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異世界転生しました!・・・で、私は誰?  作者: 高坂ナツキ
ざまあ編+エピローグ

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88/92

88 行動と叱責(メアリー編)

 入学式の後は騒ぎがあったとかでAクラスに行くための通路が通れなくって断念したけど、今日こそはAクラスに行って悪役令嬢にビシッと言ってやんなきゃ!

 こんなに好き勝手してる悪役令嬢なんだもん、他の人だって迷惑してるだろうし、みんなも私の見方になってくれるよね。


「どうして、彼を解放してあげないんですかっ!?」


 Aクラスにたどり着いて、早々に私はクラス中に聞こえるように涙ながらに叫んだ。

 確か春キミの悪役令嬢は公爵令嬢って設定だったはずだし、なるべく同情を誘っておかないとね。

 ……え? 涙? 涙なんて簡単に流せるでしょ。前世の時から同情を誘いたい時は、涙を流しながら訴えたもんだしね。


「お嬢さん、どちらかと勘違いしていませんか? こちらはAクラスですよ?」


 うわっ! イケメンだっ! ロバート様ほどじゃないけど、この男の子もイケメンね。

 ま、アニメでは見かけたことがないからモブなんだろうけど、結構好みのタイプかも。

 というか、この世界ってモブもイケメンが多いのよね。目移りしちゃうなぁ。


「このクラスの中に私の恋人を誘惑している人がいるんですっ! 彼は子供のころに決めた婚約なんて嫌だって言っているのに別れてくれないって!」


 なんて、本当はヒーローにも悪役令嬢にも会ったことがないけれど、物語のストーリー通りなんだから問題ないでしょ?

 とにかく同情を引くようにいろいろとお話ししてみたんだけど、どうしてかしら?

 いつの間にか先生がやってきていて、私は先生に連れられてAクラスから退出させられて、指導室に連れていかれてしまった。


「で、キミが第二王子殿下と恋仲というのは本当なのかね?」


「もちろんです!」


「なるほど……どこで出会ったのだ? キミは男爵令嬢……申し訳ないが、第二王子殿下と出会えるような身分ではないが?」


「クラスの人にイジメられている時に私を慰めてくれたのがロバート様だったんです!」


「は? クラスの人にイジメられた? キミは新入生だろう? 入学初日にイジメられたのか?」


「あっ!? ……えっと、それはその」


「そもそも、入学式の直後に騒ぎを起こした第二王子殿下は、スケジュールの説明が終了し次第、王宮に直帰されたが、いったいどこで慰めたんだ?」


「…………」


 なによそれ! 私は知らないし、アニメでもそんなストーリーじゃなかったでしょ!

 クラスメイト達が私のことをイジメてこなかった時点で変だとは思っていたけど、道理でストーリー通りに噴水の前で待っていてもロバート様が来ないわけだわ!

 なによ! これも悪役令嬢の仕業なのっ!?


「困ったら黙るのか。まあいい。騒ぎを起こしたことは、キミの両親だけでなく王宮にも報告させてもらうからな」


「はい?」


「当たり前だろう? キミは多くの貴族子弟の前で王子の恋人を詐称したのだ。ご両親はもとより、王宮への報告義務も出てくるだろう」


「詐称だなんて人聞きの悪い! 私は本当にロバート様の恋人になるんです!」


「なる……ということは、今はそうではないということだろう? それなのに教室内で、あれだけ恋人だと騒いでいたことへの反省はないのか?」


「だ……だって」


 だって、私は本当にロバート様の……王子の恋人になって幸せになるの!!

 それは物語の規定事項なんだから、少しくらい先取りで恋人って言って何が悪いのよ!

 ホント! 教師だか何だか知らないけど、アニメにも出てこないモブの分際で私の邪魔をしないでよね!


「反省の色なし……今日は帰ってよろしい。後はブラウン男爵と直接話をつける」


 そう言うと、教師は私を指導室から追い出した。なによあれ!

 窓の外を見れば、既に夕暮れ時となっていて、学校の中には人の気配がほとんどない。

 Aクラスにもロバート様はいなかったし、今日は帰るしかないかぁ。


「メアリー! いったいどういうことなんだ!?」


 馬車に揺られて家に着くと、玄関先でお父様に問い詰められる。なによ、慌てちゃって。


「お父様、ただいま戻りました」


「挨拶はいい! いったい、王立学園で何をやらかしたんだ!?」


「何を?」


「先ほど、王立学園の教師がやってきて、メアリーが問題を起こしたと……第二王子殿下の恋人を詐称したと報告してきた!」


「ああ、そのことですか。……お父様、詐称ではありません。私はロバート様の恋人となるのです」


「何を戯けたことを! 男爵令嬢が第二王子殿下の恋人になどなれるわけがないだろう!」


 カチン。お父様の言葉に、これまで我慢していた私の中の何かが切れたような気がする。


「お父様は差別主義者なのですか? 恋人になるのに男爵令嬢だのなんだの、関係ないでしょう?」


「あるに決まってるだろう! 差別ではなく区別だ! 王族の伴侶となれるのは上位貴族だけ! 子供でも知っている常識だ!」


「私には光属性の魔法があるのです! 世界樹を守れるのは私だけなのですよ!」


「何の話だ!? 光属性!? 魔法!? 世界樹!? どれもこれも聞いたことない単語ばかりだが、誰から吹き込まれた!?」

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