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異世界ふぁみりぃ ~のんびり異世界生活~  作者: すぱ☆たま
ぜルディア帝国

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第53話 SOS

ある日の朝。

ウェーノ家のリビングは、いつもとは明らかに違う、どこか重く落ち着かない空気に包まれていた。


朝食の席につきながら、ソーヤが腕を組み、難しい顔をして口を開く。


「……なぁ、やっぱり……セレスティアの様子、どう考えてもおかしいよな……?」


「うん。最近、メッセージを送っても全然返ってこないし、来ても一言だけだし……。」


リルが心配そうに眉を寄せ、手元に置いたスマホを見つめる。

隣に座るミラも静かに頷いた。


「……風の便りでも……セレスティアの“心の揺れ”が、前よりずっと強くなってるのがわかる……。すごく、悲しそうな気配……。」


アインはエプロン姿のまま、心配そうに両手を胸に当てた。


「この間のピクニックだって、あの子なら何があっても大喜びで飛んできそうなのに、お断りするなんて……。あの子、絶対に一人で無理して何か抱え込んでる気がするのよね〜。」


その言葉を聞き、トーヤも真剣な、父親としての厳しい表情を浮かべて全員を見渡した。


「よし。こうして悩んでいても始まらないな。急な話だが、今日はこれから王都へ行こう。セレスティアの様子を直接確かめに。」


「「大賛成!」」


ユーヤとソーヤが即座に立ち上がり、賛同の声を上げる。

リビングの隅にいたクロとハクも、留守番は嫌だと言わんばかりに元気よく翼を広げた。


「僕たちも行く! みんなでセレスティアのところに行こう!」


「みんなで行く〜!」


さらに、お皿を片付けていたリィナも、静かに手を挙げてユーヤの隣に並んだ。


「……マスター、私も同行を希望します。ウェーノ家の大切な友人であるセレスティア王女様には、まだ直接ご挨拶ができておりません。私もお力になりたいです。」


アインはそんなリィナの言葉に優しく微笑みかけた。


「ありがとう、リィナちゃん。心強いわ。それじゃあ、さっそくみんなで準備して行きましょうか。」



それぞれが準備を終え、トーヤが《ワープゲート》を開く。

パキィィィン! と空間がガラスのように激しく裂け、その奥にアトレイア王城の内部へと直接つながる、眩い光の道が具現化したまさにその時。


ピコンッ! ピコピコンッ!

静かなリビングに、全員のスマホの着信音が同時に、不気味なほど鋭く響き渡った。

嫌な予感を覚えながら、ユーヤが素早く画面を開く。

そこにあったのは、いつも通りの絵文字だらけの賑やかな文章ではなく――たった一言だけの、震えるようなメッセージだった。


『助けて……みんな……お願い……。』


「……っ、セレスティア姉ちゃん……!?」


ユーヤの顔から一瞬で血の気が引いた。


「これは……ただ事じゃないな。あのセレスティアがこんな短いSOSを送ってくるなんて……!」


ソーヤもすぐさま戦闘態勢に入るように表情を引き締める。

全員が今すぐにでもゲートへ飛び込もうとしたその時、トーヤが鋭い声で制した。


「待て。全員で行きたいところだが……この空気、嫌な予感がする。王都で何が起きているか分からない以上、どんな危険があるかわからない!」


トーヤは即座に、かつ冷静に状況を判断し、指示を下した。


「今回は俺たち四人で行く。リル、ミラ、リィナ、そしてクロとハクは村で待機だ。セレスティアのことは心配だろうが、留守番を頼めるか?」


その言葉に、リルは悔しそうに唇を噛んだが、すぐに真剣な目で頷いた。


「……わかった。トーヤがそう言うなら、私たちはここに残る。でも、何かあったら……すぐに私たちを呼んで。」


ミラも静かに、けれど強い意志を瞳に宿して言う。


「……気をつけてね。みんな、絶対に無事で戻ってきてね……。」


クロとハクも、心配そうにトーヤたちの足元に寄り添う。


「気を付けてね……。セレスティアを助けてあげて……。」


「……絶対帰ってきてね……。」


トーヤはニ匹の頭を優しく撫で、安心させるように微笑んだ。


「ああ、大丈夫だ。すぐに元気なセレスティアを連れて戻ってくるよ。」


アインもいつもの穏やかな笑顔を引っ込め、女神のような凛とした表情で頷いた。


「そうね……。私もなんだか嫌な気配を感じるわ。トーヤさん、行きましょう。」


「ああ……。」


「行くぞ!」


トーヤの合図と共に、ウェーノ家の四人は一切の迷いなく、光の渦の中へと飛び込んでいった。


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