二百年大修行 終
バジリスクはある部屋に着いた。
「ここは集合場所じゃないが、皆はここで待っといてくれ」
「なんだよ、ついてっちゃ駄目なのか」
「やめておけ歳。仲間で水入らずの話もしたかろう」
「じゃあ、行ってくる。後でな」
バジリスクは集合場所に向かった。
バジリスクが行くと、五人は近くに二人、人がいるのを感じた。
「近藤さん、誰かいるよ」
「ん…総司か…。どれ…。」
確かに、ドアの向こうに二人見える。
男女一人ずつ。
「本当だ。歳、様子を見に行こう」
近藤土方は部屋を出た。
「こんにちは」
「どうも」
近藤土方が挨拶すると、振り向いた。
「あ、あなた達は…?」
「わしは近藤勇。こっちは土方歳三だ」
「私はツルギ。こちらはリュウです」
「初めまして。もしかして…あなた達も五人の誰かについて来たの?」
「む…五人とはバジリスクくん達の事かな?」
「うん」
「俺達はバジリスクについてきた」
「へー。僕はフェニックスに、彼女はペガサスについてきているんだ」
「ほぉ、お仲間の中にはフェニックス、ペガサスというのがおるのか」
「私達は見事に置いていかれましたね」
ツルギがしょぼんと言う。
「まぁまぁ、落ち込まずにツルギ殿。」
「今頃、どんな話をしているのかな」
「リュウ殿、そなたはまだ若いな」
「ああ、フェニックスって人も同じぐらいだよ」
「ふーん、一人だけ若いのか」
土方がそう言っていると、沖田達三人も出てきた。
「近藤さん、あなたの連れは多いですね…。」
「ハッハッハ、ツルギ殿、彼らは右から沖田総司、斎藤一、山南敬助と言います」
「初めまして」
沖田が代表して挨拶した。
続けて、
「ツルギさん、だっけ」
「そうですが、どうしました、沖田さん?」
「悲しい顔をしてるね」
「…………。」
「どうかしたの?」
「タマといって…私の三つ子の姉妹なんですが…フェニックスさんに反逆して殺されたとリュウさんに聞きました…。」
「姉妹が、反逆して殺された?」
「はい…。」
「それは…残念だね…。」
リュウが続けた。
「しかも、タマさんの協力者はフェニックス君のお父さんなんだ」
試衛館一同唖然とする。
沖田代表、
「ちょっと待って?ツルギさんの三つ子の姉妹がフェニックスくんの父親と協力してフェニックスくんを殺そうとしたけど逆にタマさんは殺されちゃったってこと?」
ワンブレスである。
「そうです」
「じゃあ、フェニックスくんのお父さんはどうなったの?」
「フェニックス君を守るために死んだよ」
リュウの解答。
「はい?フェニックスくんとフェニックスくんの父親は敵対してるんじゃないの?」
「最後に父親としての本能が働いたんだって」
沖田総司、リュウとツルギに完膚なき負けである。
「近藤さん…僕には理解できない…。」
「ハ…ハハハ…。」
二百年大修行、終了。




