↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
時と魔法と  作者: 牡丹
PR
14/17

第14章 秘密の外側

 写真を学校へ提出した日の午後、藤崎彩花は母親とともに校舎を訪れた。


 夏休み中の教室棟には、部活動を終えた生徒の声が遠く響いている。


 彩花たちが通されたのは、職員室に近い小さな面談室だった。


 廊下を挟んだ向かいの空き教室で、透と美月は呼ばれるのを待っていた。


 窓の外では、運動部の生徒が白線を引き直している。


 日差しに焼かれた土の匂いが、開いた窓から入り込んでいた。


「私たちも、最初から一緒に説明を聞いたほうがよかったんじゃないかな」


 美月が言った。


「先生は、まず藤崎さんと家族だけで話すって」


「わかってる。でも、彩花が巻き込まれた理由は私たちなのに」


 美月は机の上で両手を組んでいる。


 昨夜から、同じ言葉を何度も口にしていた。


 自分が祭りへ誘ったから。


 自分の隣に彩花がいたから。


 写真を撮るのを止めなかったから。


 どれも起きた出来事ではある。


 けれど、それを責任と呼ぶのは違う。


「昨日、美月さんが俺に言っただろ」


「何を?」


「悪いのは、勝手に見ていた相手だけだって」


 美月が口を閉じる。


「それ、美月さんにも同じだと思う」


「……人に言うのと、自分で思うのは違うね」


「うん。俺も、まだうまくできない」


 透は扉を見る。


 向かいの面談室から、話し声は聞こえない。


 榊原が、学校へ侵入した不審者と同一人物の可能性があることを説明しているはずだった。


 透の能力については話さない。


 白峰朔も、監視遺物も、3重円の意味も伝えない。


 秘密を知らせなければ、彩花が背負う危険を減らせる。


 昨日までなら、その言葉だけで納得できたかもしれない。


 今は、何かが引っかかった。


「知らないほうが安全って、誰が決めるんだろう」


 透が呟く。


「どういうこと?」


「俺たちは、藤崎さんに秘密を話さないって決めた。でも、藤崎さんは、その話し合いにいなかった」


「能力のことを話すの?」


「それは怖い。知ってる人が増えたら、藤崎さんも今より狙われるかもしれない」


 透は自分の手を見る。


「でも、何も選ばせないまま守るのも、違う気がする」


 白峰朔は、守られるという名目で自由を失った。


 行く場所を決められ、会う相手を決められ、能力を使う終点まで決められた。


 規模も事情も違う。


 それでも、相手のためだと言いながら選択肢を奪う形は似ている。


 美月はしばらく考えていた。


「全部を話すか、何も話さないかだけじゃないと思う」


「間を決めるってこと?」


「うん。彩花が安全のために必要なことは、彩花にも伝える。言えないことがあるなら、ないふりはしない」


「信じてもらえるかな」


「信じてもらうって、全部に納得してもらうことじゃないよ」


 美月は組んでいた手をほどいた。


「納得できないって言うのも、彩花が決めていいことだから」


 面談室の扉が開いた。


 彩花の母親が、榊原とともに廊下へ出てくる。


 いつも写真で見ていた娘の友人たちだと気づき、透と美月へ小さく頭を下げた。


 不安を隠せてはいなかった。


 それでも、責めるような目は向けなかった。


「藤崎さんが、2人と話したいそうです」


 榊原が言った。


「お母様には、職員室で少しお待ちいただきます」


 透と美月は面談室へ入った。


 彩花は長机の向こう側に座っている。


 昨日の浴衣姿ではなく、写真部の白いポロシャツを着ていた。


 机の上には、小型カメラと透明な袋が置かれている。


 袋の中にあるのは、黒い記録カードだった。


「座って」


 彩花が向かいの椅子を示す。


 普段と同じ声だった。


 透と美月が並んで座ると、榊原は扉の近くへ立った。


「先生から、学校へ来た偽物の職員かもしれないって聞いた」


「うん」


 美月が答える。


「生徒の個人情報を勝手に調べようとした人で、学校も前から警戒してたって」


「それは本当です」


 榊原が言った。


「藤崎さんの写真に写った人物は、以前、偽造された身分証を使って校内へ入った人物と特徴が一致しています」


「誰の個人情報を調べてたんですか」


 榊原はすぐに答えなかった。


 彩花の視線が透へ移る。


「久世だよね」


 問いかけではなかった。


 透は榊原を見る。


 榊原は、わずかに頷いた。


「俺の、能力の再検査に関する記録です」


「再検査って、この前の?」


「うん。結果は、能力なしだった」


「でも、あの人は納得してない」


「たぶん」


 嘘は言っていない。


 けれど、真実の中心だけを避けている。


 その形が、透には苦しかった。


 彩花はカメラの端を指でなぞる。


「交差点のこととも、関係ある?」


 美月の肩が小さく動いた。


 透は、あの日の停止した横断歩道を思い出す。


 彩花は、美月の位置が一瞬で変わったところを見ている。


 写真の男は、その映像まで探し出していた。


