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転生ぬいぐるみ、俺は〈十八〉の全女ソウルライクBOSSたちに真の終局をもたらす!  作者: 野間羊
第6巻 ヴィロシ編

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第15章 灰と真実

 加速が止んだ。


 教会に戻ると、周囲は不自然なほど静かだった——コーラの槌が鉄床に落ちる速度は正常に戻り、シエルの手も同じものを繰り返し手に取っては置くことをやめていた。空気のあの引き伸ばされたような緊迫感も消えていた。


「加速が止まりましたね、リリィ。本当にありがとう。」


 朔の声が石の台座から聞こえてくる。いつもより少し軽い。


「どういたしまして。でもこれは俺の手柄じゃない。」 腰の刺剣を撫でる。「この剣があっても、まだヴィロシ様には追いつけなかった。」


 もちろん質問はする。でもあまり直接的にすぎないように。朔の前で「様」付けで呼ぶのはもう慣れていた。少なくとも態度としては、問い詰めていると思われたくなかった。


「追いつけなかったのに、どうやって彼女を倒したんだ?」

「思いがけない助っ人だ。」 一瞬間を置く。「あの女神の像がヴィロシ様が近づいた時に自分で割れたんだ。中から風が出てきて、刺剣を送り出した。」


 朔が一瞬沈黙した:「……女神の像? そんなはずはない。彼女はずっとヴィロシ様の味方だったんじゃないのか?」

「俺も変だと思った。」 彼女を見る。「まるで右手が善行をし、左手が悪行をしているみたいだな……守護者様。」


 言ってから少し後悔した。朔の体から灰が落ちているのが見えた——さっきより少し多くなっている。でもそれは世界の移り変わりによるものじゃない。彼女はただそこに立っていて、動かなかった。


「……すまない。」 付け加えた。「そういう意味じゃなかった。」


 朔はそれに応じなかった。長い間俺を見つめ、もう口を開かないのかと思った。


「まずは隠していたことを謝るわ、リリィ。」 声がさっきより少し軽くなった。「でもそんな呼び方はやめてほしい。」

「ごめん、朔。」 声を低くした。「ヴィロシ様からいくつか話を聞いただけだ。君と距離を置きたいわけじゃない。」


 朔は一瞥し、それからそっとため息をついたようだった。

「ヴィロシは苦しみを受けてきた。あなたにもわかるはずだ。」

「わかってる。」

「そして風に追いつける完全体の彼女は、英雄の本分に反することをずっと続けてきた。だから自分がなぜ輪廻の世界に送られたのか、彼女自身がわかっていなかったんだ。ずっと私が彼女を出さないようにしていると思っていた。」


 朔が話す時、その声はどんどん小さくなっていく。俺は彼女を見つめながら、自分が考えていたことがあまりに単純だったと思った。


 彼女はヴィロシを罰しているんじゃない。彼女が自分で気づくのを待っているんだ。


「でも……」 聞き方を変えた。「朔、君は彼女たちの力を抑えられるんだろ? それなら輪廻世界そのものは君自身で安定させられるはずだ。なぜまだ俺が必要なんだ?」

「誤解しないでほしい、リリィ。」 朔は首を振った。「私にはそんなに大きな権限はない。たとえヴィロシ様の力の一部を剥奪したとしても、その力はまだ輪廻世界を蝕み続けている。教会がまだ加速の影響を受けているのは、それが彼女の能力の一部だからだ——私はそれを二つに分けて、この世界の別々の場所に置いただけにすぎない。」


「それにあなたも見た通りだ。」 彼女は続ける。「どこからともなく現れる助っ人たち——あなたも含めて——彼女が力を取り戻すのを手伝わなければ、本当に【名無しの遺燼】を手に入れられなかっただろう?」


「では女神の像は?」

「最初は、それが生き物だとは思っていなかった。」 朔は言う。「でももしあれがあなたを助けたなら……ヴィロシ様の精神的な傷は完全に幻覚ではなかったということだ。でもあのものは、あなたに虫をくれたあの人と同じように、他の人々に影響を与え続けている。彼女たちがどこから来たのかは——私にも確かにはわからない。」

