのポートフォリオの上昇率は6%に満たない。

 わずか1ヶ月少しで、基準価格から4%以上も劣後しているようでは、お話にならない。

 自分の目のつけどころを変える必要がある。

 そう思わざるを得ない。

 ポートフォリオの見直しをすることにした。


 顧問は、世界経済の成長にあわせて成長する銘柄について言及した。

 例えば、ユニクロを手がけるファーストリテイリングの海外事業比率は56%。

 世界経済に占める日本の比率が10%もないことを思えば、この会社の海外マーケットはまだまだ開拓できると考えられる。

 海外から押し寄せる観光客が堪能する食品やサービスを、海外にそのまま持ってゆけば、成功する可能性もあるだろう。マクドナルドやコカ・コーラが世界中に広がるように。

 では、具体的にはどこなのか。

 何に注目すればいいのか。

 例えば、マクドナルドのような成長が期待できるレストランチェーンは?

 コカ・コーラのように世界中で愛飲されるようになる飲料や食品メーカーは?


 日本のエンタメ、特にマンガやアニメは世界中に多くのファンがいるという。

 けれど、ディズニーのような企業が日本にはまだないと思われる。

 同じことは、音楽でも。Kポップは世界を席巻したが、Jポップにその可能性はあるのか。あるとすれば、どの企業がリードするのか。


 まだある。

 今回の決算で芳しくなかった業種に、電子部品がある。

 明らかな景気循環株だから、景気動向に応じて業績が上下する。芳しくない決算で株価が下がるなら、そこは先々の回復局面に向けての仕込み時となる。

 コロナウィルスで世界経済がストップしたとき、株価は暴落した。多くの企業は実際に業績を落とし、赤字に落ちたところもあった。

 しかし、結果的には、その暴落したところが絶好の買い場だった。

 部品不足でモノづくりに支障をきたしたメーカーも、移動制限で客足が途絶えた運輸・物流や飲食、観光業界も、社会が正常化で業績も回復し、株価も戻った。


 これらを勘案し、銘柄選択を再考する。

 わたしが注目したのは、トヨタ自動車の2024年3月期純利益4.5兆円見込の記事。

 コロナウィルス後、長く半導体不足で思うように生産できなかっただけに、自動車の購入希望者が世界的に列をなしている状況にある。

 トヨタ自動車は上場最高値を更新し続けている。そのトヨタ自動車に投資するのもいいのだが、もうひと捻りするのも面白いのではないかと考えた。

 業界の業績回復局面では、業界首位の優良会社よりも、下位の会社のほうが業績の改善率が高い場合が多い。


 コロナウィルスのため、自動車各社がぼろぼろに業績を落とした2021年3月期と2024年3月期の見込を、EPSベースで手元の会社四季報で比較すると、次のようになる。

 ・7203 トヨタ自動車 160.6円 → 301.8円

 ・7267 ホンダ 126.9円 → 203.2円

 ・7202 日産自動車 ▲114.7円 → 99.5円

 ・7261 マツダ ▲50.3円 → 325.4円

 ・7269 スズキ 301.7円 → 497.6円

 ・7270 SUBARU 99.8円 → 425.6円


 トヨタ自動車の伸びが2倍ほどに対し、SUBARUは4倍超増える。日産自動車とマツダは黒字転換だ。

 株価の推移を見ると、トヨタ自動車は右肩上がりで、EPSの上昇に連動している。ホンダ、マツダ、SUBARUも同じだ。スズキは上下の振幅が比較的大きいものの、右肩上がりであることに違いない。

 ところが、日産自動車だけは概ね600円あたりから伸びていない。

 業績は回復しているのに、株価がまだついてきていない状況にある。

 これは面白いのではないか。


 ちょうど、木曜日に2024年3月期の3Q決算が発表され、増収増益ながら、市場が期待したほどではなかったとのことで、金曜日の株価は大きく下げた。

 なかなかもどかしい株価ではあるが、ようやく供給体制が整いはじめ、3年ほどお預け状態だった市場の需要が急落するとは思えない。さらにインドなど新興国の自動車ニーズはこれから飛躍的に高まるだろう。


 株価が低迷するネガな部分はどこか。

 利益率の低さは、そうかもしれない。会社四季報記載内容で比較すれば、日産自動車の見込営業利益率は4.7%だが、トヨタ自動車は10.5%ある。

 ホンダが6.5%、マツダが5.3%、SUBARUが9.0%、スズキが8.2%をそれぞれ見込むから、日産自動車はいずれにも劣後する。

 自己資本比率の低さも30.9%と主要自動車メーカー各社の中で最も低い(もっとも、自動車販売にローンはつきもの故に、単純に有利子負債の大きさが問題となるわけではない。低利で仕入れたお金を、高利で貸し出すのだから、負債は収益を生む原価のようなものだ)。

 カルロス・ゴーン元社長によるハリウッド映画さながらの国外逃亡劇からはじまる経営のゴタゴタも記憶に新しい。

 評価の低さはPBRにも。0.4倍を下回るのはこの会社だけ。


 とは言え、ネガばかりではない。

 設備投資額は減価償却費より多い。これは積極的な投資を行なっていることの証左と言え、守銭奴のように現金ばかりを貯め込み、投資も還元もしない企業の対局にあると言える。

 また、キャッシュフローは巨額の黒字だ。巨額の有利子負債を抱えているとは言え、資金繰りに問題ないことの証左と言える。

 また、高校生のわたしにはよくわからないところではあるものの、日産自動車といえばEVでは国内企業で第一人者のイメージがあり、自動運転技術にも先頭に立つイメージがある。これら先進的な部分がいずれ評価されれば、株価の居場所も大きく変わるのではないか。


 三連休を前に、わたしは日産自動車を候補のひとつに加えた。

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