 無関係だとは言えなかった。


「ある」


 透は答えた。


 美月が隣で息を呑む。


 榊原は止めなかった。


「どんな関係かは、今は話せない。でも、関係はある」


「久世は、何か知ってるんだね」


「全部じゃない。あの男が誰なのかも、まだわかってない」


「美月も?」


「知ってることはある」


 美月は彩花の目を見た。


「でも、私だけで話していいことじゃないの」


「私を信用してないから?」


「違う」


 美月の声が強くなる。


「信用してる。だから、何も考えずに背負わせたくない」


「それ、少しずるいよ」


 彩花は怒鳴らなかった。


 静かな声のほうが、美月には重く届いたようだった。


「背負うかどうかまで、美月が決めるの?」


「……ごめん」


「謝ってほしいんじゃない」


 彩花は透明な袋を机の中央へ押し出した。


「元の写真が入ってる記録カード。昨日の写真だけじゃなくて、祭りで撮ったものが全部入ってる」


「学校に画像は送ってもらいました」


 榊原が言う。


「でも、元のカードも預けます。家に置いておいて盗まれたら嫌だから」


「戻ってこない可能性があります。それでもいいですか」


「同じものは買えます。写真は、もう別に保存しました」


 彩花が一度、言葉を切る。


「安全のために何をするかは、私も決めたいです」


 榊原は椅子を引き、彩花と同じ高さまで腰を下ろした。


「わかりました。この記録カードは、画像とは別の場所で保管します。誰が、いつ扱ったかも記録します」


「お願いします」


「部活動については、どうしますか」


「しばらく1人では動きません。帰りは母に迎えに来てもらいます。でも、写真部は辞めません」


「学校も、辞めるようには求めません」


「撮るのも、やめません」


「公開する前に、位置や一緒に写った人を確認してください。今回の写真は公開しないでください」


「それは守ります」


 彩花は自分で決めたことを、1つずつ言葉にした。


 誰かに決められた規則を読み上げているのではない。


 危険を理解したうえで、残す日常を選んでいる。


 透は、夏祭りへ行くと決めたときの自分を思い出した。


「藤崎さん」


「何?」


「巻き込んで、ごめん」


「それは禁止」


「禁止?」


「昨日、私が撮った写真でしょ。久世がシャッターを押したわけじゃない」


 彩花は美月を見る。


「美月も。誘ったから悪いって言ったら怒るよ」


「もう、少し思ってた」


「顔に出てる」


「彩花には全部わかるの?」


「全部はわからない」


 彩花の表情から、わずかに笑みが消える。


「だから、わからないことを、何もないって言わないでほしい」


 美月はゆっくり頷いた。


「ある。彩花に話せてないことがある」


「うん」


「信用してないからじゃない」


「それも、今は信じる」


「今は?」


「これからの行動で更新されます」


「厳しい」


「親友なので」


 彩花がようやく笑った。


 美月も、泣きそうな顔のまま笑う。


 秘密は消えなかった。


 彩花との間に、見えない境界は残っている。


 それでも、その境界があることだけは、3人で同じように見つめられた。


 面談を終えると、彩花は母親と車で帰った。


 記録カードは、榊原の手から直接、神代へ渡された。


 神代は校内の情報網へ接続していない端末で内容を確認し、画像の複製を2つ作成した。


 1つは学長室の保護領域へ保存する。


 もう1つは、記録カードとともに金属箱へ封印した。


 箱を開けられるのは神代と榊原だけだった。


 その日の夕方、透と美月は地下第二演習室へ呼ばれた。


 長机の上に、白峰朔の操作記録帳はない。


 代わりに、何枚もの古い図面を写した紙が並んでいる。


 中央の画面には、彩花が撮影した集合写真が表示されていた。


 男の手元だけが拡大されている。


「元の記録カードがあって、何かわかったんですか」


 透が尋ねる。


「画像が加工されていないことを、元の媒体から確認できた。識別章の細部も改めて照合した」


 神代が画面へ新しい画像を重ねる。


 3重円の外側に、髪の毛ほど細い切れ目があった。


 粗い画像では傷にしか見えなかった部分だ。


 内側の円にも、異なる位置へ短い切れ目がある。


「この切れ目に意味があるんですか」


 美月が尋ねる。


「器具の種類と番号を示す。白峰朔の管理計画では、同じ識別章を用途ごとに少しずつ変えていた」


 神代は古い図面の1枚を示した。


 円の切れ目が、写真の模様と一致している。


 図面の下には、細い文字が記されていた。


『時間差監視具・第3号』


「監視遺物第3号」


 透が読む。


「ああ。所在不明になった3点のうち、これは第3号で間違いない」


「何を監視する道具なんですか」


「周囲で生じた時間の流れの差を検出するために作られた。白峰朔が管理区域の外で能力を使っていないか確かめる道具だ」


 美月の顔が曇る。


「見張るために、ずっと持たせてたんですか」


