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転生ぬいぐるみ、俺は〈十八〉の全女ソウルライクBOSSたちに真の終局をもたらす!  作者: 野間羊
第4巻 カタイナ編

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第17章 肩を並べて

「どうしてこんなに早く戻ってきたの? リリィ。」


【最初に話しかけたのがシエル? なんか慣れない。】


「朔はどこへ?」


「守護者様は何もおっしゃいませんでしたから、あたしも聞けませんでしたよ♡」

「いいんだ、すぐ行くから。まずはちゃんとお礼を言わせて。この鎧、すごくいい感じだよ。」

「どういたしまして♡ あれは『大師マスター』のおかげだよ。最初はコーラに頼もうと思ったんだけど、大変そうでしょ? 彼女に頼んだらすごく楽になったんだ♡」


【『大師』が直したのか。数回会っただけで俺のサイズと重さがわかるなんて? ちょっと怖いな。】


「じゃあ彼女にもお礼を伝えておいて。」

「リリィが自分で言えばいいよ♡ 『大師』は神出鬼没ってことは、どこにでもいるってことだからね♡」

「そうだな。久しく魔法も教えてもらってないし。会ったらちゃんとお礼するよ。」


 突然、シエルの売り場で金色の光点が一回転した。

【どうやら会話はまだ終わってないみたいだ。ようやく彼女たちのサブクエストか。】


「そうだ、あの人から頼まれたものを作ったんだ。届けてくれないかな?」

「もちろん。」


 受け取ったのは銀色の鈴だった。

【でもなんでこんな変な顔がついてるんだ?】


「これは?」

「泣き顔の銀鈴。壊れたお守りだってさ。あたしも詳しくは知らないんだ。」

「これを持ってたら彼女、自分を晒すことにならないか?」

「大丈夫でしょ。ほら、あたしがひび割れを直したけど、音もしないでしょ?」


 手に持って振ってみる——結構重い。大剣くらいの重さがありそうで、振るのに力がいる。本当に音はしない。

 しかし一回振っただけで、シエルはさっきまで背を向けて棚を整理していたのに、次の瞬間には銀鈴を握っていた。速すぎてびっくりした。


「勝手に振らないでよ、リリィ。何に使うかもわからないのに、私たちが死んじゃうかもしれないでしょ♡」

「わ、わかった。ちゃんと渡すよ。」

「それじゃあありがとう。よろしくね♡」


 シエルはようやくゆっくり手を離し、バッグにしまうのを見届けてから、安心して背を向けて続きを始めた。


【早く輪廻をリセットしよう。】


 ゆっくり篝火の中へ歩いていく。


「ううっ! 熱い熱い! どうなってる?」


 全身が炎に包まれた。焼けるような痛みじゃないけど、前に比べて火傷のような軽い刺痛が加わった。

【外に出たら必ずステータスを確認しないと——「無痛の人」が消えてるじゃないか!】


 背中の布地が焼け焦げた。背中なら朔がいなくてもバレにくい。それに鎧も着てるし。


 急いでステータスを確認した。

【この特質、いつ鎖で封じられたんだ? しかも一重だけ……まさかカタイナに一度殺されたせいか?】


【まあいい、今は考えないでおこう。酒瓶にはもう湖水を入れた。カタイナを助けに行かないと。】


 外に転送すると、小僧もついてきた。

「カチカチカチ。」

 やっぱり何を言ってるのかわからない。


 再び酒の大陸に来ると、巨体はちょうど挟まったところだった。

 しかし今回は違う——カタイナは無謀に突っ込んでいなかった。

 彼女は脇に立ち、両手で巨槌を握り、槌頭を地面に付けて、何かを待っているようだ。


「カタイナ! 平然を装っても無駄だ!」


 セリフまで変わっている。


 巨体が虚ろになり、地下牢へ引っ込んだ。


「やっぱり俺を乗せてくれ。」

 急いで小僧に言う。

「カチカチカチ!」


 飛び乗り、反手双刃ハンシュソウジンを握る。今回は心の中まで慌てていない。


 カタイナが横を向いて俺を一瞥した。髪は微動だにしない。

「私と一緒に戦うのか?」

 穏やかに聞く。


「そうだ。これを飲め。きっと助けになる。」

 酒瓶を差し出す。


 彼女は受け取り、一瞥して、仰いで飲み干した。

「これは……彼女の酒瓶……もう忘れてた。」

 唇を舐める。

「とても冷たい。彼女がくれたのか?」

「違う。彼女には会ったことない。でもこれで少しは正気になるだろ?」

「ああ。これは彼女の『秘策』だ。でもありがとう。」

「どういたしまして。」


 言い終わらないうちに、足元の酒の塊が大きく揺れた。


「態度を表明したなら、死を受け入れろ!」


 巨体の声が四方八方から押し寄せる。両腕が同時に地下から突き出し、左右から合掌するように叩きつけてきた。

【俺たちを蚊のように叩き潰す気か?】


 本能的に避けようとした——しかしカタイナが動いた。

 彼女は両手で巨槌を振り回し、体ごと回転した。半周じゃない。まるまる一周。槌頭が唸りをあげて完全な円弧を描く。


 巨手が槌にぶつかったのか、槌が巨手を叩いたのか、見えなかった。


「ドン——」


 鈍い音。巨体の右の掌はまだ閉じる前に、掌の真ん中に深い凹みができ、腕全体が弾き飛ばされた。

 俺の攻撃はもう一方の手に当たったが、ちょっと皮を削っただけだ。


 しかしカタイナの一撃で、巨体のHPゲージは大きく減った。


【やっぱり。彼女が正気を保っていれば、戦闘力は全然別物だ。】


 巨体は痛みに耐えかね、鍵穴から何本かの鎖を出し、殴られた手に絡めた。手はまだ動いているが、虚ろにはならず、地下へ引っ込むだけだった。


「くそっ! なぜお前はやけに冷静なんだ!」


 巨体の声にようやく焦りが混じった。


 カタイナは巨槌を地面にドンと打ちつけた。

「焦るべき人間が変わったからだ、くそったれな『私』よ。」


 間を置いて、横を向いて俺を見た。

 その一瞥はとても短かったが、意味は明確だった——この言葉は巨体に向けただけじゃない。


 地面の揺れは止まっていない。巨体は引っ込んだだけだ。逃げたわけじゃない。もう少し真剣にやらないと。

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