表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/125

第8話 幼馴染

 高橋雪夜と夏目真衣は、次の勧誘相手のもとへ向かっていた。


 その相手とは――

 雪夜の幼馴染、新井元気である。


「……という訳で」


 雪夜は、改めて頭を下げた。


「野球部に入ってくれないかな、元気」


「えーっ……やだよぉ」


 即答だった。


「そこを何とか頼むよ、元気」


「そんなこと言われてもなぁ」


 元気は困ったように頭をかいた。


「唯ちゃんがいないのに、野球部に入っても意味ないしさぁ」


「それは分かってる」


 雪夜は、真剣な表情で言った。


「それでも……頼む」


「何を言われても、オイラは野球部には入らないよ」


「……うーん」


 雪夜は思わず唸った。


「困ったなぁ……」


 その時だった。


「元ちゃん」


 二人の間に、すっと入ってきた人物がいた。


「……唯ちゃん」


 元気が目を見開く。


「元ちゃん、野球部に入りなよ」


「えっ……でも、オイラは唯ちゃんと野球がしたいから……」


「いいかな、元ちゃん」


「なんだい、唯ちゃん」


 小山唯は、少し真面目な顔になって言った。


「私と元ちゃんは、将来、結婚するでしょう?」


「う、うん……」


「もし元ちゃんがプロ野球選手になったら、お金もあるし、結婚式もできるし、子育ても楽になるし……」


 一息ついて、はっきりと言う。


「だから、元ちゃん。プロ野球選手を目指してほしいの」


 元気は、しばらく黙っていたが――

 やがて、力強く頷いた。


「……分かった」


 そして、満面の笑みで宣言する。


「オイラ、野球部に入ってプロ野球選手を目指すよ!

 そして、唯ちゃんを幸せにする!」


「それでこそ、元ちゃんだよ」


 唯は、安心したように微笑んだ。


「雪夜」


 元気は振り返って言った。


「オイラ、野球部に入るよ」


「ありがとう、元気」


 雪夜は、心からそう答えた。


 こうして、新井元気は東鶴間高校野球部の一員となった。


 その様子を見ながら、

 高橋雪夜と夏目真衣、そして小山唯は、心の中で同時に思っていた。


 ――単純だなぁ……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