「朔本人ではなく、同行する監視官が所持していた。外出先でも、居室でも、訓練中でも使われた記録がある」


「どこにも、1人になれる場所がなかったんだ」


「そうだ」


 銀色の懐中時計は、時間を知るためのものではなかった。


 誰かの時間を、他人が管理するための道具だった。


 透は写真の男を見る。


「これが反応すれば、俺が能力を使ったとわかるんですか」


「可能性は高い。ただし、有効な距離や、停止と退行を区別できるのかまでは資料に残っていない」


「夏祭りでは、使ってません」


「だから男は、針を何度も確認していたのかもしれない」


 透は写真の時刻を見る。


 射的の前。


 石段の下。


 花火が始まる直前。


 どの瞬間にも、男は一定の距離を保っていた。


 近づくためではない。


 監視遺物の範囲から外さないためだった可能性がある。


「この道具を作った人たちが、あの男の仲間なんですか」


「そこまでは断定できない。だが、少なくとも正規の保管場所から渡された物ではない」


 神代は、図面の束から表紙に近い1枚を取り出す。


 そこにも3重円が描かれていた。


 円の下に、部署名がある。


『継時監察室』


「けいじ、かんさつしつ」


 美月が声に出す。


「白峰朔の能力が判明したあと、国家内部へ設置された秘密部署だ」


 神代の声が低くなる。


「目的は『時の番人』の保護、研究、運用、監視。表向きは保護を掲げていたが、実際には朔の生活を管理した中心組織だった」


「学長先生がいた国家魔法局とは別なんですか」


「時代が違う。継時監察室は、現在の国家魔法局が作られるより前の組織だ」


「今も残ってるんですか」


「公式には、残っていない」


 神代は次の紙を置く。


 白峰朔が消えてから11か月後の日付だった。


『対象消失に伴い、継時監察室を解散する』


「解散時の備品台帳には、監視具3点をすべて回収し、分解したと記録されている」


「でも、第3号は残ってる」


「ああ」


「記録が嘘だったんですか」


「最初から分解していない物を、処分済みと記した可能性がある。回収前に持ち出された可能性もある」


 神代は写真と台帳を並べた。


 処分されたはずの道具。


 318年後、その道具を持って現れた男。


「解散した人たちが、そのまま別の組織になった可能性は?」


 透が尋ねる。


「ある。知識と道具を、家や集団の中で受け継いだ可能性もある。だが、今の証拠だけで同じ組織だと決めるべきではない」


「今の国家が、全員敵ってことでもないんですね」


「それは明確に分けて考えなさい」


 神代は強い口調で言った。


「過去の国家が朔へ行ったことと、現在の制度に問題があること。そして、正体不明の集団が違法に君を追っていることは事実だ」


 一度、言葉を切る。


「しかし、国家に属する者がすべて君の敵だと考え始めれば、助けを求められる相手まで失う。恐怖に、判断の範囲を決めさせてはいけない」


「はい」


 透は答えた。


 神代自身も、かつて国家魔法局にいた。


 制度の中にいながら、制度に奪われる子どもを見ていた。


 立場だけで敵と味方を分けることはできない。


「この写真を、警察や中央測定局へ出すことはできないんですか」


 美月が尋ねる。


「不審者の画像としては、すでに必要な範囲で共有している。ただし、遺物の正体までは伝えていない」


「伝えたら、透くんのこともわかるから?」


「監視遺物が今になって運用されている理由を調べれば、次に探されるのは反応対象だ」


「黙って持っているしかないんですね」


「今は、証拠を失わないことを優先する」


 神代は画面を閉じなかった。


「同時に、守り方を変える」


 新しい紙が、透と美月の前へ置かれる。


 夏休み中の行動手順だった。


 透の訓練日時は、当日の朝まで固定しない。


 登校経路と退出経路を毎回変える。


 予定は、4人だけが使う連絡手段で共有する。


 校外で能力を使った場合は、これまでどおり即時報告する。


 緊急性のない場面では、監視されている可能性を考えて使用しない。


 美月、彩花、高瀬を、観測者を誘い出すためのおとりにしない。


 最後の1行を見て、透は顔を上げた。


「おとりにする案があったんですか」


「考えられる手段から、最初に除外した」


「写真の男を追えば、何かわかるかもしれないのに」


「生徒を危険へ置いて得る情報に、守る価値はない」


 神代は迷わずに言った。


「私たちが守ろうとしているのは、能力の秘密だけではない。君たちが自分で選べる生活だ」


 透は、午後の面談室で語った彩花の言葉を思い出す。


 写真部は辞めない。


 撮ることもやめない。


 危険が消えない中で、何を残すかを自分で選んだ。


「訓練は続けるんですか」


「続ける。監視されているからと制御を学ばなければ、いざという時に、より大きな被害を生む」


「でも、ここで能力を使ったら、あの時計にわかりませんか」


「地下第二演習室の遮断は、魔素だけでなく、空間上の位相差も外へ伝えにくくする旧式設備だ。監視遺物を想定したものではないが、これまで校内の観測設備に明確な漏出は出ていない」


