第11章 風向きが変わった
出てくると、ヴィロシはもう仮面を外していた。
城の外には風に浮かされた人々が宙に舞っていた。まるで地面に戻れない人形たちのように。君主も室内から外へ連れ出され、檻は空中に吊るされていた。彼はその中で丸まり、閉じ込められすぎてまっすぐ立つことを忘れてしまった鳥のように縮こまっていた。
「よく見ておけよ、領主様。」 ヴィロシの声が高いところから降りてくる。「お前がどれだけの災いをみんなに撒き散らしてきたか、じっくり眺めろ。」
「私は……お前は……」
「あいにく聞こえないな。」
「どうして聞こえないんだ——お前にしか奴の言葉は聞き取れない。」
もう彼女の目の前にまで飛び上がっていた。
ヴィロシは見下ろして、まるでまだ立っているべきでないものを見るような目をした。「小さな子、まだ死んでなかったのか。朔が本当にお前を大事に守ってるんだな——それにあのセレスって奴も。」
「俺がどうして影響を受けなかったのか、確かに気になってるよ。」 彼女を見つめる。「それで、お前はどうしてセレスのことを知ってるんだ?」
「お前の姿がどうしてこうなのか、考えたことは? お前とセレスの関係は? 俺より前の連中はお前のことが好きだったんだろ?」 彼女の口調は速く軽い。ずっと言いたかったことを言うように。「だってお前の見た目はセレスの可愛いバージョンだからな。だから俺もそう呼んでるんだ。」
言い終わった時には、もう言葉を失っていた。
「……何て言った?」
「まあ、整理するのを待ってもいいぞ? 時間はたっぷりあるからな。」
「……それで待ってるつもりか?」
「もちろん。」 彼女は笑った。「お前を送り返すのもすぐだしな。お前が教会から出るたびに、この世界はこいつらを全部生き返らせる。実に面白い。」
コースの方を見ると、あの選手たちがまた現れている。ユニコーン、箪笥、一台馬車——全部元の場所に、完璧な状態で。機械音声はまだルールを繰り返し流しているが、誰も走り出そうとしない。まるで止まったループのようだ。
地面に降りて、折れた石柱の上に座った。
彼女の方から風が吹いてくる。気のせいなのか、それとも前のラウンドから戻ってきて感覚が鋭くなったのか——確かに風がこちらに押し寄せている。乾いた冷たい、砕かれたような気配を伴って。
【……彼女は俺の姿がセレスの姿だと言った。でも俺はセレスの顔を見たことがある。水晶の殻に映っていた。その時はそれが彼女だと思った——「俺」じゃないって。でも彼女は、他人から見た俺はセレスの姿だと言う。】
【じゃあコロティアの空間で見た自分は何だったんだ? あの時もそれが「俺」だと思った。セレスじゃないって。】
ふと気づいた——このことをちゃんと考えたことは一度もなかったかもしれない。セレスの顔がどんなものか、自分の顔がどんなものか、それらが同じ顔なのか——並べて比べたことがなかった。
でも今、ヴィロシがそれを並べて比べた。
そして彼女に嘘をつく理由はない。
立ち上がる。風はまだ吹いているが、向きが変わった——正面からではなく、右側から斜めに切り込んでくるようになった。とても微妙な変化だ。まるで俺が何かを考えているのを察して、わざと避けているかのように。
【……風が俺のことを感知できるのか? それとも、俺が風を感じられるようになったのか?】
「……考え終わった?」 彼女が首をかしげる。「そろそろ本気でいくぞ。」
「待ってくれ。」 俺は言った。「まだ考え終わってない。」
しかしもう動いていた——女神の像の方へ。騙したのだ。
彼女の方が速かった。風に乗るように到達し、剣刃が像に触れる前に受け止めた。ぶつかる音はとても軽かった。二枚の金属が同時に震えたかのように。
半歩後退する。刺剣に染み込んだピンク色の液体が、あの風に触れた時、微かに震えた——風の方向を教えている。彼女が来た方向、止まった時に風が散った方向、向きを変えようとする時に気流が先にずれる位置——すべてがその震えを通じて手に伝わる。
前のラウンドと同じだ。しかし今回は先に感じ取れた。
彼女が加速する時、風は先にその方向へ圧し掛かる。彼女の風は生きている、規則性がある。この剣を握っている限り、それを読み取れる。
同時に距離を取った。
「油断してこっそり逃げるなんて、礼儀知らずだな。」 ヴィロシが言う。「どうやら早く家に送り返してやったほうがよさそうだ。」
彼女が動いた。風が先に来た——剣先が彼女の動きを目で追うより先に感知した。今回は彼女の着地点を予測できる。
刺剣を掲げて受ける。刃と刃がぶつかり、衝撃が手首から肩まで伝わる。二歩後退したが、倒れはしなかった。
ヴィロシが元の位置に戻り、一瞬固まった。
「お前——さっき——」
「受けたぞ。」
彼女は目を細め、それから笑った。前より軽い笑い方で、まるで俺が彼女の予想外のことをしたように。
「じゃあ次の一撃は?」
また動いた。今度はもっと速い。風が先に来たが、完全には追いつけなかった——首を切り裂かれ、冷たい感触が走る。彼女を見つめながら、意識を失う直前の一瞬、頭の中に一つだけ考えが浮かんだ。
【次は、受けられる。】




