第9章 日落ちの鍵(ニチラクノカギ)
黒斑豹の低い唸り声はまだ遠くにあったが、その動きは確かに周囲をぐるりと回っているのがわかった。
速すぎず遅すぎず、まるで狩人が獲物に助っ人がいないことを確認してから近づくように。
それは俺の手にある骨爪を認めていた。
婪は走り続けている。俺はその背中に乗ったまま、あの目が決して消えることはなく、明滅しながら俺に釘付けになっているのを感じていた。それでもその輪郭ははっきりと見えなかった。
闇がその姿を包み込み、瞬きをするたびに数寸ずつずれていく。まるで一枚の絵がそっと端を引っ張られているかのようだった。
近づいている。
何か兆候を捉える間もなく、骨爪の指先がふと光った——しかし反応する暇はなかった。
婪が本能的に横へ捻ったが、何かが後ろ脚をかすめていった。
「痛い痛い痛い!」
婪が飛び跳ね、尻尾を足の間に挟んだ。
見下ろすと、後ろ脚に黒い爪痕が一筋ついていて、それが膨らんだり縮んだりしながら、皮膚の表面で蠢いていた。
振り返る——あの闇の中には何もなかった。すでに手を引いて、こちらが見つけられない場所へ戻っていた。
【……どこにいるのか見えない。】
下を向いて、手の中の骨爪に何か変化がないか確認した。
確かに少し変わっていた——指先がかすかに瞬いていて、まるで呼吸しているように、あるいは何かを指し示しているように。
手を上げて一周させると、9時の方向で指先がよりはっきりと光った。
あそこに何かがある。
「無敵スーパー二連打!」
拳を叩き込むと、闇の中で一対の瞳が光り、大きな黒い塊が後ろへ弾け飛んだ。
黒斑豹、ついにHPゲージが現れた。
【指骨で居場所がわかる。】
奴の戦法は常に奇襲だ。だから手を掲げていれば、指骨がどこに隠れているかを教えてくれる。
「婪、右に寄れ!」
婪が横へ滑り込むように突進し、俺は爪を振り下ろした。奴は痛みで後退したが、反応はさっきより速かった。
二度目は左から回り込んできた。指骨が先に光り、婪が向き直り、俺がもう一爪を加えた。
三度目、奴はもう近づいてこなかった。暗がりにうずくまり、待っていた。
指骨はまだ瞬いている。奴は迷っている。
迷う余地を与えるわけにはいかない。
婪が突進し、俺は奴の体にある最も濃い黒斑を狙い、一爪を叩き込んだ。
呻き声を上げて倒れ、その体の黒斑は徐々に薄れていった。まるで墨が水に溶けるように、輪を描きながら広がり、やがて周囲の闇に完全に溶け込んだ。
骨爪が奴の光を吸収した。
息をつき、骨爪の上に凝った光の点を見つめる。
【……待て。】
突然警戒心が湧いた。
【灼痕蛇にこれほど長く出会っていない。どこに行ったんだ?】
まさか自分が危険な蛇を探しているなんて。
奴も骨爪に気づいているはずだ。だが赤角羊のように突っ込んでくるでもなく、黒斑豹のように追いかけ回すでもなく、まるで……
逃げている?
婪に乗ってしばらく探したが、あの乾いた熱風は一向に訪れなかった。
暗影回廊の扉に近づいた時、かすかな風が頬をかすめた。
ほんの少しダメージを受けただけで、以前に比べてずっと弱まっていた。
振り返って見た。
奴は扉の脇の隅に縮こまっていた。
ぐるぐると巻いて、石の隙間に自分を押し込もうとしているかのように。
その姿は現れたり消えたりして、まるで燃え尽きかけの暗い炎が、消えかけては再燃するを繰り返しているようだった。
近づけば近づくほど、奴はより強く縮こまった。
【一滑りすれば傷つけられるのに、一体何をそんなに怖がっているんだ……】
縮こまる姿を見つめながら、あの女が言っていた言葉を思い出した——蛇は獲物を盗む。
羊は死んだ。豹も死んだ。奴にはもう奪うものが何もない。俺が見ているのは狡猾さではなく、恐怖だった。依り代を失った後の行き場のなさだった。
一瞬迷った。
だが扉の印はまだ残っている——最後の柴の山の印がまだ光っていて、消えていない。
この扉を開けなければ、ニクスは現れない。
骨爪を上げ、奴が縮こまる場所にそっと触れた。
奴は散った。灰が風に吹き散るように、音もなく。
黒斑豹よりも静かに、より完全に消えた。
冷たい風が吹き抜けた。
骨爪の光が完全に消え、手から離れて地面に落ちた。
婪の背中から滑り降りて、見下ろす。
それはもはや灰白色の骨の節ではなかった——全体が一振りの、鈍い金色に輝く完全な鍵へと変わっていた。
【—システム通知:日落ちの鍵を獲得しました。—】
腰をかがめて拾い上げ、しばらく立ち尽くしてから顔を上げて扉を見る。
扉の文字がようやく読めるようになっていた。
影がゆっくりと退き、両側から何かの力で押し開けられるようにして、下の元の文字が露わになった。
「太陽の影は、なおも太陽を必要とする。」
二度読んだ。
【……壁に刻まれていたあの言葉だ。一致した。】
日落ちの鍵を掲げた。
扉の影はまず一瞬縮んだ——鍵に残された光が刺さったかのように、縁が微かに震えて後退した。
しかしすぐに、彼らは猛然と飛びかかってきた。飢えた獣群が獲物を囲むように、鍵をしっかりと掴み、そして力を込めて握り砕いた。
砕け散った光が影の包みから溢れ出し、闇が内側から裂けた。
扉が、ゆっくりと開いた。