「絶対ではない?」


「絶対と言えるものは少ない」


 神代は透の操作記録帳を差し出した。


「だから、記録する。推測と事実を分ける。怖いときほど、確認できたことから判断する」


 透は黒い表紙へ手を置いた。


 秘密を守ることは、何も言わないことではない。


 危険から遠ざけることは、選択肢を奪うことでもない。


 その境界もまた、自分で決めれば終わるものではなかった。


 相手の言葉を聞くたびに、引き直さなければならない。


 演習室を出る前、美月の端末が震えた。


 彩花から、4人の連絡グループへ届いたメッセージだった。


『本日は母の送迎で帰宅しました。写真部は次回から先輩と一緒に移動します』


 続けて、もう1件届く。


『あと、話せない秘密があるからといって、連絡の既読無視は禁止です』


 高瀬が最初に反応した。


『俺にも知らない秘密がある前提なの?』


『高瀬には追試という公開情報があります』


『それは秘密にしてほしかった』


 美月が吹き出した。


「いつもの彩花だ」


「強いな」


「強く見せてる時もあるよ」


 美月は返信欄を開く。


『わかりました。隠していることがあっても、無視はしません』


 少し堅い文章だった。


 すぐに彩花から返る。


『合格』


 透も文字を打った。


『記録カードを預けてくれてありがとう。必ず守ってもらう』


 送信してから、言葉が足りない気がした。


 もう1件送る。


『藤崎さんのことも、勝手に決めないようにする』


 返事が来るまで、少し時間があった。


『それなら久世も、自分のことを1人で決めないように』


 画面を見たまま、透は動けなかった。


「彩花、何て?」


 美月が覗き込む。


 透は端末を見せた。


「正しいね」


「美月さんまで」


「親友なので」


「それ、藤崎さんの言葉だろ」


「借りました」


 美月が笑う。


 秘密を知らないままでも、彩花は透の考えを見抜いていた。


 自分だけが消えればいいと考えやすいこと。


 守るためなら、1人で決めようとすること。


 その危うさは、能力の説明がなくても伝わっていた。


 同じ頃、灰色のスーツの男は、夏祭りで撮影した映像を確認していた。


 窓のない室内には、端末の光しかない。


 画面には、石段へ並ぶ4人が映っている。


 男自身の記録は、監視遺物の反応と透の行動を照合するためのものだった。


 映像を止める。


 藤崎彩花が三脚からカメラを外し、背面の画面を確認している。


 撮影時の向き。


 レンズの範囲。


 自分が立っていた位置。


 男は、別の時刻の映像も開いた。


 駅前で、彩花が美月を撮っている。


 参道で、高瀬が景品を掲げている。


 どちらの背景にも、自分のいた場所が含まれていた。


 故意に撮られた可能性は低い。


 だが、写っていないとは判断できない。


 男は報告欄へ入力する。


『同行者の撮影機器に、観測担当者および監視遺物第3号が記録された可能性あり』


 撮影者の氏名、所属、家族構成を添える。


『画像の回収または消去を申請する』


 返答は、数秒で届いた。


『却下』


 続いて理由が表示される。


『撮影から時間が経過している。複製の所在を確定できない段階での接触は、観測網の存在を証明する』


『撮影者への接触、威圧、記録消去を禁ずる』


 男は、表情を変えずに次の指示を待った。


 新しい文書が開く。


 上部には、現代の行政機関では使われていない3重円が表示されている。


 その下に、古い名称が残っていた。


『継時監察記録』


 318年前に解散したはずの部署を示す名称だった。


 文書の末尾へ、1人分の欄が追加される。


『藤崎彩花。追加関連人物として登録』


『学校側の保護反応を観測し、候補者との情報共有範囲を特定せよ』


 男は命令を受領した。


 触れない。


 消さない。


 ただ、誰が彩花を迎えに来るのか。


 誰が連絡を取り、どの扉へ入れるのか。


 守ろうとする人間の動きから、秘密の形を測る。


 透たちは、彩花を秘密の外側に残したつもりでいた。


 その名前はすでに、318年間消えなかった記録の内側へ書き加えられていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。