第3話 ドラゴン登場!そして、新しい家族の誕生!
ドォォーン!
という、衝撃とともに、十夜はベッドで目を覚ました。
「何事だ!何か爆発でも起こったのか?」
すぐにベッドから飛び起きて、家の外へ飛び出した!
ドアを開けてすぐに目に飛び込んできた光景に十夜は驚きを隠せなかった。
なんと十夜が安全のために魔法で張っておいたバリアに、黒いドラゴンが体当たりやブレスを繰り返していたのである。
「こういう事態があるとやっぱり異世界なんだなと思わされるな。」
バリアはそう簡単には壊れなさそうだが、どうやって追い払おうかと十夜が考えていると、
「こいつなかなかしぶといな。」
「次はこれだ!レーザー銃をくらえ!」
「俺はこれ!」
と、兄弟がそれぞれドラゴンに攻撃を仕掛けていた。
創也は植物をロープのように変形させて、ドラゴンの全身を絡めとり、地面に叩き落とし、遊也はすかさず召喚したレーザー銃で攻撃していた。
(おいおい。何やってんだあいつら。ドラゴンを刺激するんじゃないよ!)
(バリアがあるとはいえ、何が起こるかわからない。早くあいつらを止めないと…。)
十夜が兄弟に近づこうとして、あることに気付く。
(そういえば、こちらの攻撃はバリアを通して、ドラゴンに当たっているのに、ドラゴンの攻撃はバリアに防がれているな。)
(それであれば、バリアが壊れない限りは安全か?)
いつもの癖で、十夜が考え込み始めていると、
「まぁ、かわいそうじゃない。」
「動物には優しくしなさいって言ったでしょ。」
と家から出てきた愛が、兄弟たちを窘めている。
「動物って言ってもドラゴンだし、家や畑が壊されたら困るじゃん。」
「そうだよ!暴れる前にやっつけないと。」
と、創也、遊也が答えている。
「この子はそんなことしないわよ。」
「かわいそうに。よしよし。痛かったよねぇ?」
愛がドラゴンに近づき、頭をなでると、猫なで声ならぬ、ドラゴなで声で愛に甘えている。
「キュルルル……」
「ほら。かわいいでしょ♡」
「ドラゴンがなついてる…。」
「やっぱり、母さんが最強だね。」
もはや兄弟もこの状況を理解するのを放棄していた。
「一緒に暮らしたいみたいだから、名前を付けてあげないとね。」
「黒いドラゴンだから…、クロちゃん!」
と愛がドラゴンに名前を付けた瞬間、ドラゴンの体から、目を開けていられないほどのまばゆい光が放たれた。
「あぁ~、まぶしかった。いったい何だったのかしら?」
「あら?クロちゃんはどこに行ったのかしら?」
愛が言うように、黒いドラゴンの姿がどこにも見当たらなかった。
すると、急に耳元から、
「キュイ!」
という声が聞こえ、左肩に小さな黒いドラゴンが乗っかっていた。
「もしかして、クロちゃん?」
と愛がドラゴンに話しかけると、
「キュイィー。」
とドラゴンが頷いている。
それを見ていた兄弟は、
「母さんがドラゴンまでテイムしちゃったよ…。」
「母さんチートすぎない?」
と口々に漏らしていた。
「新たな家族が増えたな。クロ。これからよろしくな。お前たちも仲良くするんだぞ。」
十夜がドラゴンと兄弟に話かけると、
「キュイー。」
と言って、ドラゴンが愛の方から飛び立ち、兄弟の間を飛び回っていた。
「さっきは攻撃してごめんな。」
「これからよろしく!」
「さっそく一緒に遊ぼうよ!」
とドラゴンに話しかけると、
「キュイィィー。」
と言って、遊也の頭の上に止まった。
「遊也、なめられてんじゃね?」
と創也がからかうと、
「もう。降りてよ~。」
という遊也の言葉を無視して、ドラゴンは毛づくろいならぬ、羽づくろいをしている。
「遊也の空っぽの頭がよほど居心地がいいんだな。」
と創也が追い打ちをかけると、
「なんだと~。」
と逃げる創也を追いかけ回している。
その二人のやり取りを全く気にする様子もなく、ドラゴンは遊也の頭の上で眠り始めていた。
こうして、上野家に新たな家族が増え、平和な異世界生活は続くのであった。




