第1章 腐
遺燼祭壇から出て、俺は篝火のそばに長いこと座ってた。
バッグを漁ると、愈伤棉はまだ結構あったけど、烁殻虫にやる水晶の欠片はあと二つしか残ってなかった。
——千ソウル貨一個。使い切ったらまた買わないといけない。高すぎるだろ。
でも隣の烁殻虫がしきりに鼻を鳴らして、早く出発しろと急かす。その様子が見れば見るほど可愛い。急に、千ソウル貨でもこいつの餌を買うのは全然惜しくない気がしてきた。
「もう少しだけ待ってくれ、烁殻虫。」
そいつを撫でてやる。
フラグの遺燼をやっと安置した。あの粉々に砕けた英雄が、ようやく完全な名前を持ったんだ。俺もちゃんと休むべきだろ? そう思わないか?
十五分の一……まだ始まったばかりだ。
まずは外が誰の世界になっているか見てみよう。前のバージョンでは順番はランダムだった——
コロティアの……錆骸丘?
【ちょっと待て、このマップ、確かマイナス状態があったよな……】
しまった! 武器と装備が腐るんだ!
じゃあ俺の布地も腐ったりしないよな? もし腐るんだったら、防御力はもうただのゼロじゃないか?
「リリィ、すごく疲れたの? それともどこか具合が悪いの?」
朔の声が背後から聞こえた。
「ないない。自分を追い込みすぎるなって言われたから、ちょっと休もうと思っただけで。」
「私の胸のところに来る? お祈りは終わったよ。」
「い、いや、もう行くから……」
「そう。じゃあ気をつけてね。」
【もう何度か抱きしめられてるけど、やっぱりそれはちょっとダメな気がする。】
【それに、なんで朔はこんなことを平気で言って顔も赤くならないんだ? ただそういう表情ができないだけなのか、それとも……】
まるで……当然のことのように。
当然なのか?
【まさか、朔は好感度が最初から満タンだから、リストに載ってないってことか?!】
【いやいや、考えすぎだけど……でも本当にそうだったらいいな。】
行く前に、コーラとシエルのところで何か買っておこう。どうせまた強いモンスターと戦うことになるんだから。
その時気づいた——シエルがいない。
彼女の売り場には、めちゃくちゃ面白い看板が立ててあった。
「仕入れに出かけてまーす♡ 万引きはダメだよ。やったらコーラお姉ちゃんが溶鉱炉にぶち込むからね♡」
【これ、俺のこと言ってるのか? なんで俺が盗むと思ったんだ、シエル? 俺の第一印象ってそんなに悪いのか?】
まあいい。どうやらしばらくは縫合剤も愈伤棉も買えないらしい。
武器をもっとアップグレードしようかと思ったけど……違う、アップグレードしたところでコロティアの「腐」の永続デバフで無駄になる。
ならソウル貨でレベルを上げるしかない。外に出たら魔法システムが解放されることを願うだけだ。
でも確か、第二マップには魔法を教えてくれるNPCがいるはずだ。なんで教会にいないんだ?
まさかクエストをやらないと見つからないようになったのか?
「朔、頼みがある……」
「わかってる。」
言い終わる前に、朔はわかってくれた。これがいわゆる「以心伝心」ってやつか?
ボス戦で稼いだソウル貨のほとんどをレベルアップに注ぎ込んだ。
レベルが一気に10まで上がり、数値が爆上がりした。
【よし、これだけ数値が高ければ出るのも怖くない。】
自信満々で教会の扉を押し開けた。
出た途端、システム通知がポップアップした——
【システム通知:このマップでは武器と装備が無効になります】
なに? 完全に無効?
通知が消えた瞬間、背中の大剣が急に軽くなった。急いで目の前に持ってくると——水晶の輝きが消え、みるみるうちに薄れていく。
こんなに速く腐るのか?
最後には、俺の手の上で空気に溶けた。
【ちょっと待てよ? 完全に消えた?!】
【システム通知:現在のステータス】
レベル:10
HP:575
MP:300
スタミナ:325
攻撃力:60(武器なし)
防御力:50
乗り物:烁殻虫
大剣が本当に消えた。永久に。攻撃力ボーナスも一緒に消えた。
【ううう……アップグレードに使った魂鍛石とソウル貨が……全部パーだ!】
【なるほど、水晶の大剣がタダだったのは、第二マップで回収される運命だったからか?】
じゃあ今、手ぶらだけど、どうやってモンスターと戦えっていうんだよ!




