第13章 盲目
教会に戻ると、シエルが待ちきれない様子で駆け寄ってきた。
「どう? どう? 美味しい水、見つかった?」
「別の贈り物にしたほうがいいと思う。」
藍赤色の酒のことを、一から十まで話した。
「そんなはずないよ! まさか守護者様も真実を知らなかったの? でも確かにこれは贈り物にはできないね。自分で作るよ。」
「手作りの贈り物なら、コーラもきっと喜ぶ。」
「そうだね、本当に手間かけさせちゃった。ちょっとしたお礼をあげるね♡」
また無料の縫合剤? これはかなり太っ腹な報酬だ。
そして、リセットする前に、この一部始終を朔に伝えなければならない。
さっきシエルに話したことを、朔にももう一度話した。
「そういうことだったんですか。確かに私はマルコ様がまさか……そんな存在だったとは気づきませんでした。彼女はただ自分を膠質化して、子供の体を保っているだけだと思っていました。」
「朔が知ってくれてよかった。マルコ様の認識はずっと母親に影響されていて、朔に迷惑をかけたくなかったから、すべてを話さなかったのかもしれない。」
「私が忙しすぎたのもあります。当時、輪廻世界は安定していなくて、彼女たちと向き合って話す余裕がなかった。だから先にここに来た彼女たちが私をあまり信用していないのかもしれません。」
「そんなふうに思わないで。朔がしていることは正しい。たとえ彼女たちが朔を信じなくても、俺がなんとか朔の良いところを彼女たちの前で話して、理解してもらえるようにするから。」
朔はしばらく静かだった。
「リリィの言葉は、本心から?」
どうして急にそんなことを聞くんだ?
「もちろん本心だよ。」
「実は、彼女たちが私を理解しようとしまいと、どうでもいいんです。」朔はうつむき、指をそっと胸の前で重ねた。「私はただ、彼女たちに知ってほしいだけ……誰がそんなに努力しているのかを……」
彼女は最後まで言わなかった。深く息を吸い、両手を組み、目を閉じる。肩から灰が落ち始めた——さっきより少し多い。世界の交替による残り火ではない。彼女自身のものだ。
【まただ。『信頼』とか『理解』という言葉が出るたびに、彼女はこうなる。一体何を考えているんだ?】
「朔、どうしたんだ?」
「少し感じ取ったことがあるだけです。」声は平坦だ。「大丈夫、自分で静めることができます。あの煩わしい感覚に邪魔されないように。リリィは心配しないでください。」
【図星なのかもしれない。でも何と言えばいいかわからない。彼女がそんな表情をするたびに、俺は——まあいい、考えないでおこう。】
「わかった、朔が解決できるならそれでいい。じゃあ先に輪廻をリセットしてくる。」
【マルコの遺燼はそれほど難しくないはず。何せ彼女自身、他のボスみたいに死闘を繰り広げる理由がない。とはいえ、今は彼女の目さえ持っているんだよな……本当にそんなにうまくいくのか?】
炎の中へ足を踏み入れる。
しかし今回の炎は、前より痛くはなかった。むしろ——何かが増えた。言葉にできない。炎そのものが変わったのか、それとも炎をくぐる俺の感覚が変わったのか。以前はただ痛んで、それから出るだけだった。今回は痛みの隙間に、何か別のものが炎の中から染み込んできた。速すぎて、見分ける間もなかった。
炎を出ると、外の世界はリセットされていた。自分の体を見下ろす——肩と腕の糸がまた少し緩んでいる。布地の状態も低下している。毎回そうだ。
シエルからもらったばかりの縫合剤を取り出し、緩んだ糸に吹きかける。糸が締まる音はとても細く、ほとんど聞こえない。しかしあの緩みは消えた。ほつれ状態は解除された。
朔はまださっきの姿勢のまま静止している。
「じゃあ先に出かけるよ、朔。」
「お気をつけて。」
祝福の言葉はいつも変わらない。
教会を出る——立ち止まった。
外のすべてがマルコの体内に戻っていない。前回のリセット後、世界全体が彼女の体内にあり、教会は奥深くに呑み込まれ、俺は内側から外へ歩いていた。しかし今回は、世界が外にある。王都、城、堀、それらの建物——すべてが元の位置に留まり、回収されていない。
沼地がない。
マルコもいない。
【輪廻のリセットに問題が?】
マルコの目を取り出してみる。彼女の体の一部なら、彼女を見つけられるかもしれない。
しかしこの膠質の目は微動だにしない。中の真珠のような瞳孔も、死んだように沈んでいる。
【まさか……マルコはまだ死んだ状態なのか? 輪廻のリセットでエラーが起きたことなんてなかったはずだ。この仕組みにこんなバグがあったのか?】
目をバッグにしまう。
すぐに、俺の最も突飛な予想は覆された。
遠くない場所から、ゆっくりと移動してくる黄緑色の液体。初めて見た沼地にそっくりだ——しかしより濃く、より暗く、より遅い。次第に膠質の形を成していくのは、マルコの顔。
彼女には以前のあの活気がない。すべてを無視し、建物や人々を呑み込んでいく。その目には瞳孔がなく、ただ立っている人影だけがある——輪郭ははっきりせず、周囲の液体とよく似ているのに、どこか違う。
それはマルコの母親だった。王都の「女王」。
俺はその場に立ち尽くした。
【特殊エンドになぜマルコの目が必要なのか……そういうことか。】
今の彼女は、母親の愛と憎しみに完全に盲目にされている。
そして俺がやるべきことは、彼女を目覚めさせることだ。
あの聞き慣れた声が、遠くない場所から聞こえてきた。
「今や、私の愛しいココアこそがあなたたちの神だ! 誰も私を脅かすことはできない! 戦争と死をもたらすあの気持ち悪い男たちに、もう奴隷にされることはない! すべてをココアに支配させるのだ!」
【なんてこった、これは一体何だ? ココアが無理やりあの液体を飲まされた後か? もしココアが事実を誇張していなかったなら……ココアはまだ小さな女の子だった頃に、母親によってこんな姿に変えられたのか?】
【いけない! 今のココアを何とかして救わなければ! でもそれはつまり……本来楽なはずの過程が、また戦闘が必要なボス戦になったってことか?】




