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転生ぬいぐるみ、俺は〈十八〉の全女ソウルライクBOSSたちに真の終局をもたらす!  作者: 野間羊
第4巻 カタイナ編

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第12章 湖面の映り

 青い蛍の羽が湖面をかすめ、濁った水がようやく一瞬だけ澄んだ。


 小僧は全く止まる気配がなく、なんとそのまま追いかけていった。


【青い蛍が綺麗なのはわかるけど、そんなに追いかけるもんか。】


「止まれ、小僧! 沈むぞ!」


 小僧は全く聞き入れない。仕方なく、目の前に飛んで行って、止まれのジェスチャーをした。


【なぜあんなに蛍を食べたがるのか——前に俺の体の中で金色の蛍に導かれて食べ物を食べたからか?】


 小僧は少し遅くなっただけだった。俺の体を避け、まだ蛍がどこへ飛んだかを見ている。


 蛍は湖の中央に静かに浮かんでいる。


 小僧の体がもうすぐ足を踏み外す!


 慌てて飛んでいって、小僧の頭を抱え、体から引き離した。


 案の定、足が湖の水に触れた瞬間、その体は何かに掴まれたように、どんどん沈んでいった。


 湖面は相変わらず静かで粘っこく、まるで何も沈んでいなかったかのようだった。


 小僧は骨の上に毛皮が生えてからずっと重くなっていた。まだ筋肉がついていないのが幸いだった。そうでなければ、俺には持ち上げられなかった。


 それでも、少し下に沈みかけた。小僧は新しい体が湖の水に消えるのを見て、震え上がり、口を「カチカチカチ」と鳴らした。


「震えるな。そうしないともっと掴まれなくなる。」


 岸に置いてやると、小僧はようやく安心した。


 もう青い蛍を追いかけようとはせず、近づいてきて俺の顔に擦り寄った。


「もういい。お前がちゃんと俺の言うことを聞く方が、取り入るよりずっと大事だ。」


 引き離した。怖がりで向こう見ずなだけじゃなく、何よりこういう骨と皮だけの感触があまり好きじゃない。気味が悪い。


 看守の体が湖の中に沈むと、かえってやや澄んだ場所が現れた。


 青い蛍がその澄んだ水面の上に止まり、何度か飛び動いた。


 近づいて、下を覗き込む——


 映っているのはセレスだった。


 彼女の後ろには……たくさんの女性の影が立っていた。


【へえ、彼女は自分の世界でそんなにモテるのか。どんなフェロモン美人だよ。】


 しかしセレスは立ち止まらず、どんどん先へ進んでいった。「迷える旅人」という設定に実によく合っている——一度振り返ったら、自分が旅をする意味を見失ってしまうのだろう。


 次の瞬間、映りが変わった。


 黒い髪、丸い眼鏡、散らかった部屋……俺だ。


【ちょっと待て、なんでこの湖が俺のことを知ってるんだ?】


 そればかりか、俺の映りをセレスと重ねるなんて……


 やめてくれよ。俺がセレスと比べられるはずがない。現実の俺はゲームで自分を麻痺させている陰キャだ。


 友達もいないし、趣味も変でマニアック。電話に出るだけでも緊張で手が震える……


【これって制作陣の個人情報流出じゃないか? 出たら絶対に問い詰めてやる!】


 しかしその後ろに、セレスの周りにいた女性たちの姿は消えていなかった。


【そうか……俺もこうして振り返らずに人から離れていった。同じ迷える旅人なんだな。】


「もしかしたら……そういう意味じゃないかもしれない……」


 映りが急にセレスが話しているように変わった? いや、見間違いだ――この映りはセレスじゃない。


【じゃあこれは俺に向けた言葉なのか? でも明らかに俺の心の声に応えているじゃないか。】


 映りはカタイナだった。彼女はバーの椅子に座っている。話しているのは、彼女の記憶の中のあの女——やっぱり顔ははっきり見えない。


 しかし二人の頭上に、なんと名前とセリフを表示する吹き出しが出ていた。


【……もう笑うしかない。】


 カタイナ:「あなたは私と一緒にいたくなかったの?」

 見知らぬ女:「ただ助けたかっただけよ。あなたがあるべき姿になれるように。」

 カタイナ:「あるべき姿?『私』は決して黙らない。『私』になりたいなんて思わない。私の精神的支えは……あなたなのに。」

 見知らぬ女:「覚えておきなさい。あなたが『彼女』を閉じ込められるようになった時、あなたはそのあるべき姿になれる。でも今夜限り。もう私を探さないで。」

 カタイナ:「なぜ?」

 沈黙。その女の姿が消えた。

 カタイナ:「なぜだ?!」


「湖に異変があるぞ! 誰だ、騒いでるのは!」


 突然、誰かの声が聞こえた。湖の映りが消えた。


 振り返る——別の二人の看守だった。さっきの物置部屋の方から来たようだ。


 目には悲しみと怒りが満ちている。どうやらあの二人の看守が死んだことをもう知っているらしい。


「そこを離れろ! 外の者!」


 旗を持った看守が、鉤のついた端を投げつけてきた。慌てて転がって避ける。旗は湖岸に突き刺さった。看守は元々壁のあちこちにいたのに、瞬きする間に湖岸まで突っ込んできた。


 通った地面には長い亀裂が残っていた。


 提灯を持った看守も、灯りを揺らしながら、ゆっくりとこちらに近づいてくる。


【どうやら戦いは避けられないらしい。】


 しかしさっきの戦いで、もう手持ちの切り札は全て使い果たしていた。


 セレスはもう二度と起きないかもしれない。再生の祝福ももう使った。


 思わず目が小僧に向かう。


 もうとっくに隠れているかと思っていた。ところが毛皮が生えてからは、二歩後ろに跳んだだけで、隠れてはいなかった。


 その目も俺を見ていた。


【ついに一緒に戦う気になったのか?】

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