↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
167/325

第167話 二回戦、発表

 県大会二回戦前日――。


 東鶴間高校野球部の部室には、静かな緊張感が流れていた。


 一回戦を突破したことで、少しだけ自信はついた。


 だが同時に、ここから先は簡単には勝てないことも、全員が理解していた。


 そんな中――。


 監督の九条咲が、部員たちの前に立った。


「それでは、二回戦のスタメンを発表する」


 部室の空気が張り詰める。


 咲は静かに名前を読み上げていった。


「一番、セカンド、高柳龍二郎」


「二番、キャッチャー、高橋雪夜」


「三番、センター、新井元気」


「四番、ピッチャー、天宮真十郎」


「五番、ファースト、浮田総二」


「六番、サード、竹田栄司」


「七番、ショート、進藤竜也」


「八番、レフト、早田士郎」


「九番、ライト、六条遊人」


 そして最後に、咲は言った。


「以上が、二回戦のスタメンとなる」


 雪夜と天宮。


 ついに、そのバッテリーが正式に先発となった。


 部員たちは静かに頷いていた。


 その中で――。


 正捕手の中山太郎は、少しだけ拳を握っていた。


 悔しくないわけがない。


 正捕手である自分が、スタメンから外れたのだから。


 だが中山は、ゆっくり立ち上がると、雪夜の前まで歩いていった。


「高橋……俺の分も、頑張ってくれ」


 その声に、雪夜は真っ直ぐ頷く。


「はい、頑張ります」


 中山は小さく笑った。


 本当は悔しい。


 それでも、野球は一人でやるものではない。


 チームで戦うスポーツだ。


 そして何より――。


 以前、九条咲が言っていた。


『田中と中山、天宮と雪夜。このバッテリーは固定する』


 その言葉を、中山は覚えていた。


 天宮とは組めない。


 だが、それでも。


 監督は自分を“正捕手”と言ってくれた。


 ならば――。


 また、自分が必要になる時が来る。


 中山は、それを信じていた。


 一方、雪夜も中山の想いを感じていた。


(中山さんの分も……絶対に勝たないといけない)


 そう思いながら、静かに拳を握る。


 そして――。


 県大会二回戦。


 東鶴間高校の新たな戦いが、始まろうとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。