「これは朔の輪廻世界だ。」 俺は言う。「なのにわからないのか?」

「来たい者は来られる。この世界には禁令がないからだ。もし私と同等か、それ以上の力を持つ者がいれば、その者は自由に行き来できる。」

「つまり——」 ゆっくりと言う。「ここには朔が知らない人間もいるってことか?」

「そうだ。」 朔は俺を見る。「確かに誰かが行き来しているのを知っている。あなたも会ったことがあるはずだ——あの様々な世界に現れる『大師』だ。」

「大師? 朔は彼女を知っているのか?」

「まあね。」 朔はとても軽く言った。「彼女はずっと自分のことをしている。私には彼女を制限できない。ただ見ているだけだ。」


 その「まあね」が何を意味するのか、俺にはわからなかった。友人なのか? それともただそういう人物がいることを知っているだけなのか? 彼女は曖昧に言っていて、深くは聞かなかった。


 たぶん彼女は言葉をはっきりさせたくなかったのだろう。


 その言葉はしまっておいて、今は考えないことにした。


「じゃあ朔、先に用事を済ませるよ。」 言った。「まだやることがある。」

「もちろん。」 朔はもう石の台座の方へ歩いていた。「加速が長く祈りを妨げていた。」


 彼女は台座の前に跪き、目を閉じた。体から落ちる灰はさっきより少なくなっていたが、それでもまだ落ちている。


 振り返って、二歩歩いて、立ち止まった。


 もう一度振り返った。彼女はこちらを振り返らなかった。


「……また次も聞きに来る。」


 彼女は答えなかった。向き直って扉を押し開けて外に出た。


 バッグからあの紙を取り出して、シエルを探した。


「これは何?」 シエルが受け取り、広げて目を輝かせた。「おおお、私の日記だ! ありがとう、可愛いリリィが唯一の日記を届けてくれて。」


 彼女はうつむいて数ページめくり、また閉じた。

「でもここに書いてあることは全部誤解だよ。」

「何が?」

「あの時、コーラに見覚えがあるなんて思っていたなんて。」 彼女は手を振った。「完全に錯覚だ。私が探している人は、まだ後ろにいるはずだ。彼女もきっとこの世界に来ているはずだ。ただ隠れているだけだ——私は彼女に話を聞きに行くつもりだ。」

「何の話だ?」

「なぜ世界を滅ぼしたのか?」 シエルの口調が速くなった。「明らかに世界に一番の被害をもたらしたのは彼女なのに、なぜ彼女が勝手にみんなのために決めるんだ?」


【今わかった。シエルが探している人はどうやら二人いるようだ。一人は彼女の世界を滅ぼした暴君、もう一人は彼女の幼馴染だ。彼女は俺がその幼馴染だと思っている。】


 彼女を見る。彼女が俺に向けて笑う様子は、明らかに人違いだ。でも俺も彼女も同じ世界の人間じゃない。この誤解はずっと前から始まっていた。


 彼女が言う「世界を滅ぼした」暴君が誰なのかはわからない。コーラかどうかは確かじゃない。コーラは確かに自分の過去をあまり話さないが、理由もなく世界を破壊するような人間には見えない。


 でもこれは俺が言うべきことじゃない。彼女が人違いをしている相手は俺で、彼女が探している人物が誰であれ、彼女自身が思い出さなければならない。


「でももう一人、探している人がいるんだ。」 シエルの口調が急に少し軽くなった。「もうすぐそこまで来ている気がする。」


 そこで彼女はふと俺に向かって笑った。

【違う……俺に向かって笑うなよ。お前が探しているのは俺じゃない。】


「リリィ」 コーラの声が鉄床の方から聞こえた。「鎧が直った。試着するか?」

【ありがとう、コーラ。でも君が口を開かなければ、彼女に親戚扱いされるところだった。】


「ああ、すぐ行く。」


 振り返ってコーラの方へ歩いていく。鎧は磨き直され、関節部分は補強され、肩甲も新しいものに替わっていた。着てみると確かに前より少し重くなっていたが、十分に丈夫だ。


 次の輪廻ではもう速度を追いかける必要はない。ヴィロシの前に戻って、彼女の遺燼を手に入れるだけだ。


 重い装備でも、大丈夫だろう。

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