第12章 風の中の紙
再び教会に戻ると、風はもう吹き込んでいた。前より速い。篝火が押しつぶされて明滅し、炎が一方向に倒れ、今にも消えそうだった。
考える間もなく炎の中へ踏み込む。火の勢いは弱まり、リセットの速度も落ちていたが、痛みは一瞬だけだった。
「リリィ」 朔の声が石の台座の方から聞こえる。「彼女に対処する方法はもう見つかったのか?」
「ああ。」 腰の刺剣を撫でる。「この剣はヴィロシ様の動きを読める。次は彼女の攻撃を防げる。」
「それならよかった。」
「でも……」 振り返る。「朔はなぜ彼女の力を封印したんだ? 彼女は朔がずっと俺を騙していると言っていた。本当なのか?」
朔はしばらく沈黙し、炎の光がその横顔を照らしていた。「ヴィロシ様はあの女神だけを信じている。そしてあの女神はあまりにも多くの語れないことを経験してきた。だからヴィロシ様が聞いたことが、必ずしも真実とは限らない。」
「では女神は一体誰なんだ?」
「私も彼女が誰かは知らない。ただヴィロシ様は彼女がどのような扱いを受けてきたかを目の当たりにし、彼女を深く憐れんでいる——たとえ彼女がすでに一つの像になってしまったとしても。」
「像になった?」
さらに問い詰めようとしたが、加速が再開した。風が先ほどより強く吹き荒れ、朔の衣と髪が一気に舞い上がり、篝火は地面に押しつけられそうだった。風の音が大きすぎて、自分の声さえも聞こえなくなった。
コーラとシエルももう機械的に同じ動作を繰り返してはいなかった——二人とも避難していた。コーラは本能的にシエルを身の側に庇い、自分の背中で風の来る方向を遮っていた。
そして金色の蛍が彼女たちの背後から飛び出し、乱流を縫って教会の扉の方へ飛んでいった。
【……ようやくお前たちの任務が来たか。】
すぐに追いかける。風は強く、金色の蛍はふらふらと飛び、羽根が折れそうに震えていたが、決して方向を逸らさなかった。
それはヴィロシがいる方向ではなく、先ほどのコースへと導いていった。
【まだ何かあるのか? もう全部走り終えたはずだ。】
ふと、あの分かれ道を思い出した。俺が行った方で杖を手に入れたが、もう一方にはまだ誰も行っていない。あの道の先にも、何かがあるはずだ。
再びスタートラインに立つ。箪笥はもうない。ユニコーン、馬車、あの選手たちは全員元の位置にいるが、誰も動かない。気づいた——金色の蛍が導いているのは確かだが、箪笥がなければ特殊な道具を手に入れるのは確かに難しい。そしてヴィロシが完全な力を取り戻した今、箪笥の役割も終わっていた。
金色の蛍はどの選手も選ばず、ただまっすぐに前に飛んでいった。
翼を広げて追いかける。津波も嵐もなく、コースは一本のまっすぐな通路となり、遠くの風眼へと続いていた。
風眼には竜巻が一本だけ残っていて、他の嵐はすべて消えていた。ヴィロシはもう自分の力を取り戻していた。彼女は速すぎて、風も追いつけない——あの嵐の中に何がある?
しかし金色の蛍はまだ中へ飛んでいく。巻き込まれないのか?
一瞬迷ったが、それでもついていった。回転する風の壁を抜ける時、吹き飛ばされる覚悟をしたが、風は思ったほど強くなかった——まるでただの空殻だけが残っているかのようだった。
風眼の中心で、一枚の紙のようなものが気流の中をゆっくりと漂っていた。
金色の蛍がその前に飛び、光の粒になって散った。俺は急いで手を伸ばして受け止める。広げると、字はコーラのものではなかった。
「初めて彼女を見た時、少し見覚えがあったけど、知っている人ではなかった。守護者様に紹介されて初めてわかった。ずっとついてくるこの変な変態がコーラだと。コーラ……この名前にも少し聞き覚えがある。ずっと探していた人なのかもしれない。」
【……変な変態? コーラがシエルを尾行していたのか?】
一瞬固まり、それから徐々に思い出した。最初の頃、コーラは確かにシエルを変だと言っていた——危険な扉を武器も持たずに出ていくから、彼女がついていくことになったのだ。しかしこの文章の口調は明らかにシエルのものだ。その時彼女はまだコーラのことを覚えていなかった。
どうやら彼女たちはお互いのことを忘れていたようだ。
でもコーラは先に思い出した。
紙を折りたたんでポケットにしまい、風眼から出ようと振り返る。背後から風の音が迫ってくるが、振り返った瞬間、あの風は突然止まった。誰かが一気に押さえつけたかのように。
「……この言うことを聞かない風がようやく消えたな。」
ヴィロシの声が風眼の端から聞こえる。彼女は嵐が消えた場所に立って、まるでずっと待っていたかのようだった。
「小さな子、お前の落とし物はこれか?」
「違う。」 体勢を整える。「でもとても大事なものだ。今回は必ずお前を倒す。」
彼女は短く笑った。本当に面白いと感じたように。「ははは……俺を倒すか。どれだけ進歩したか見せてもらうよ。お前みたいに徐々に俺の速度に追いついてくるやつと一緒に演じるのは、いつだって楽しいんだ。」
彼女が手を上げると、風が再び集まり始めた。
紙をバッグに押し込み、刺剣を握りしめる。




