第10章 守橋将軍
まさか、あの速度で何度も体が浮き上がり、顔が吹き飛ばされそうになりながらも、しっかりと馬の背に乗っていられるとは思わなかった。
しかもこの護馬甲は、ただ闇雲に走っていたわけじゃない。
猛スピードで駆けていたそいつは、ようやく一本の吊り橋の前で止まった。橋の床板はひどく錆びていて、その下を流れる水までもが黄ばんだ錆色に染まっている。
橋の向こう側には、かろうじて形を留めた砦が立っていた——少なくとも砦の跡だとわかる程度には。
護馬甲は首を低く下げて、到着したことを知らせた。
俺はそいつの頸甲から滑り降りて、しっかりと地面に着地した。
護馬甲は立ち止まらず、一人で橋を渡っていく。
橋の中央には、他の錆骸騎士よりも一回り大きな影が立っていた。
その影の前に歩み寄ると、護馬甲は口から一通の手紙を吐き出した。
——もちろん、こいつは鎧だから、気持ち悪いよだれとかはない。
その影は手紙を軽く振ってから、封を切った。
「戦書……よくもまあ、誰がそんな大胆不敵な真似を?!」
単なる遺物に過ぎないのに、特定の相手に対しては生前の主が最も好んで言っていた言葉を口にする。
鉄甲の擦れる耳障りな声でありながら、ひときわ傲慢だった。
その影はゆっくりと頭甲を上げて、俺を見下ろした。
「この橋を……敵に渡らせるわけにはいかん! 背後には万の灯火があるからな!」
言い終えると、彼はひらりと護馬甲に飛び乗った。
動きは極めて遅く、関節がギシギシと錆びた音を立てる。
しかし彼が腰を下ろした瞬間、その護馬甲はまるで長い間眠っていた戦意を注ぎ込まれたかのように、四本の蹄を地面にしっかりと踏みしめ、一筋の錆煙を巻き上げた——それはもはやただの遺物ではなく、真の戦馬だった。
乗馬した彼は手を広げ、掌を下に向けて、地面からゆっくりと形を成す武器を呼び出した。
ところどころ錆びつきながらも恐ろしく鋭い、長柄の大刀だ。刀身を錆水がゆっくりと伝い、むしろ何とも言えない悍ましさを醸し出している。
彼が武器を振るうとき、その動きは決して遅くなかった。
「ちょっと待て! お前の馬が俺をここまで連れてきたんだ! 戦書なんて出してないぞ!」
「死に際の嘘だな! 覚悟しろ!」
【小ボス:守橋将軍】
さっきまであんなに長距離を走ってきた護馬甲なのに、将軍が乗った途端に活力みなぎっている!
馬は前身を起こし、前蹄を蹴り上げ、着地と同時に驚くべき速さで俺に向かって突進してきた。
慌てて転がって避ける。
将軍の刀は地面に深い跡を刻みながら引きずられていたが、俺の転がりもかろうじて攻撃範囲を逃れただけだった。刃先は目から数センチのところにあった。
【速すぎる。転がりに無敵フレームがなければ、もうダメージを受けていたな。】
突進が終わると、将軍はすぐに次の攻撃を仕掛けなかった。
彼は馬を引き連れて、橋の端を行ったり来たりと歩き回る。
観察しているのか、それとも錆のせいで力を溜めているだけかもしれない。だがどちらにせよ、鎧の鈍重さが彼の弱点だ。
その鈍重さから来る一瞬の隙を捉えれば、反撃できる。
——しかも俺は魔法を使っている。
将軍の歩みがようやく止まった。彼が出そうとしている。
「打!」
一発拳を放ち、彼の腿甲に命中した。
【狙いは胸だったのに……距離が遠すぎたのか、それとも俺が低すぎるのか? 元々大きいのに、馬に乗ってさらに高くなっている。】
護馬甲が再び前身を起こし、前蹄を蹴り上げる。また突進か?
今度は彼は突進しなかった。ただ素早く接近し、一刀を振り下ろす。本能的に転がって避けたが、反応が間に合わなかった。
【ひやっとした……この一撃を食らったらどれだけダメージを受けてたことか。】
「逃げることしかできんのか、腰抜け!」
彼はそのまま通り過ぎずに、続けざまに二刀を振り下ろした。一刀目は避けたが、二刀目は間に合わなかった。
——400ダメージ。
【痛い!】
痛くはないけど、体に重い一撃を受けた感覚が震えた。残りのHPでは、もう一回かすっただけで死ぬ。
将軍が刀を収める動作は極めて遅い——錆びた関節は、彼の腕が一寸上がるたびに自分の体と格闘しているようで、まるで何かを振りほどこうとしているかのようだ。
俺はこの隙に急いで愈伤棉を食べてHPを全快させる。
そして詠唱する。
「究極超絶無敵烈打——二連撃!」
今度は距離が近く、二つの拳が将軍の胸甲にしっかりと命中した。しかしHPはほとんど減っていない——鎧がほとんどのダメージを吸収したのだ。
【大丈夫。薬はまだ足りる。】
バッグに手を突っ込み、また愈伤棉と織魔絨を手繰り寄せる。
【……とりあえず持ちこたえるしかないか。】




