第136話 桜桜花戦、六回の攻防
六回表――
東鶴間高校の攻撃。
四番・浮田総二。
左打席。
だが――
本気を出した金村兄弟の前では、総二でも通用しなかった。
打球は転がる。
セカンドゴロ。
アウト。
続く五番・竹田栄司。
フルスイング――
空振り。
三振。
六番・進藤竜也。
食らいつくが――
結果は同じだった。
空振り三振。
三者凡退。
東鶴間打線は、完全に沈黙していた。
六回裏――
桜桜花高校の攻撃。
九番打者へと回る次の回。
東鶴間ベンチが動く。
監督・九条咲。
「……伯方、行けるか」
伯方歩夢は、軽く手を上げた。
「は〜い、頑張ります」
マウンドへ。
捕手・高橋雪夜が声をかける。
「歩夢、気楽に行こう」
歩夢は、にこりと笑って頷いた。
七番・上田荘二郎。
右打席。
初球。
内角ストレート。
見逃し――ストライク。
(……130キロくらいか。そこそこだな)
上田は、そう判断した。
二球目。
外角――高速スライダー。
ストレートと見紛うキレ。
振る。
空振り。
ツーストライク。
三球目。
低め――スローカーブ。
完全にタイミングを外す。
バットは、空を切る。
空振り三振。
八番・安藤涼一郎。
九番・後藤大和。
連続で打ち取り――
チェンジ。
三者凡退。
無失点。
雪夜は、軽くミットを叩いた。
「歩夢、ナイスピッチング」
歩夢は、少し照れたように笑う。
「ありがとうございます。雪夜さんの配球のおかげですよ」
そして――
七回表。
試合は、終盤へ。
この回の打席には――
八番・高橋雪夜。
九番・伯方歩夢。
ここから――
東鶴間の反撃が、始まろうとしていた。




