御披露目会 サンガー編
「やぁ〜っと落ち着きましたね」
「あ…相変わらず蹴りの強い野郎だぜクラーケン…。」
「フッ、次は誰がしますか?」
「俺かな」
サンガーが名乗りを挙げた。
「ではお願いします」
すると、サンガーはにんまり笑うと、
「結界は消していい。俺には結界が必要な物はない」
フェニックスが結界を消した。
「では、まず防御力を上げる技を。ガーディ!」
そう言うとサンガーはこの辺一帯のビルに技を使った。
「次はそれを非生命体のみに対し永久持続させる技、フォーウ」
これで、この辺一帯のビルはサンガーを越える人間が現れるまで安泰である。
「おい、サンガー!お前さっきから攻撃してねーぞ!」
ペガサスが抗議した。
「まぁ、待て。試しに、その永遠に防御力アップのビルに攻撃してみたらどうだ?」
「マンティスシーザー!」
刃で切り裂いても傷一つつかない。
「ダメだ!」
「マジ?じゃ、わしも」
「僕も」
「ランドスライド!」
「アイスキャノン!」
何も起こらない。
「嘘でしょ…。」
「フッフッフ」
サンガーが得意気に笑う。
が。
「じゃ、俺も試そ」
「あっ、フェニックス、お前は…」
「俺でも耐えられるのかな…?」
「ちょっと…やめて…」
「テラ…」
「フェニ…」
「フレア!」
『緊急速報:〇地区一帯にて大火事発生。目撃証言によると屋上にいた五人の男性が起こしたが、その方法、動機は未だ解らず、犯人特定には時間がかかる模様…続報が入りました、この火事による炎は消火器では消えません…いや、消防車による消火も不可能という情報が…………。』
燃えているビルの屋上にて。
「フ…フェニックス君?」
クラーケンが物凄い殺気を放って言った。
だが、
「ケッ、俺の炎を守れなかったサンガーが悪いんだろ」
「あー、それもそうですね」
「えっ、納得しないで!」
サンガー悲痛の叫びである。
「くそ、このままじゃ俺の立場がねぇ!こうなっ…」
「元々ねーよ」
「話に水差すなー!とにかく、こうなったら俺の最後の新技を出すっきゃねぇ!見てろ全員!」
太鼓とバチを作り出す。
ズドガガガガガガガガガガガガガガ!
「うおっ!雷太鼓かよ!」
『えー、泣きっ面に蜂とはまさにこの事で、現在大火災が起きている〇地区で雷が鳴り始めました、この火災の最終的被害は見通せません。現在自衛隊、米軍による消火活動が始まっていますが…………。』
「サンガーさん…何故雷を落としたのでしょうか…?」
「…………。」
クラーケンが物凄い顔をしている。
「もう良いです!アイスキャノン!」
「いやああああああああああああ」
サンガー、凍結。
「ペガサスさん、僕を捕まえて飛んでください。空から消火します。」
「解った」
ペガサスとクラーケンは空に向かった。
米軍。
「ワオ!ヒトガソラヲトンデル!」
「コノアツサデオレタチイカレチマッタカ?」
クラーケンは上空で四対の腕を出した。
「ギガウェーブ!」
四倍のギガウェーブが〇地区へと振りかかる。
だが。
「消えないな、クラーケン」
「ペガサスさんがガーディとかするから…」
なんと、ガーディされたビルに点いている炎はそれと同じ防御力を持っている、という事が判明した。
クラーケンとペガサスは屋上に降りた。
「無理でした」
「どうする?」
「奥義やりますか」
「そうだな」
久しぶりの奥義である。
「起きろサンガー!」
「…う…。」
「いきますよ」
サンガーが本能的に奥義の結界を描く。
「総力奥義!」
『主は水の覇者』
「出でよ水鞘!」
水鞘が大量の水をぶっかける。
「もうちょっとです!」
米軍。
「オクトパス!キョダイナオクトパス!」
「ツイニシヌンダオレタチモ!」
消えた。
「消えましたね…。」
「だってフォーウ取り消したもん」
サンガーが真面目に言った。
「テラフレア!」
「アイスキャノン!」
「ギガポイズン!」
「ギガクラック!」
「いやあああああああああああああああああああああああ!」
「ねぇ、何度も言うけどペガサス、アンタ洒落にならないからね!?飲み込まなかったから良かったけど!」
サンガーが激怒している。
「お前が悪いんだよバーカ」
フェニックスが返した。
「皆さん…ちょっと周り見てください…。ヤバイですよ…。」
ヘリコプターが何十台も五人を取り囲んでいる。
『…する!素直に降伏せよ!繰り返す!お前達を逮捕する!素直に降伏せよ!』
「あれまぁ」
サンガーがビックリ仰天ひっくり返る。
ただ一人冷静な男が、
「バジリスク」
「ど、どうしたフェニックス…?」
「ロックハーデン出せや」
「…解った。
ロックハーデン!」
ヘリコプター、全機不動。
『こらー!何してる!逃げるなー!畜生、動かねー!』
「逃げるぞ諸君!」
「おー!」
フェニックスがサンガーを、ペガサスがクラーケン、バジリスクを持って逃走。
五人とも地上界で指名手配犯になった。
「フェニックス、行く当てあるか?」
「無い。誰かあるか?」
「一つだけ」
クラーケンが言った。




