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義務教育 終
その夜。
李伊奈はお使いに行っていた。
「あれ、猛くん」
「あ、リーナ」
「猛くんもお使いに?」
「まあな。さっき買った」
「今から帰るの?」
「いや、たこ焼きと馬肉とトラ皮と蛇の脱け殻を拾いに行く」
「…………。」
「じゃあな」
「あ、バイバイ」
フェニックスが行くと、李伊奈は呟いた。
「明日は英語とテニス教えてあげよっ!」
李伊奈はフェニックスに恋心を抱いていた。
家路にて。
「で、どうだったんですか、学校は」
「まずまず。親しいのも一人できたし、一応部活にも入った。テニス部。」
「勉強は?」
「ゲホッ、ゲホン」
「風邪ですか?熱があるかも…」
「久しぶりに頭使ったらアツくなったんだろうよ」
「じゃかぁしい、ペガサス」
「因みに、リーナちゃんとは…。」
「ああ、李伊奈か。顔が似てたんだ。声も。ただ、同じ人じゃあないな」
「そうですか…。」
義務教育、終了。




