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五人の覇者  作者: コウモリ
義務教育
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義務教育(三)

放課後。職員室にて。

「ちゃーす」

フェニックスがまたしても年上に遠慮無い行動を取ろうとしている。今度の相手は、教師だ。さすがに丁寧語は使った。

「文化部に入りたいんスけど」

いや、チャラ語の間違いだったかもしれない。

「なら、その引き出しに色んな部活のパンフレット入ってるよ」

「うっす」

フェニックスがパンフレットを見ていると、古賀先生が話しかけてきた。

「いつから超能力使えるようになったの?」

「一ヶ月前くらいスかねー」

「後の四人って皆成人だったよね?」

「そうッスね。普通にタメ口使ってますけど」

「楽しいだろうなー、お前らみたいに超能力使えたら」

「まあ、二回死にましたけどね」

「…………。」

「おっ、何だこの『UMA研究同好会』って」

「ああ、ウマ研。行ってみると良いよ。面白いことしてるから。気味悪がられて部員は少ないけどね」

「へー…。」






西棟の三階、その教室に彼らはいる。

UMA研究同好会。

通称ウマ研。

因みに、西棟の三階は部室の塊である。

「失礼します」

フェニックスが入る。中には、数名の人がいた。

「何の用だい」

そう言って現れたのは、

「御門!?」

「新入部員、猛君?」

「えっ、いや…。」

すると、奥から二人の女子が出てくる。

「遥!百合!」

「えへへ」

「お前ら部員なのか!?」

「そうだよ」

「もしかして、お前ら三人だけ?」

「…………。」

「図星だな。顧問の先生は?」

理科室にいた先生が現れる。

「僕だよ」

「どぅおわっ」

「さあ、猛君。ウマ研に入るかうさぎ跳百回か選びなさい」

「堂々と脅迫しないで下さい先生」

「お願い、入って…」

遥が手を合わせる。

「ぬぅ…。」






「さて、僕らがやっている事を説明するよ」

理科教師がウキウキした口調で俺に話し出した。因みに、名前は依田らしい。

「月、水曜はSFの小説、漫画からUMAを探し出す。火、木曜はそのUMAについて議論する。この形は物理的に有り得ないとか、これは無駄の無いボディだとかね。皆が気味悪がるのはこの時にUMAのイラストを持って必死に議論してるからだと思うよ。金曜はその一週間で講義したUMAを備考とともに記録する。土日は無しだ。」

「解りました。僕もそれに参加すれば…」

「君の役目は違う」

「え゛」

「君は戦ったモンスターの動画を撮ってくるんだ。勿論、議論にも参加してもらうよ」

「やっぱり僕テニス部に…」

「ウチは文武掛け持ち可能だよ」

「畜生、何で『武』なんだよ」

「テニス部に入るなら入らっしゃい。ただ、ウチにも顔ぐらい見せなよ。あと、顔見せるならモンスターの動画を撮ってきなよ。どうせ撮ってくるなら毎日来なよ。」

「最終的に俺をテニス部の幽霊にするつもりですか」

「幽霊になりたくないならこっち一本に絞りなよ」

「どうせ幽霊になるならこっちでなります」

「ここで幽霊になるつもり?そうなら私が成仏させてあげるわよ」

「残念だけど百合、俺は既に二回死んでるんだ、そんな脅し文句は効かない」

「…!」

「じゃあ、たまには顔見せますよ。とうっ!」

逃げた。






テニスコートにて。

「あれ、猛くん。どうしたの?」

体操服の李伊奈がラケットを持っている。

「やっぱりここ入ろうと思って」

「そう、なら男子は向こうだよ」

ひゅるりら〜。






職員室にて。

「古賀先生」

「どうした」

「入部届けを下さいな」

「はい、ウマ研だね。」

「いえ、テニス部で」

「ウマ研は?」

「見捨てます」

「覇者ともあろ…」

「勘弁してください、覇者にも限度があるんです」

「…………。」

キーンコーンカーンコーン。

「下校時刻か。ほれ、入部届け」

「ありがとうございます。ではさようなら」

「おう」

職員室を出ると、李伊奈がいた。

「猛くん、家は?」

「向こう」

「同じ方向だから一緒帰ろ」

「いいけど…他に帰る人は?」

「断ってきた。」


その頃、テニス部女子は、

「すももの初恋だねぇ。」

「え、すもも好きな人いなかったの?」

「すももは人の内面を見るからイケメンだろうと何だろうと同じように接するの。今日のすももの頬の紅潮ぶりは尋常じゃないわ」

「ほほう、スキルは関係無いと。なら、なんで猛くんが?」

「さあ…内でも凄い奴なんじゃないの?」

「ふーん…。」






校門にて。

「フェニックスちゃーん、迎えに来…」

「テラフレア!!」

燃え盛る四人。

「今の人達って…」

「人?いやいや、蛸と馬と虎と蛇だよ。たこ焼きと馬肉とトラ皮と蛇の脱け殻でもいい。最後のは特にご利益がある」

「…………。」

「フェニックステメエ…。」

「あーん、虎の分際で喋るなよ。さ、行こうかリーナ」

「…うん」

「リーナ?おい、フェニックス…。」

「リーナってあのリーナでしょうか?」

「んなわけは…でもな…。」






「私の家ここ。じゃ、明日ね。」

結局何も喋らなかった。

「じゃあな」

帰り道、フェニックスは考えた。

(同級生と喋るの久しぶりだな…。)


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