第13章 巨体
「小僧、あいつらを噛め!」
二人の看守は今は分かれている。さっきの転ばせる作戦がまだ使える。
「カチカチカチ。」
反手双刃を握りしめ、頭の中でセレスの戦い方を反芻する。
【魔法を自分に合わせろ。無理に耐えるな。】
「超絶スーパー無敵二連打!」
二つの拳が旗を持った看守へ飛んでいく。
彼は旗を振り、あっという間に拳を布の中に包み込み、また投げ返した——方向は提灯を持った方だ。
【なぜ相棒に投げるんだ?】
しかし彼の体が横向きになった。チャンスだ!
飛び上がり、刃先を彼の肋骨へと向ける。首も弱点だが、肋骨のところは鎧で覆われていない——これは鍵を探すときに覚えた情報だ。まさか役に立つとは。
彼は痛みで腕を震わせ、一歩後ろに跳んだ。しかしすぐに体を戻し、旗を横に振ってきた。急いで後退する。
提灯の方も暇ではなかった。俺の拳は彼に当たらなかった——灯の中から無数の手が伸びてきて、拳をしっかり掴み、中に押し込んだ。検査を通らなかった囚人たちは死んでおらず、全員灯の中に閉じ込められて重労働をさせられていた。
【なるほど。旗の看守は灯がダメージを吸収できることを知っていて、わざと拳を相棒に投げたのか。】
【小僧は? 俺の言ったことを理解したのか?】
それを見ている暇はない。また旗が押し寄せてくる。次から次へと。看守は振るう合間に俺の視界を遮り、こっそり一回転——
突然鉤が飛び出した。
避けきれず、鉤頭が体を押し、鉤先が足に突き刺さり、全身が壁に打ち付けられた。看守は一瞬で目の前に迫る。
HP残り10。
【痛い……もう一回押されたら教会に戻る。】
彼が跳び上がった——しかし俺には向かってこない。
小僧だ! 看守の足にがっちり噛みつき、必死に食い荒らしている。
【賢い! 彼の武器はまだ俺に刺さっている。まさに噛みつく好機!】
提灯の看守は動作が遅い。相棒が噛まれているのを見て、灯の中の囚人がすぐに半身を這い出した。ストロボが光ったように「シャッ」——もう囚人たちが小僧の全身を掴んでいた。
彼らは必死に引っ張り、小僧に口を離させようとする。しかし小僧の噛む力が強すぎる——
すねの全部が噛みちぎられた。看守はそのまま地面に倒れこんだ。
「ああ——! この気持ち悪い犬め!」
彼は地面にうつ伏せになり、起き上がろうと踏ん張ったが、力が入らなかった。もう飛べなくなった。
【そろそろ抜け出さないと!】
自分に刺さった旗を必死に押す——びくともしない。もう一踏ん張り!
「うん——! やっ!」
ようやく旗が押しのけられた。旗と一緒に地面に倒れ込み、旗竿が鈍い音を立てた。
足の綿がはみ出している。怪我した足を引きずりながら、急いで愈伤棉を食べる。
最後の二つだ。一か八か。
HPが満タンに戻った。小僧を助けに突っ込もうとした——小僧は灯の中に引きずり込まれようとしていて、まだ噛み切った足をくわえている。飛んでいくと、提灯の看守がまた光を放ち、思わず目を覆う。
もう一度目を開けると、小僧はもういなかった。
【灯の中に吸い込まれた? 大丈夫だろうか……】
旗の看守は地面に崩れ落ちて、自分の武器には手が届かない。提灯の看守はまだ動ける。
突っ込もうとした瞬間、提灯の看守が突然震え始めた。彼は灯をしっかり押さえたが、灯は激しく震えるばかりだ。
「どうした! おとなしくしろ! この囚人ども!」
「しまった! あの犬はいったい何者だ!」
「バンッ——」
提灯が破裂した。
二、三人の囚人が灯から放り出され、恐怖におののきながら四方へ逃げ散った。
そして小僧が爆発の中心に立っていた。
毛皮は漆黒なのに、かすかな白い光を放っている。四本の足が囚人たちの爪になっていた——いや、彼らを食べたことで、彼らの特徴が生えたのだろう。
一つ目は長く大きく引き伸ばされ、額から鼻先まで伸びている。
「ダ……ダ……ダ……」
歯を打つ音が前よりずっと重い。その目は二人の看守をじっと見つめている。
しかし看守はもう戦える状態じゃなかった。武器もなく、力も尽きていた。
「負けを認める……旦那の信頼を裏切った。」提灯の看守が崩れ落ちるように座り込んだ。
「もういい。俺たちも疲れた。」旗の看守が低く言う。
「結局、どんな過ちも鎖で縛れなかった。『我々』はやっぱり役立たずだ。」
「待て、何をする気だ?」
旗の看守は体を引きずりながら湖水の方へ動く。提灯の看守はもう飛び込んでいた。
旗の看守の血まみれの手が水面に触れた——彼も滑り込んだ。とても軽く、とても静かに。
そして湖水が逆巻き始めた。
「言っただろう、お前には私を閉じ込めておけないってな! カタイナ! やっと自由だ!」
巨大な両腕が岸に手をかけ、半身が湖から持ち上がる。
その顔は最初はまだ魅力的だった——次の瞬間には吐き気を催すほど歪んだ。巨体の頭頂は上の岩層を突き破り、がらがらと土砂が落ちてくる。裂け目から粘っこい液体が染み出し、その顔や肩を伝って滴り落ちる。
酒だ。
これがカタイナがずっと飲んでいた酒なのだ。
「こんなもので俺を閉じ込められると思うな!」
巨体は鎖魂獄を完全に突き破った! 頭上からは裂け目がどんどん広がり、酒が滝のように四方八方から流れ込んでくる。
【水没する——】
真っ黒な大きな口が俺を飲み込んだ。小僧が飛び上がって俺を自分の体内に入れたのだ。
巨体の脚が完全に水面から現れるまで、俺はようやく理解した。
この巨体の手、足は、さっきまで鎖で縛られ、看守に阻まれていた部位だった。
こいつこそ、この地下牢が本当に閉じ込めようとしていたものなのだ!
「なんてこった! なんてこったい! こうなることはわかりきってた! ずっと神経を張り詰めてきたのに、それでも彼女を出してしまった!」
あの騎士の声が水の中から聞こえる。
「『私』を閉じ込めることなんてできやしない! いったいどうすればいいんだ! 私だって十分頑張ってきたのに!」
言い終わると同時に、水面は動きを止めた。水が固体のように固まった。
小僧は本能的に噛み始めた。
「これを食べるな!」
止まらない。水はもう凍っている。噛んで道を開けなければ、俺たちは到底浮かび上がれない。
小僧は噛み砕きながら上へもぐり進み、固まった酒の塊の中にトンネルを掘った。
ようやく一番上まで這い出た。
ここは酒の大地と化していた。
あの騎士が……水の流動性を封じたのか?
それなら彼女こそ——カタイナ本人なのか?
巨体の半身はこの酒の大陸に閉じ込められ、必死にもがいているが、もう身動きが取れない。
すぐ近くにカタイナが立っていた。両手で巨槌をぎゅっと握りしめて。




